露子達は老人に付いて行った。
杖を持っている割には、スピードが早い。
やはり幽霊と言う存在だ。
宙に浮いているので杖の必要はない。
それでも生前の記憶がそのままあるから、杖は外せないアイテムだ。
あっという間に地下に降りた。
地下には霊安室というのがある。
線香の匂いが残っているが、強くない。
もう既に自宅に帰って誰もいないのだろう。
静かな空間だ。
その脇を通り抜けると、そこには研究用の動物の飼育室がある。
うさぎやマウスなどが閉じ込められている。
そしてその奥に、保管室があった。
古い資料で、ほとんど誰も開くことが無い資料が、創立以来保管されているらしい。
「なぜここに資料があることを知ってるんですか?」
透が聞いた。
「私が亡くなった数ヵ月後に、息子が死因の確認に来たんだ。何か気になることがあったらしい。しかし既にカルテは保管庫にあってね。その時に私も同行したんだ」
地下の扉を通り抜けて、保管庫に入った。
周りは真っ暗だが、私達には何もかもが見える。
これが幽霊の特権のひとつだ。
「どこらかな。何年ごろかな?」
「はっきりとはわからないのですが、37年か38年ごろだと」
「その頃なら、、、ここかな」
見ると年代ごとに整理されていた。
確かに37年と書かれている。
だがどうやってその中身を見るのだろうか。
手を当てても通り抜けてしまう。
幽霊には無理。
そう思っていた時に、おじいさんは動き出した。
杖を持っている割には、スピードが早い。
やはり幽霊と言う存在だ。
宙に浮いているので杖の必要はない。
それでも生前の記憶がそのままあるから、杖は外せないアイテムだ。
あっという間に地下に降りた。
地下には霊安室というのがある。
線香の匂いが残っているが、強くない。
もう既に自宅に帰って誰もいないのだろう。
静かな空間だ。
その脇を通り抜けると、そこには研究用の動物の飼育室がある。
うさぎやマウスなどが閉じ込められている。
そしてその奥に、保管室があった。
古い資料で、ほとんど誰も開くことが無い資料が、創立以来保管されているらしい。
「なぜここに資料があることを知ってるんですか?」
透が聞いた。
「私が亡くなった数ヵ月後に、息子が死因の確認に来たんだ。何か気になることがあったらしい。しかし既にカルテは保管庫にあってね。その時に私も同行したんだ」
地下の扉を通り抜けて、保管庫に入った。
周りは真っ暗だが、私達には何もかもが見える。
これが幽霊の特権のひとつだ。
「どこらかな。何年ごろかな?」
「はっきりとはわからないのですが、37年か38年ごろだと」
「その頃なら、、、ここかな」
見ると年代ごとに整理されていた。
確かに37年と書かれている。
だがどうやってその中身を見るのだろうか。
手を当てても通り抜けてしまう。
幽霊には無理。
そう思っていた時に、おじいさんは動き出した。