光市事件弁論補充書 被告の供述が事案の真相であることは、上野正彦医師作成の鑑定書(資料1)に

2007-07-20 | 光市母子殺害事件

 被告の供述が事案の真相であることは、上野正彦医師作成の鑑定書(資料1)に
「本人の背後から加害者が左腕を回して首にかけスリーパーホールドの形で絞めつけたところ、気絶したという。肘関節を屈曲して首を絞めれば、左右側頚部に強い圧迫が加わり、そこを通る動静脈とくに静脈の流れが止ったり、停滞し、脳の酸素欠乏状態から意識を失うことは容易に考えられる。また、頚部神経叢の圧迫によって、心停止を生ずることもある。しかし、前頚部での気管の圧閉は少ないので、一時的に気絶することはあっても、窒息死するようなことはない。本人は間もなく意識を回復した。加害者は本人を仰臥位に押し倒し、覆い被さるような姿勢で左右の手で本人の両手を広げるように床に押さえつけた。本人は大声を上げたので、加害者は右手を逆手にして右第1指をAに押しあて、残る右第2、3、4、5指を声を封ずるために口の上にのせた。そのとき加害者は仰臥位の本人の左半身前面の上に覆い被さり、顔は左乳房付近にあったから、右手は順手ではやりにくい姿勢であったので、当然のことながら逆手になって口を塞いだものと思われる。
 すなわち、被告人は、被害者が大声を上げるのを止めさせようとして右手の逆手で口を封じにいったところ、手が下にずれて、頚部を圧迫するに至り、被害者を窒息死させるに至ったものである。

  光市母子殺害事件 裁判資料を読み直す⑪光市事件最高裁弁護人弁論要旨補充書 


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