かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

弁当箱の変遷

2006年11月23日 | 小 論
 弁当箱にも歴史あり。唐突ですが始まります。
 笹で巻いたおむすびから始まって、通気性のいい竹で編んだ弁当箱がありました。日の丸弁当ならやっぱりアルミ製の通称ドカベンでしょうか。梅干の酸でアルミのふたに穴があいたとか。ノリも必ずふたにくっついてました。ストーブにのせておくと温まる利点もありましたが、冷めるとやたらに冷たい冷や飯でした。その後、子どもに人気のアニメキャラクターがプリントされたプラスティックの弁当箱が台頭してきます。パッキンがついたら漏れも少ない。デザインも豊富で今も一番人気でしょうか。最近はコンビニのやたら細かく区分けされた弁当容器の印象が強いかもしれません。弁当の間仕切りの道具もかなりムダに充実しています。みそ汁カップの断熱やキャップの密閉力はあなどれません。

 たかが弁当箱。されど弁当箱。小さな弁当箱の世界で起こっている状況はそっくり建築界みたいです。竹の弁当箱は、理にかなっていて見た目も美しい伝統建築。アルミやステンレス製は、格好いいが実用面で劣る近代建築。プラスチックは、表層にキャラクターがおどるポストモダン。紙製は、エコとか何とか言いながらやや理念なき現代建築。