倉敷の美観地区を訪ねて

　岡山県の倉敷を久し振りに訪ねました。JR倉敷駅から歩いて10分ほどのところに、伝統的な白壁の街並を保存した美観地区があります。ツタでレンガの壁面を被われた喫茶「エル・グレコ」やエル・グレコの作品を展示する大原美術館も有名です。リオ＋20が開催されていますが、グリーン経済がうまくいくかどうかは、環境と経済の両立に留まらず、街並保存と経済の両立という広義の「環境」についてもあてはまる問題です。

　川縁には柳の木が立ち並び、醜悪な電柱や架空電線はありません。美しい街並保存は、観光資源として集客力を持ちます。環境保全は経済効果を生み、経済効果は街並を保全するための再投資を呼びます。

　京都にも、鎌倉にも電柱や架空電線が目立ちます。これをなくせば、観光資源としての資産価値は増大することでしょう。京都の東山の三年坂から電柱が消えたのはつい最近のことです。ヨーロッパの街並でできることがなぜ日本でできないのでしょうか？できない理由を思いつくことは、どんなに愚かな人にでもできます。