バルセロナにて その4 グエル邸（Palau Güell）

　テロ事件があったランブラス通りから脇道を少し入ったところにグエル邸があります。ファサードには、ガウディがよく使うパラボラ・アーチが二つ並び、その間に鉄製の鷹が飾られています。アーチの上部には、高さの異なる縦長の窓が並んでいます。

　地下に降りると、レンガを巧みに積んだ円柱と角柱が上部のアーチを支えています。どの部分を眺めても同じデザインはなく、ディテールを観ていて飽きることはありません。職人の技能を尊重したガウディの美意識が伝わって来ます。

　絨毯敷きの階段を昇ると、2階の床は寄木細工になっています。木製のベンチ、欄間、ステンドグラス、家具など、装飾にも一切手を抜いていません。あまりにも美しいので、すべてを写真撮影しようと思ったり、あるいはどれも素晴らしすぎて、写真にするのが馬鹿らしく感じられたりします。

　極めつけは屋上の換気塔のデザインかも知れません。多彩なタイルや石を貼り付けたり、レンガを積んだりして構成されている換気塔は、遊び心満載です。これを眺めていれば、屋上美術館という感じです。