やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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奇妙な同居人―37話

2011-07-30 23:11:43 | 小説
「どこにいくの?」

「もうどこに行きようもないだろう」

「遠くに連れて行ってよ。警察から逃げなきゃ」

「あぁ遠いところに行かせてやるよ」



またもや失態を晒せることになった。

街中から深く山道を走った場所から、50mぐらい斜面を下りた場所に遺体があった。

山林を管理する団体から連絡があったのは、星野が高橋刑事を振り切ってから3日過ぎていた。

死後も3日ぐらいになる。

殺害した犯人の車に乗った直後で間違いないだろう。

その後の調査で、ナンバーはわからないが車種は判明した。

ボ○シーだ。

この車種は多く走っている。

犯人を特定するのは難しい。

「これでこの一連の事件で、3名死んだことになる」

小郷刑事は頭を抱えていた。

犯人は不動産会社の社員でも、部品販売会社の社員でも無いのか。

しかし吉橋と言う男と、星嶋という女が事件に関与していたことには間違いない。

この二人の接点を調べれば、必ず犯人にたどり着く。

今は徹底的に調べるしかなかった。


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奇妙な同居人―36話

2011-07-29 23:33:22 | 小説
星嶋知子は、助手席でサイドミラーを気にしていた。

警察が会社に来た。

一人づつ事情聴取をしていく。

あの刑事の目つき。

明らかに私を疑っている。

定時まで待てなかった。

少しでも早くこの場を離れようと思い、会社を早退した。

携帯でそのことを伝えると、叱られた。

返って疑われると。

刑事が尾行している可能性もあるからということで、直線になる川沿いで、曲がり角まで30mのところで全速で走れと言われた。

幾ら刑事でも直ぐ後ろを着いてくるわけでもないし、女性の足でも30m程度な追いつかれない。

そこで助手席のドアを開けて待っているので飛び乗れと指示されたのだ。

作戦は成功した。

角を曲がると気にちらっと見たが、間違いなく尾行されていた。

後ろから走りだす男。

そして川向こうでも同じ動きがあった。

でも、もう2度と会社には行けない。

このまま遠くに逃げるしかない。
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奇妙な同居人―35話

2011-07-28 22:42:44 | 小説
記事は5つだった。

一つづつ読んで行く。

石塚と言う名の男達は3人だった。

愛媛・長崎・東京での事件だった。

一つはトラブルによる殺人。

もう一つは通り魔だった。

そして残りは怨恨。

島崎は通り魔だったとすると、同じ犯罪なのだろうか。

しばらく記事とにらめっこしてみたが、全くわからない。

違う記事も読み直してみた。

しかしどれが島崎と関係がある石塚なのだろう。。。

島崎と石塚はどこで出合ったのだろう。

それを考えてみると、島崎のことを知らなすぎる。

やはり数日前に気になっていた島崎の実家で、もっとあいつの行動を聞くべきだと思った。

今までどこで生活していたのか。

そのどこかで石塚と会っているはずだ。

それも・・・俺と島崎の関係と同じなら、石塚も幽霊。

しかしなぜ幽霊の石塚が、自分の恨みを他人の島崎に任せるのだろう。

もしかして・・・幽霊にもいろいろと種類があると聞く。

自縛霊はその場所に留まる。

だから自縛霊なのかもしれない。

俺の霊観で、島崎の足取りを追えば石塚に会える。

そう思えた。





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奇妙な同居人―34話

2011-07-27 22:39:17 | 小説
石塚と島崎の関係が、香川と島崎の関係と同じ。

つまり、幽霊と生きてる人間ということか。

だとしたらなぜ復讐する必要がある?

香川としては殺人まで犯して、島崎を殺した犯人を憎いとは思わない。

半分興味本位と、島崎に対しての憐れみ。

それ以外に縁を切りたいという思いだ。

ただあいつが言った、石塚は島崎が殺される数年前に殺されている。

これが捜査の手掛かりになる。

もう一度図書館で調べよう。

ただ島崎はどこで誰に殺されたかなど、名前以外に手掛かりはない。

日本全国どこを調べればいいのだ。。。

とりあえず場所といつごろかを調べたい。

検索だけで出てくるだろうか。

そんな事を考えながら図書館に向かった。

新聞記事の閲覧を頼む。

パソコンに『石塚』と打ち込む。

かなりの件数が表示される。

目星を付けて、島崎が殺されるよりも前で、10年ぐらいで絞り込んだ。

しかし犯罪以外でも石塚と言う名前は多くある。

次に絞り込みで『殺人』と入れてみた。

数件に絞り込まれた!

香川は小躍りしたくなる興奮を覚えた。

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奇妙な同居人―33話

2011-07-26 22:50:27 | 小説
香川は、島崎の幽霊を呼んだ。

姿を消したり現わしたりと自由なやつだ。

簡単に出てくるとは思わなかった。

しかし、島崎は現れた。

『何の用だ』

「教えてくれ。俺の頭じゃわからない」

『嫌だ。自分で調べろ』

「なぜだ。俺と協力しておまえを殺害した犯人を探すと決めただろう」

『言ったが、それはおまえが探すと言ったからだ。』

「じゃあ協力しろよ。少しはヒントぐらいくれてもいいんじゃないか?俺にはおまえ以外に協力し合えるやつがいないんだ」

『幽霊に言うセリフか』

「幽霊あろうがなんであろうが、俺はお前と会話している」

『・・・わかったよ。ヒントだけやる。ただし一つだけだ。何が知りたい?俺を殺した犯人など知らないぞ』

「わかってる。じゃぁ・・・なぜ石塚の復讐をしたんだ?」

『ヒント・・・俺と石塚は別人だ』

「えっ?それだけじゃヒントにならない」

『一つだけと言ったよな』

「なぜ復讐をしたのかと聞いたんだ。回答が違う」

『ちっ!石塚は数年前に殺害された。つまり今のお前と俺の関係だったんだ』

「俺とおまえ?」

『じゃあな』

そう言うと島崎は消えていった。
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