「完全な非核化」という言葉に、割り切れない思い〈来栖の独白 2018.5.7〉

2018-05-07 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

非核化まで北へ圧力維持…日・ヨルダン首脳一致
 2018年05月01日 22時30分 
 【アンマン=池田慶太】安倍首相は1日昼(日本時間1日午後)、ヨルダンのアブドラ国王と首都アンマンで会談し、完全な非核化が実現するまで北朝鮮への圧力を維持する方針で一致した。
 首相は会談で、4月27日に行われた韓国と北朝鮮による南北首脳会談の内容などを説明した。ヨルダンが今年1月に北朝鮮との国交を断絶したことを評価したうえで、「核武装した北朝鮮は認められない。中東が制裁の抜け穴になってはならない」と述べると、国王は「日本の立場を支持する」と応じた。
 両氏は、両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げすることでも合意した。首相はシリア難民支援として、流入先のヨルダンなどに世界銀行への拠出を含む計2400万ドル(約26億2000万円)の資金協力を行う考えも伝えた。
 首相のヨルダン訪問は2015年1月以来で、アブドラ国王との会談は8回目。
 2018年05月01日 22時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 ◎上記事は[讀賣新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2018.5.7 Mon〉
 「完全な非核化」という言葉に会えば、必ず割り切れない思いが私の胸に上る。
 かつて、主日のミサの後、教会から修道院へシスターをお送りする車中で、Sr.がおっしゃった。「“核を持つな”って云うけど、自分たち(米国など)は持っておいて・・・」と。
 Sr.らしからぬ(日ごろ、従順を徳目として勧められている)批判の言葉に驚きながら、私は頷いていた。
 非核、非核と云うが、「自分たちは核保有していて」というのが、私にも正直な気持だ。
 しかし、この世は「正義」の世界ではない。「力」の世界なのだろう。「資源」「富」の世界であるだろう。力のある国は核を持ち、何も批判されないが、力(資源・富)のない国が核を持てば、批判を浴び、非核化を迫られる。この不公平がまかり通る。
 安倍ちゃんも、外で矛盾に満ちたことを云う。正しくは先ずアメリカに「非核」を迫るべきなのだが、そんなことは到底、云えぬ。北朝鮮ばかりを攻撃する。その矛盾には気付いているのだろうが、自国を守るためにはやむを得ないか。
 「核」の問題一つを取りあげてでさえ、この世の実相が明らかだ。
 主は言われた。「わたしが平和をもたらすために来たと思うな。分裂である」(ルカによる福音書12章49~53)と。

ルカ12章49~53
49 わたしは、火を地上に投じるためにきたのだ。火がすでに燃えていたならと、わたしはどんなに願っていることか。
50 しかし、わたしには受けねばならないバプテスマがある。そして、それを受けてしまうまでは、わたしはどんなにか苦しい思いをすることであろう。
51 あなたがたは、わたしが平和をこの地上にもたらすためにきたと思っているのか。あなたがたに言っておく。そうではない。むしろ分裂である。
52 というのは、今から後は、一家の内で五人が相分れて、三人はふたりに、ふたりは三人に対立し、
53 また父は子に、子は父に、母は娘に、娘は母に、しゅうとめは嫁に、嫁はしゅうとめに、対立するであろう」。

ヨハネ18章36~37
35 ピラトは答えた、「わたしはユダヤ人なのか。あなたの同族や祭司長たちが、あなたをわたしに引き渡したのだ。あなたは、いったい、何をしたのか」。
36 イエスは答えられた、「わたしの国はこの世のものではない。もしわたしの国がこの世のものであれば、わたしに従っている者たちは、わたしをユダヤ人に渡さないように戦ったであろう。しかし事実、わたしの国はこの世のものではない」。
37 そこでピラトはイエスに言った、「それでは、あなたは王なのだな」。イエスは答えられた、「あなたの言うとおり、わたしは王である。わたしは真理についてあかしをするために生れ、また、そのためにこの世にきたのである。だれでも真理につく者は、わたしの声に耳を傾ける」

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[原発保有国の語られざる本音/多くの国は本音の部分では核兵器を持ちたいと思っているようであり]川島博之 2011.5.10
広島原爆ドーム「核保有国でないから、こんな悲惨な被害を受ける」を心に刻むインド国防相 WiLL2013/5月号
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2 コメント

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シスター様のおっしゃるとおりです。 (あやか)
2018-05-07 21:51:44
私は、以前から思うんですけど、、、、
カトリックのシスターさんは、案外、正論をおっしゃるかたが多いように思います。信仰や政治のあらゆる面でです。
(今回の件に限らずです)
おそらく、修道院のなかで、俗世間のおかしな固定観念から離れて居られるからでしょう。!まあ、世びとの偽善からは解放されています。
そういう意味では、失礼ながら、宥子様も、修道女に近い気質や考え方をなさって居られるかもしれません。
(もちろん、宥子様は、在家のカトリック信仰者でいらっしゃいますが。。。。)

核兵器を独占している大国が核兵器の拡散を阻止するほど甚だしい矛盾と欺瞞はありますまい。
私は、北朝鮮は、多分、核兵器を放棄する可能性は少ないと思いますね。
ともかく、核兵器で武装したために、小国の分際でアメリカと対等に談判できるようになったのですから、この妙味を忘れるとは思えません。しかも、北朝鮮という国は(韓国もそうですが、、)これまで何度も平然と嘘をつき、国際協定も踏みにじって来た国です。
とても、信用できません。

ところで話しはかわりますが、私は、ある人との会話で、たまたま核兵器の禁止や非戦平和主義のことについて議論したことがあります。そのかたは、広島長崎の原爆被災者のことや戦争の悲惨さについて熱っぽく語っておられました。
私は、だいたい聞き役だったのですが、話しが少しとぎれたとき、私は、おずおずとした言い方で、
『確かに戦争は悲惨だと、おもいます、、、、だけど、もし、日本が大東亜戦争のときに原子爆弾を保有していたら、アメリカも日本に原爆を投下することはできなかったんじゃないでしょうか?』と申し上げたところ、
その人の顔色は、さっと変わり、『まあ、あなたって、なんて空恐ろしいことをおっしゃるの?原爆を持てだなんて!!
あなたは、学校で何を勉強して来たんですか?、、、』
そういいながら、その人は、私の顔を咎めるように睨みつけ、それ以上は何を言っても聞いてくれませんでした。

。。。この話しは以前にも、申し上げたかもしれません。
でも、こういう手合いの人はいっぱいいます。つまり、理性的な安全保障政策の議論ができず、完全な思考停止状態になってしまってるんですね。つまり、狂信的な『兵役拒否思想』を主張する人と、そっくりなんですね。もちろん、そういう思想の持ち主はどこの国にもいます。しかし、まともな社会人がそんな非現実的で無責任な考え方をしちゃダメでしょう。
 私はそういう思想の持ち主と議論すると、疲れてしまい絶望的な気持ちになります。

よく、アメリカの軍事基地に血相を変えて反対運動をしている人たちがいます。そして、その人たちは、必ずといっていいほど『日本国憲法9条を守れ』と、叫びます。

しかし、この人たちの意見は根本的に矛盾しています。
なぜなら、、、
【日本国憲法9条と、在日アメリカ軍基地体制は、ワンセットで敗戦後の日本に押しつけられたものです。】
つまり、
【日本国憲法9条で日本が正規軍を持つことは認めない。そのかわり日本にアメリカ軍基地を設営して、日本を保護するとともにアメリカの世界戦略に協力させる】というのが、大東亜戦争後のアメリカの対日政策です。
私が、『学校で何を勉強して来たの?』と、問われたら『こういう事を勉強して来た』のです。

もちろん、これは70年前の時代のことであり、いまでは、アメリカ人でも日本を『保護国』だとみなしている人はいないでしょう。
でも、敗戦直後の『洗脳』の後遺症はいまでも残っているかもしれません。
、、、、、それは、保守党、野党を、問わずです。

私は、もし今の日本の各界の指導者が、本当に未来の日本を担う青少年を愛しているならば、敗戦後の価値観やシステムを一掃し、日本をまともな独立国にした上で次世代の青年に引き渡して欲しいと、思います。!!
あやか様 コメント、ありがとうございます。 (ゆうこ)
2018-05-08 08:58:18
 すべて同感です。嬉しいです。
 表示、遅くなって済みません。昨夜、早くに寝てしまいまして。

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