蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「さまよう」

2009年11月25日 | 「語句」「言葉」~動詞扁(あ行~な行)
【「さまよう」】

≪辞書調べ≫

<彷徨う>
〔「吟(さまよ)ふ」と同源か〕
(1)当てもなく、あるいは目指す所が見つからずにあちこち歩き回る。迷い歩く。さすらう。
「肉親を求めて焼け野原を―・う」
(2)一定の場所にとどまらず、行きつ戻りつする。
「生死の境を―・う」
(3)心や考えが決まらず迷う。思い迷う。落ち着かない。

<蜻蛉>
“さ”+“まよう”と分けられるのではないでしょうか?


≪「さまよう」と訓読みできる漢字≫


①ホウ/ボウ ②ホウ/* ①pang2 ②fang3
さまよう <似かよう><ほのか>
字統:813
0451/03322

<解字(蜻蛉)>
“方”は、横木に懸けられた人の形。死者の意味。
彳(チャク)は、“行”の左側で、「進む」の意味。
死者の霊が、ふらふらと行く様子。「さまよう」?



コウ/オウ huang2
さまよう <たちもとおる><ゆく、むかう><熟語>
字統:318
0460/03368

<解字(蜻蛉)>
“皇”は“白”+“王”。
“白”は、夜露に晒され白骨化した「されこうべ」の形。白色は、本来「骨の色」。呪力・霊力を持っている。
“皇”は、素晴らしい霊力を持つ「皇帝・天皇」の事。
その霊力を持ってあたりをふらつき行さま。
“彳”は「進む」の意味。
☛「彷徨」は「徘徊」と、ほぼ同じ意味。



ヨウ/* yang2
さまよう <たちもとおる>
0456/03343

<解字(漢語林)>
“羊”は、“漾(ヨウ)”に通じ、「ただよう」の意味。
“彳(チャク・進む)”を付して、「漂い行く」の意味。



ハイ/バイ pai2 pei2
さまよう <たちもとおる>
字統:708
0458/03360


仿
①ホウ/ボウ ②ホウ/*
①pang2 ②fang3
さまよう <ほのかに似たさま><まねる> ならう
字統:813
0082/00237
“彷”参照~具体的に「人のさま」を示した。


≪意味合いが「さまよう」の漢字≫


カイ/エ huai2
(さまよう)
0091/00296

<解字(漢語林)>
“回”は「めぐる」の意味。
人がめぐりさまよう様



ヨウ/* yang2
いつわる <あざむく><さまよう>≪いつわり≫
0095/00342

<解字(字統・漢語林)>
“羊”は“樣”に通じ「そのまねをする」の意味。
人のまねをして「いつわる」こと、また「いつわってさまよう歩く・行く」こと。



①トウ/* ②ショウ/* ①tang3 ②chang2
<たちまち止まるさま> もし=<もしくは>(さまよう)
0104/00426



①②ハイ/バイ ①②pai2
わざおぎ(おどけ)<さまよう><ざれうた><俳句>
常用字解:510-3
0106/00444

<解字(常用字解)>
非は、すき櫛の形。
両側に同じように細かい刃を刻んだ櫛の形。
二人並んで戯れ演じること ⇒ 俳
  「たわむれる、たわむれ、おどけ」の意味
また、たわむれ・おどけながら旅をする芸人の「さまようさま」をも言う。



コウ/オウ huang2
(さまよう)<たたずむ> いとま <ひま>
0109/00473
<解字()>
“徨”参照~“偟”は人を付して具体的にした。



テイ/タイ di1
(さまよう)<たちもとおる>
0453/03331

<解字(漢語林・蜻蛉)>
“氐”は「いたる・行きつく」の意味。
“彳”を付して「さまよいいたる」の意味
☛彽徊(テイカイ):行くつ戻りつするさま。躊躇
彽:「いたる・行く」の意味に重点が置かれる。
徊:「かえる」の意味に重点が置かれる。



カイ/ガイ huai2 hui2
(さまよう)<たちもとおる>
字統:091
0454/03337

<解字(漢語林)>
上記“佪”参照~“彳”をふして「進む」ことにポイントを置いた。



ショウ/ジョウ chang2
(さまよう)<たちもとおる>
0458/03355



ショウ/* xiao1
<さまよう、ぶらつく>
字統:459
1297/11842
☛逍遥~坪内逍遥


遥 遙
ヨウ/* yao2
はるかに ながい <さまよう>≪はるか≫
字統:882
1310/11925・11926

<解字(蜻蛉)> 
声部は、“缶”の上に“肉”を置く形。
その肉が安定せずふらふらするように、そのような形で道を進んで行く「さまよう・ぶらつく」こと。
●遥:新字体 遙:旧字体
☛逍遥~坪内逍遥


違 違
イ/* wei2
ちがう たがう ちがえる(さる)<よこしま><あやまち><さまよう>≪たがえる、ちがい≫
字統:022
常用字解:013-1
1310/11929・11930

<解字(常用字解・蜻蛉)>
“韋”は、“囗(くに)”のまわるを違う方向にめぐる意味。
辶(シンニョウ・辵)を付して、「国をめぐる・さまよう」の意味。



①②ロウ/* ③ラン/* ①lang4 ②lang2 ③***
なみ <なみだつ><起こる><さまよう><しまりがない>(みだりに)<熟語>
字統:951
常用字解:668-2
0767/06236



ヨウ/* yang2
ひつじ <よい><さまよう>
常用字解:630-1
1055/09279


≪熟語で出てくる漢字≫


ヘイ/ヒョウ ping1
つかう つかい 、<おとこだて>
<熟語:伶俜(レイヘイ):さまよう>
字統:791
0100/00381


≪総評≫
“方”“皇”:呪力~「ふらつきまわる」
“非”:二人並んで戯れ演じること
“回”:「まわる」
“羊”:「ありさま・すがた」
●これらの部分に分けられる。


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