蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

漢字に関する色々なことを発信して行きます。中国語も有りますよ!

「つまずく」「つまづく」

2009年12月11日 | 「語句」「言葉」~動詞扁(あ行~な行)
【「つまずく」】

≪「つまずく」を辞書で調べる~大辞林≫
<躓く>
〔爪突くの意〕
爪先がものにひっかかって体がよろける。けつまずく。
 「石に躓いてころぶ」
物事が中途で障害にあってうまくいかなくなる。
中途で失敗する。
 「不況で事業が躓く」「人事問題で躓く」
◆けつまずく:蹴躓く~「けり」+「つまずく」


≪「つまずく」と訓読≫


①②チ/* ①zhi4 ②zhi1
つまずく・つまづく <あしだこ:足胼胝>
字統:611
1271/11573

<解字(字統・蜻蛉)>
年取った狼が、進もうとしても自分のあご肉(胡)をふみ、後戻りすると尾っぽにつまずき、進退に困る意味としている。
質は「ただす」で、「進もうか戻ろうかを問い質している。」様子 ⇒ 躓



サ/* cuo1
つまずく <すぎる><たがう>
字統:346
1268/11522

<解字(字統・漢語林)>
音符の“差”は「ちがい、くいちがう」の意味。
足の歩みがくいちがう・つまずくの意味 ⇒ 蹉



テツ/デチ die1
つまずく あやまつ <はしる><すぎる><足のうら>
字統:649
1263/11447

<解字(字統・漢語林)>
音符の“失”は、巫女が踊り狂う姿。
エクスタシーの状態になり、「それる、いつだつする」
ことを意味する。
足を踏み外す・つまずくの意味 ⇒跌



コウ/キョウ jia2
つまずく
1264/11460

<解字(蜻蛉)>
音符の“合”は、「あわさる」の意味。
足が合わさって「つまずく」の意味 ⇒ 跲



テン/* dian1
つまずく
1269/11527

<解字(字統・蜻蛉)>
眞は、行き倒れた人の姿。顛倒(転倒)・逆さまの形。
逆さまのなるようにつまずく姿 ⇒ 蹎



ケツ/カチ jue2
つまずく たおれる <たおす><おどる><ふむ>
<うごく><はしる><慌ててゆくさま>
字統:262
1270/11547

<解字(字統・蜻蛉)>
厥は、彫刻などに用いる彫刻刀の形。
原木を削って変化させるため、不安定な事を言う。
足どりが不安定でつまずくこと ⇒ 蹶
●蹶・蹷[厥/足]は同字



チ/* zhi4
つまずく <ひきとめる>
字統:610
0892/07517

<解字(字統)>
若木の根を包み込んで植える形 ⇒ 疐
顚疐(テンチ、つまずく)の例のように、
“躓(チ)”に通じ「つまずく」の意味 ⇒ 疐
●疐は本字 ?(07518:[嚔-忄])は正字



①トン/* ②トン/ドン ③トツ/トチ
①dun4 ②*** ③du2
ぬかずく つまずく <くるしむ><やぶれる><つかれる><とどめる> とみに にわかに <にぶい><人名>
字統:689
1430/13167

<解字(字統)>
屯は、織物の縁の糸を結びとめた縁飾りの形。
「行き止まり」の意味がある。
頭(頁)を行き止まりまで下げる ⇒ 頓
その姿がつまずいた時の様子に似ている事からか!?


≪意味合いが「つまずく」≫

<足へん>

ハツ/バチ 慣用:バツ・バ ba2
ふむ(=踏み躙る)(つまずく)<よろめく><もとる><こえる><ねもと><文体のおくがき>
字統:723
1263/11451



①チョウ/ジョウ ②トウ/ドウ ①tiao4 ②tao2
おどる とぶ はねる (つまずく)<おどらす><速く走る><にげる>(はね)
字統:626
常用字解:451-3
1265/11471

<解字(常用字解)>
音符は、兆。兆は、卜兆(ボクチョウ)の形。
亀の甲に熱ではじけて出来た罅割れのこと。
足を使い激しく躍り上がるようにとぶ事 ⇒ 跳
おどっていて「つまずく」事?(蜻蛉)


蹷 [厥/足]
ケツ/カチ jue2
【つまずく たおれる <たおす><おどる><ふむ><うごく><はしる><慌ててゆくさま>】
字統:262
1270/11548

<解字>
“蹶”参照
●蹶・蹷[厥/足]は同字


蹪 [足貴]
タイ/ズイ tui2
<つまずく><倒れる>
1271/11554



トウ/ドウ deng1 (deng4)
<よろめく、つまずく><熟語:蹭蹬:よろめく>
1271/11558



タツ/タチ ta4
<つまずく>
1271/11564


≪意味合い「つまずく」≫

<足へん以外>

①エツ/オチ ②カツ/ガチ 慣用:オツ
①yue4 ②huo2
こえる こす <まわりくどい><失う><つまずく>
(ここに)<国名><せっこう省の古名><あな><くくる>
こし
字統:054
常用字解:026-2
1258/11403

<解字(常用字解)>
音符は戉(エツ)は、鉞の元の字。
困難な場所を越える時に、戉を呪器として使うことがあった。
鉞の呪力を身に受けて行くこと ⇒ 越


曳 曵
エイ/*
ye4 (yi4)
ひく <ひかれる><つまずく>≪ひき≫
0585/04545-0587/04552

<解字(字統)>
臼+人。
人を両手(臼)でひき動かす ⇒ 曳
「ひき動かす」事によって「つまずく」こと。
●曳は本字 曵は俗字



①コウ/ク ②コウ/* ①kong4 ②qiang1
(ひく)ひかえる・びかえる <つげる><なげる:投げる><つまずく><うつ、たたく>
ひかえ
常用字解:200-1
0538/04142

<解字(漢語林・蜻蛉)>
空は、「すきま」の意味。
弓を引き絞って弦との隙間を作る ⇒ 控
地面の隙間に足を取られて「つまずく」。

<解字(常用字解)>
弓を引き、頤(あご)を叩く時の音を写した語 ⇒ 控
▲どちらが正しいのか?

最新の画像もっと見る