神子屋教育🇯🇵(かみこやきょういく)

我が家流/みみかとママの「おうち」教育

愉快な認知症/突然のマジック

2007年06月21日 | 愉快な認知症
≪私たち家族は“今”の父の姿をそのまま彼の個性として受け止め、光明思考・光明姿勢で接しています。≫

地域にあるスポーツサークルをみみかが見学したいと言うので、父と3人で行った時の出来事。
体育館の片隅で、子供たちのスポーツする姿を3人座って見学していました。
ほんの短時間でも興味がないとソワソワする父でしたが、子供たちのサークルだということもあり(父は子供が好き・仲間だと思っているようなところがあるので)、球技スポーツのやり取りにしばし大人しく見入っていました。
どれだけの時間が経ったのか、想像以上に父は大人しく静かに見学していました。
しかし、さすがにそろそろ飽き始めたのか、自分のショルダーバックのジッパーを開けたり閉めたりゴソゴソし始めました。(何もすることがなくなると、家の中でもかばんを開けたり閉じたり繰り返します)

そのうちに、突然『ボリッボリッ!』と何かこもったような音が、父の方向から響いてきました。
『ヘッ?』と思っていると、横にいたみみかが「ジジ、何か食べてる!」と私に言います。
慌てて父を見ると、確かにもぐもぐと口元が動いています。
基本的に父に食べ物は持たせていませんので、何を食べているのはさっぱり見当がつきません。
どうやら、音の正体はショルダーバックのポケットの中から取り出され、口の中に運ばれているようでした。

「ちょっと見せてえ」と上手にお願いして調べてみると、それは『うすピー』という豆菓子でした。
そう言えば、母が前日の夜に父と一緒に食べていて、そのまま父の目に付くところに置きっ放しにされていました。
誰も気付かぬうちに、それらの粒たちは父の手によって裸のまま、バックの中に放り込まれていたのでした。
今までも、父の持っていたかばんや着ていた服のポケットから、飴やらチョコレートやらが突如として出てくることがあり、父が見せる突然のマジックに私たちは驚かされていました。

そんなこんなで最近は、父の目に付くところに食べ物を置かないようにはしていたのですが・・・ひやぁ~!びっくりしました!!
しかも、休憩時間以外は水分も取れない子供たちを尻目に、堂々と『ボリッボリッ!』と音を立てもぐもぐと食べている父。
私もみみかも慌てて口の中のものを飲み込ませようとしますが、ここで父の反感を買って怒らせてはもっと大変です。
私もみみかも優しくなだめるようになるべく急いで飲み込ませたのですが、その努力も空しく父のマジックは続けられ、次から次に『うすピー』たちがバッグのポケットから現れては父の口に運ばれて行きました。

真剣なサークル活動を前にあまりに大袈裟な動きも出来ず、至って冷静を装って私とみみかは父のマジックをなんとか阻止しました。(・・というより、全て食べ尽くしたので終わったのですが。)
その上、お腹が満たされてご機嫌な父は、球技で失敗する子供たちを見て「ワッハッハ!」と楽しそうに大笑いする始末。
そんな父の態度に私とみみかは更にひやぁ~!となり、内心穏やかではいられませんでした。
子供たちの失敗を決してバカにして笑っているのではないと、私たち家族には理解できますが、一所懸命ボールを追って頑張る子供たちにそれが通用するはずも無く、本当に非常にハラハラものでした。
しかし幸いなことに、広い体育館の片隅での『ボリッボリッ!』音や大笑いの声は、当の子供たちには届いていなかったようで、ホッ!と安心胸を撫で下ろしました。

「父の目に付くようなところに食べ物は置かないよう注意!」そう思った一件でした。
おやつの時間なども一緒に食べ始め食べ終わることをしないと、出しっ放しの『かりんと』や『うすピー』やらを知らぬまに、そのままダイレクトに胸ポケットやズボンのポケットなどにしまい込んで、父の突然のマジックで私たちを驚かせるのです。
ワッ!ビックリ!!の素晴らしいマジックなのですが、ポケットの底などはしっかり染みだらけでお洗濯が大変だったりもするのです。