蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「おこる」

2009年08月04日 | 「語句」「言葉」~動詞扁(あ行~な行)
【「おこる」】

≪辞書で調べてみる≫

【興る】
〔「起こる」と同源〕新しく生じて勢いが盛んになる。おきる。
「スイスには時計産業が興った」
「モンゴル高原に興った大帝国」

【怒る】
腹を立てる。立腹する。いかる。
「真っ赤になって怒る」
しかる。
「先生に怒られる」

【熾る】
〔「起こる」と同源〕炭に火がついて盛んに燃える。また、炭に火が移る。おきる。
「火鉢の火が真っ赤に熾る」

【起こる】
物事・事態や動きが新しく生じる。おきる。
「事件が起こった」「摩擦で静電気が起こる」
「突然、喚声が起こった」「ぜんそくの発作が起こる」
ある感情や欲望などが心の中に生ずる。
「いたずら心が起こる」「悪心が起こる」
勢いがさかんになる。
「国が起こる」
それまで静かだったものが立ち上がって行動を始める。


≪「おこる」と訓読みする≫


ホツ/ボチ 慣用:ボツ bo2
<急に起こるさま>~おこる <さかんに起こるさま>
<顔色がかわるさま> にわかに <もとる>
<海の名:渤海><国名:勃牙利:ブルガリア>
0175/01003

<解字(字統)>
孛は、草木に実が入り始め膨らむ形。内に秘められた力が外に現れる。
力を加えて更に加えて、
内に秘められた力が、草木に実が入り始め膨らむように外に現れること ⇒ 勃



①②キョウ/コウ ①xing1 ②xing4
おこす(たつ)おこる  おきる <よろこぶ>
<詩経の六義の一つ>≪あたい,こし≫
1083/09499

<解字(常用字解)>
同 と 臼 と 廾 を組み合わせた形。
同は、酒杯。臼 と 廾 はともに左右の手を並べた形。
酒杯である同を両手で持ち、さらに下から両手で支えもって酒を注ぐこと ⇒ 興
∴地霊を祀る時、大地に酒を注いで地霊に気付かせ、地霊を呼び起こす儀礼
地霊をよび興すことから、「おこす」の意味
●解字:同+舁(かく)



ド/ヌ nu4
いかる おこる いかり いからす
0471/03433

<解字(常用字解)>
奴は、努(つとめる)・弩(いしゆみ)などのように、激しい勢いが強い意味がある。
その心の激しい状態⇒ 怒



シ/* chi4
さかん <あかい> おこす ≪おこる、おきる≫ 
0822/06835

<解字(字統・蜻蛉)>
音符は、戠(ショク)。戠は、戈に呪飾(ジュショク)をつけた形で、赤色で標識の意味があり、火を加えて、火のしるしが盛んで、はっきり見えること。
●炽は熾の俗字か?



キ/* qi3
おきる おこる(たつ)おこす
1257/11398・11399

<解字(常用字解)>
常用漢字では、己になっているが、本来は、“巳”の形。
“巳”は、蛇の形。走は、はしる=行くの意味。
蛇が頭を擡げて進むこと ⇒ 起 起
∴蛇のその姿勢が、人が立ち上がり何かを始める時の姿勢に似ている。


≪意味合いが「おこる」≫


①サク/* ②サ/* 慣用:サ ①zuo4 ②***
つくる(なる)(なる)(おこる)(おこす)(おきる)
<たつ><いつわる><はたらき><作品><うごき>
≪つくり、とも≫
0084/00249

<解字(常用字解)>
乍は、木の枝を曲げて家の垣などを作ること。
甲骨文・金文では、人によって、城壁や青銅器を作ること ⇒ 作
乍が、作の元の字。後に「作」の字が作られた。


イン/* yin1
よる <おこる> ちなむ <よすが> よって よりて ちなみに ≪ゆかり≫
0263/01774

<解字(常用字解)>
囗 と 大 とを組み合せた形。囗は、“むしろ”の形。
人がむしろの上に大の字になって寝ている形 ⇒ 因
「むしろ、寝ござ」の意味
“因”は常に、寝ござとして使い続けられている為、「よる、たよる」の意味に
●因は本字 囙は俗字



イン/* yin1
【よる <おこる> ちなむ <よすが> よって よりて ちなみに ≪ゆかり】】
0261/01770

<解字>
“因”参照
●因は本字 囙は俗字



ハツ/ハチ 慣用:バチ bo1
<おさめる> はねる(かかげる)<ひらく>
<そる、はねかえる><おこる><かきたてる><かもす>
(バチ~太鼓のバチ)<さおさす><たつ、断ち切れる>
<のぞく><ひつぎ車を引く綱>
0552/04327

<解字(字統・蜻蛉)>
発・發には「攻撃を始める」という意味がある。
攻撃の時に太鼓を打ち鳴らして開始の合図をする。
その時、太鼓を打ったバチの意味。「攻撃がおこる」
★レッドクリフを見た方は、ご存知であろう



①セツ/セチ ②エイ/* ①xie4 ②yi
もれる <おこる><へる><減らす><まじえる>
<なれる><去る><除く>
0749/06094



ホツ/ボチ 慣用:ボツ bo2
(おこる)<わく>
0765/06225


煕 熙 熈
キ/* xi1
(かわく)=<かわかす> ひかる <ひろい><おこる>
<やわらぐ、たのしむ> よろこぶ <ああ>
0832/06910-0832/06913-0832/06914

<解字(漢語林・蜻蛉)>
漢字の上部は、授乳を待つ胎児の会意文字。
赤子が授乳が始まりよろこびが“おこる”ことか!?
●熙は本字 熈は俗字 煕は正字 焈は古字

焈 [(戸巳)/火]
キ/*
xi1
【(かわく)=<かわかす> ひかる <ひろい><おこる><やわらぐ、たのしむ> よろこぶ <ああ>】
0817/06752
<解字>
上記の「煕、熙、熈」参照
●熙は本字 熈は俗字 煕は正字 焈は古字
註:焈:[(戸巳)/火]は、再変換出来ない為、一緒にしない


発 發
ハツ/ホチ 慣用:ホツ fa1
(はなつ)(ひらく)(あばく)(つかわす)<おくる> たつ <でる><おこる><あらわす><うごく><のびる>
0901/07691・07692

<解字(常用字解・蜻蛉)>
癶は、もと、止を二つに置き左側を横方向反転する形。
つまり、止(=足趾の形)を左右にそろえる形で、
出発する姿勢。下部は、弓を射る形。
開戦に先立って先ず弓を射て開戦を知らせる ⇒ 發
攻撃が“おこる”の意味。



フン/* fen1
かおる かおり <おこる><おおい>≪こうばしい≫ ∴芬蘭:フィンランド
1098/09641

<解字(漢語林)>
分は、分散する意味。
草が生え始めておこり、その香りが分散する。



①サク/シャク ②サク/サク ①ze2 ②zuo4
<たつ><おこる><せまる> たちまち <にわか>
1293/11794


≪「~おこる」の漢字≫

肸 肹
キツ/キチ xi1
(しく)<ととのえる><ふるいおこる>
0621/04808-0621/04809
●肸は本字 肹は俗字


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