オリンピックがもう一つ盛り上がらないので、二月酷寒、藤田敏八「八月の濡れた砂」を観ました。真夏の汗ばむような話ですが、チャンネルNECOの二月の番組なので仕方ありません。
この作品は過去2回観ています。70年代後半、90年ごろ。
最初に観たとき、一緒に見ていた友人は「なんだかなーという感じでした。
我々はすでに敵というか、反抗の対象というか、その手のものがすでに見えにくくなった後に反抗期を迎 . . . 本文を読む
鈴木清順監督「殺しの烙印」(1966)を観ました。
「こんな訳の分からない映画を撮るやつは首だ」と日活の社長さんが言って、鈴木監督はこれを最後に日活を去るといった曰くつきの映画だそうですが、テレビの攻勢でプログラムピクチャーが成り立たなくなりつつあった時代の最後の輝きのような映画でもあります。
主演は宍戸錠。謎の女性役に若き日の真理アンヌ(色っぽい)。
今見ると難解というよりは、説明的なシー . . . 本文を読む
これもまた、ケーブルテレビ(Movieplus)で年末やってたもので、新旧ロリータということで、キューブリック監督の「Lolita」(1962)とエイドリアン・ライン監督の「Lorita」(1999)の2作を観ました。
ロリータ・コンプレックスというと今では概ね犯罪的なコンプレックスとして扱われておりますが、その昔、ロリコンがNEW WAVEだった時代があります。当時はコンプレックスと言えば . . . 本文を読む
正月休み、ケーブルテレビ(Movieplus)で放映した「2001年宇宙の旅」を観ました。
この映画は1968年公開で、1980年頃再映しており、その際に観ておりますし、ビデオも持ってたので何回か観ています。あらためて観てみると、特撮はまだ新鮮ですし、音楽の使い方は毎度のことですが、感心してしまいます。
ただ、毎回悩んでしまうのは後半、ボーマン船長が垣間見る宇宙の誕生、宇宙の神秘というか、ち . . . 本文を読む
ケーブルTVでやってたので「ロッキー・ホラー・ショー」(1975)を観ました。
有名なカルト・ムービーなのになぜか観ずにきて、気になっていた映画でしたが、21世紀の今、改めて観てみるとあまりピンと来なかったというのが、正直な印象です。
フランケンシュタインも、グラムファッションも、トランス・セクシャリティも、ロック・ミュージカルも30年の歳月を経て目新しさを失ってる感じです。
ただし、気分的 . . . 本文を読む
韓国・中国の俳優が競演した歴史映画「MUSA 武士」を観ました。今をときめくチャン・ツィイーが出演しています。
物語は明初頭、高麗から明へ送られた使節団がスパイの嫌疑をかけられ流刑にされてしまう。途中、蒙古軍に追われた明の姫君(チャン・ツィイー)を助け、使節団一行は蒙古軍からつけねらわれるようになる、というもの。使節団防備の任務のイケメン将軍や獣の目をした奴隷の青年が姫君と絡んでドラマは展開します . . . 本文を読む
友だちから借りたDVD2作品、いずれもツイ・ハークがらみ、「東方不敗」は借りてすぐ観たのですが、「The Blade」は中断していて、それを本日最後まで観ました。
「東方不敗」は金庸原作は名ばかりでまったく別物、ただブリジット・リン演じるオカマ中年は妖しすぎて微妙に笑え、そういう意味ではとても面白い作品でした。馬を縦に切るシーンは圧巻でした。
「The Blade」は刀匠の娘の眼から見た血なまぐ . . . 本文を読む
遅ればせながら北野武「HANA-BI」を観ました。
98年作品ということなので、7年前。北野作品は3本目という不熱心さ。血なまぐさそうなので敬遠していたのかもしれませんが、「座頭市」を観て印象が変り、NECOでたまたまいくつかの作品を放送していたのを録画し観たという流れです。
この作品でも血液は多量に流れますが、血なまぐさくはありませんでした。観終わって浮かんだ言葉は「静寂と闘争」。全編、ビ . . . 本文を読む
『天龍八部』の後、新しい金庸ドラマ『笑傲江湖』がスタートしました。(NECO)
『射チョウ英雄伝』、『天龍八部』が原作に忠実であったのに対し、『笑傲江湖』は原作に若干アレンジを加えているようです。それが納得いくかちょっと心配ですが、独立した物語として楽しめばよいと思います。
いずれにしても、任盈盈(じんえいえい)が可愛いかどうかがポイントです。 . . . 本文を読む
北野武「座頭市」を観ました。
印象は血と祭の映画(観たままですが)。
北野映画はあまり観たことがなく、何となくマスコミで言われている評価先行みたいな状態で観ましたが、新鮮な印象でした。
殺戮シーンは確かに血煙飛ぶようなリアルさですが、どこか静謐な感じで、美学というよりは至極冷静で客観的な印象。どこかで北野氏が「自分の暴力シーンは痛そうに撮っている」というようなことを言っておりましたが、確かに腕が . . . 本文を読む