本棚景観考

　本を読んでは本棚に返す。これを無作為に繰り返し行っていると、そのうちに本の並びは何の脈略もなくなっていく。サリンジャーの横に、生物学の本、その横にラグビーの本が並んだりする。ここに気を使う人、気にしない人、気を使いたくない人。
　本屋に行って、その店主の並べ方に妙に読書欲を刺激され、何冊も大人買いをしてしまうようなこともある。図書館に行って、現代小説があいうえお順で並ぶのを見るとどうにも読書欲は減退してしまう。
　都市の魅力も同じように、編集能力にかかっているのだろうか。

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