梅と海と波と

　鎌倉の瑞泉寺、荏柄天神、宝戒寺、常立寺と梅を求めて散策をします。山深い瑞泉寺では、梅は平均して三分咲きか五分咲きというところでしょうか。本堂の前には黄梅が咲いています。白梅はちらほらという感じです。マンサクの花は黄色い細い花弁を見せています。荏柄天神社では、梅は盛りを過ぎたようです。あたかも受験生の参拝が峠を越えたかのように。鶴岡八幡宮に近い宝戒寺の枝垂れ梅は、まだ三分咲きというところでした。本堂の前にある白梅の枝垂れ梅は、満開になれば見事です。

　江ノ電の江ノ島駅から北へ5分ほど歩いたところにある常立寺の枝垂れ梅は、やや盛りを過ぎたところです。海に近いので暖かいのでしょうか？正確には片瀬なので、藤沢市であり、鎌倉ではありませんが、地続きなので仲間に入れてもいいでしょう。同じ樹に白梅と紅梅が咲く「思いのまま」もあります。私は華麗な枝垂れ梅が大好きです。梅の花のカーテンは、春を告げる舞台の幕開けでしょうか？

　低気圧の翌日の七里ヶ浜では、心地よいほどの荒波が打ち寄せていました。卑小な人間も、もっと小さなストレスも打ち砕いてくれる波が海岸に押し寄せています。衛生的な破壊のエネルギーは、とても爽快です。

　春は、三寒四温を繰り返しながら、すぐそこまで来ています。たとえ春が残酷な季節であろうと。