自分の考えを整理していくと、確信に変わった。
今までの流れで悪霊の正体は、頭後義久だと思っていた。
しかし、頭前一族と頭後一族の関係から、今までの事件を考えてみると、出入り口として使われた自分を含めての2人しかいない。
他の人との接点は、今のところ何もないはずだ。
頭前・頭後両家とも珍しい名字で、日本国内にそんなに分布していない。
だからこそ今まで事故や事件・自殺で亡くなった人との接点は、ほとんどないはずだ。
つまり一連の事件と頭後義久との関連性は薄い。
だからと言って、7人ミサキかと言えば違うだろう。
彼らは操られている感じだ。
つまり今まで追いかけてきた犯人は別にいる。
そう思うと、早く道如達に伝えたかった。
ひどく地面にぶつけたのか、あちらこちらが痛いが、頭前は歩き始めた。
もう登り始めた朝日を浴びながら。
平の病室では、慌ただしい動きがあった。
容態が一変し、危篤状態だった。
体力の低下と大量の出血のための、ショック状態だった。
しかし彼と共にしてきた4人の姿はない。
頭前は首切り山。
他の3名は行方不明だ。
ただ彼の姿をじっと見ている人物がいた。
妙願寺の俊教だ。
病室の隅で、じっと平を見ていた。
医者や看護師は気付かないのか、面会謝絶の病室から追い出そうともしない。
俊教は微動だにせず、じっと・・じっと平を見ている。
今までの流れで悪霊の正体は、頭後義久だと思っていた。
しかし、頭前一族と頭後一族の関係から、今までの事件を考えてみると、出入り口として使われた自分を含めての2人しかいない。
他の人との接点は、今のところ何もないはずだ。
頭前・頭後両家とも珍しい名字で、日本国内にそんなに分布していない。
だからこそ今まで事故や事件・自殺で亡くなった人との接点は、ほとんどないはずだ。
つまり一連の事件と頭後義久との関連性は薄い。
だからと言って、7人ミサキかと言えば違うだろう。
彼らは操られている感じだ。
つまり今まで追いかけてきた犯人は別にいる。
そう思うと、早く道如達に伝えたかった。
ひどく地面にぶつけたのか、あちらこちらが痛いが、頭前は歩き始めた。
もう登り始めた朝日を浴びながら。
平の病室では、慌ただしい動きがあった。
容態が一変し、危篤状態だった。
体力の低下と大量の出血のための、ショック状態だった。
しかし彼と共にしてきた4人の姿はない。
頭前は首切り山。
他の3名は行方不明だ。
ただ彼の姿をじっと見ている人物がいた。
妙願寺の俊教だ。
病室の隅で、じっと平を見ていた。
医者や看護師は気付かないのか、面会謝絶の病室から追い出そうともしない。
俊教は微動だにせず、じっと・・じっと平を見ている。
先程見たのは、本当に夢だったのだろうか。
リアルすぎるほどの、恐怖があった。
もしかして悪霊の扉としての死を迎える瞬間だったかもしれない。
「しかしなぜ?」
疑問が湧き上がる。
頭後義久は、頭前家を恨んでいる。
それなのになぜ頭前を出入り口としたのだろうか。
普通なら末代まで呪うというのが一般的に考えられることで、一般市民を巻き込むことなどないだろう。
なのに頭前はこうして生きている。
しかも平や仲間たちに守られながら。
その何かと言う理由がわかれば、解決できるのかもしれない。
頭後義久の霊が悪霊だとされているが、本当にそうなのだろうか?
あの遺体は、怨念を持って死んだようには見えない。
じっと目を見開いた状態ではいたが、恨めしい顔ではなかった。
どちらかというと蝋人形のように、無表情。
そう、無表情だ。
何もかもを捨てたような、感情を無くした顔なのだ。
そこでまた疑問が浮かぶ。
「あの顔から、頭後義久が悪霊だとは思えない・・・。もしかしたら、別にいるのかもしれない」
ふとそう感じた。
だからかもしれない。
平が言っていた今晩が危ないと言っていたことが、現実には何もなく過ぎている。
もう空はしらじらと朝日を迎えようとしていた。
頭後義久の魂は復活したかもしれないが、悪霊自体は他にいる。
だからこそ、今晩は何も起こらなかった。
そう考える方が、筋が通っている気がする。
リアルすぎるほどの、恐怖があった。
もしかして悪霊の扉としての死を迎える瞬間だったかもしれない。
「しかしなぜ?」
疑問が湧き上がる。
頭後義久は、頭前家を恨んでいる。
それなのになぜ頭前を出入り口としたのだろうか。
普通なら末代まで呪うというのが一般的に考えられることで、一般市民を巻き込むことなどないだろう。
なのに頭前はこうして生きている。
しかも平や仲間たちに守られながら。
その何かと言う理由がわかれば、解決できるのかもしれない。
頭後義久の霊が悪霊だとされているが、本当にそうなのだろうか?
あの遺体は、怨念を持って死んだようには見えない。
じっと目を見開いた状態ではいたが、恨めしい顔ではなかった。
どちらかというと蝋人形のように、無表情。
そう、無表情だ。
何もかもを捨てたような、感情を無くした顔なのだ。
そこでまた疑問が浮かぶ。
「あの顔から、頭後義久が悪霊だとは思えない・・・。もしかしたら、別にいるのかもしれない」
ふとそう感じた。
だからかもしれない。
平が言っていた今晩が危ないと言っていたことが、現実には何もなく過ぎている。
もう空はしらじらと朝日を迎えようとしていた。
頭後義久の魂は復活したかもしれないが、悪霊自体は他にいる。
だからこそ、今晩は何も起こらなかった。
そう考える方が、筋が通っている気がする。
夢を見ていた。
いつの時代かわからないが。
そこにはあの頭後義久のじっとこちらを見る目があった。
恐怖と驚きとで、逃げようとする。
だが身体は動かなかった。
周りには数人の人が行きかっている。
アスファルトではない路面で、子供たちが遊んでいる。
ランニングシャツに短パン。
坊主頭。
ここは昭和初期なんだ。
頭後義久の生きていた時代。
周りの状況はわかるが、声も出せないし身体も動かない。
じっと恐怖を感じている。
その時に、頭後義久がすくっと立ち上がった。
通りの向こうから、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
無表情のまま。
瞬きひとつしないで、じっとこちらを見つめたまま。
殺される。
そう感じた。
金縛りなら解けろ!と願った。
だが全く目と脳以外には何も動かせなかった。
どんどんと近づいてくる。
後数メートル。
その時にまばゆい光が頭後の姿を消した。
光の中にあった頭後のシルエットが完全に消えたとき、意識が戻った。
真っ暗な山肌の上に転がっていた。
さっきと同じように、誰もいない。
静かな山の中だ。
視線をずらすと、祠が目の前にあった。
もしかして、この祠の主に助けられたのだろうか。
そう感じた。
ゆっくりと体を起こし、祠に手を合わせた。
いつの時代かわからないが。
そこにはあの頭後義久のじっとこちらを見る目があった。
恐怖と驚きとで、逃げようとする。
だが身体は動かなかった。
周りには数人の人が行きかっている。
アスファルトではない路面で、子供たちが遊んでいる。
ランニングシャツに短パン。
坊主頭。
ここは昭和初期なんだ。
頭後義久の生きていた時代。
周りの状況はわかるが、声も出せないし身体も動かない。
じっと恐怖を感じている。
その時に、頭後義久がすくっと立ち上がった。
通りの向こうから、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
無表情のまま。
瞬きひとつしないで、じっとこちらを見つめたまま。
殺される。
そう感じた。
金縛りなら解けろ!と願った。
だが全く目と脳以外には何も動かせなかった。
どんどんと近づいてくる。
後数メートル。
その時にまばゆい光が頭後の姿を消した。
光の中にあった頭後のシルエットが完全に消えたとき、意識が戻った。
真っ暗な山肌の上に転がっていた。
さっきと同じように、誰もいない。
静かな山の中だ。
視線をずらすと、祠が目の前にあった。
もしかして、この祠の主に助けられたのだろうか。
そう感じた。
ゆっくりと体を起こし、祠に手を合わせた。
「よし。決心しよう!」
頭前は決めた。
ここで捜索すると、行方不明の3名は見つかるかもしれない。
しかしその3名の命をたとえ救えたとしても、多くの人の命は救えない。
頭前一族と頭後一族の因縁の戦いならば、多くの人を巻き込んではいけない。
自分が決着をつけるしかなかった。
何もなく普通に過ごしてきた凡人の自分が、悪霊に勝てるわけはなかった。
しかし自分が死ぬことで、悪霊の魂が少しでもやり遂げた感が生まれれば、多くの犠牲者はこれから先でないかもしれない。
ただ、自殺などといったことをするつもりはない。
自分からなど・・・あり得ない。
少なくとも戦って死ぬつもりだ。
とりあえずここには何もない。
街に戻ろう。
下山を始めた。
ただ麓から町まではタクシーなど拾えないだろう。
町まで歩くしかない。
少しでも早く着かなければ。。。
急いで坂を下った。
小さな崖を飛び越え、草木の中をかき分けながら進んだ。
幾つかのこぶを飛び越したとき、何かに足を捕られた。
あっ!
そのまま意識が遠のく。
頭の中では起き上がれと命じているのに・・・・
頭前の50cmほど後ろに、岩が地面から飛び出ていた。
その岩に足を捕られたのだが、幸運にもその岩の横にある松の木根元には、小さな祠があった。
何を祭っているのかは不明だが、彼の横に寄り添うように存在している。
ここはまだ五芒星の中。
ぎりぎりの場所にあった。
頭前は決めた。
ここで捜索すると、行方不明の3名は見つかるかもしれない。
しかしその3名の命をたとえ救えたとしても、多くの人の命は救えない。
頭前一族と頭後一族の因縁の戦いならば、多くの人を巻き込んではいけない。
自分が決着をつけるしかなかった。
何もなく普通に過ごしてきた凡人の自分が、悪霊に勝てるわけはなかった。
しかし自分が死ぬことで、悪霊の魂が少しでもやり遂げた感が生まれれば、多くの犠牲者はこれから先でないかもしれない。
ただ、自殺などといったことをするつもりはない。
自分からなど・・・あり得ない。
少なくとも戦って死ぬつもりだ。
とりあえずここには何もない。
街に戻ろう。
下山を始めた。
ただ麓から町まではタクシーなど拾えないだろう。
町まで歩くしかない。
少しでも早く着かなければ。。。
急いで坂を下った。
小さな崖を飛び越え、草木の中をかき分けながら進んだ。
幾つかのこぶを飛び越したとき、何かに足を捕られた。
あっ!
そのまま意識が遠のく。
頭の中では起き上がれと命じているのに・・・・
頭前の50cmほど後ろに、岩が地面から飛び出ていた。
その岩に足を捕られたのだが、幸運にもその岩の横にある松の木根元には、小さな祠があった。
何を祭っているのかは不明だが、彼の横に寄り添うように存在している。
ここはまだ五芒星の中。
ぎりぎりの場所にあった。
空には満天の星が光る。
これほど美しい星空は見たことが無い。
ただし。。。。何もなければだ。
頭前はそれどころではなかった。
山の隅々まで明かりを探す。
どこにもそれらしいものはない。
暗闇に慣れた目では、木々や山肌の露出している場所などもわかる。
人の動く影も見えない。
悪霊や死霊の姿を見えない。
元々見えない頭前だが、今ここに居ても見えないことが歯がゆい。
ただぼんやりとだが、何かしら動いているものがわかる程度ではある。
力強く目を見開いて、360度を見渡した。
どうしたんだろう。。。。
もうどうしていいのかわからなくなった。
その時にふと頭を過るのは、既に悪霊は街で暴れていて、近辺の村々に人という存在は無くなっているのではないか。
そんな恐怖を感じる。
山を下ろうか。
それともこのまま山を捜索しようか。
気持ちが決まらない。
今ここに、平でも由縫でも道如でも源興でも。。。誰でもいいから居て欲しいと願う。
気が狂いそうなほど、パニックになっていた。
これほど美しい星空は見たことが無い。
ただし。。。。何もなければだ。
頭前はそれどころではなかった。
山の隅々まで明かりを探す。
どこにもそれらしいものはない。
暗闇に慣れた目では、木々や山肌の露出している場所などもわかる。
人の動く影も見えない。
悪霊や死霊の姿を見えない。
元々見えない頭前だが、今ここに居ても見えないことが歯がゆい。
ただぼんやりとだが、何かしら動いているものがわかる程度ではある。
力強く目を見開いて、360度を見渡した。
どうしたんだろう。。。。
もうどうしていいのかわからなくなった。
その時にふと頭を過るのは、既に悪霊は街で暴れていて、近辺の村々に人という存在は無くなっているのではないか。
そんな恐怖を感じる。
山を下ろうか。
それともこのまま山を捜索しようか。
気持ちが決まらない。
今ここに、平でも由縫でも道如でも源興でも。。。誰でもいいから居て欲しいと願う。
気が狂いそうなほど、パニックになっていた。