今年の夏に、会いに行くよ。
そう約束していた。
君の住む町は、人口も年々減少している。
寂れた古い町だ。
でも君は学生時代の4年間を都会で過ごしただけで、後ろ髪を引かれることも無く帰って行った。
あれから半年。
君はどんな生活をしてるのだろう。
学校の先生になったのは知っている。
でも、理想の先生になれたのだろうか。
それとも、かなり苦労しているのだろうか。
メールではいつもと変わらない君。
俺達は付き合ったわけでもない。
ただ友達以上の関係で、恋愛までは当て嵌まらなかった。
だが離れてわかったのは、君がいなければ寂しいと言うことだ。
それでも半年を待った。
今、田んぼのあぜ道を歩いている。
君の通う学校は、今でも古い木造校舎。
山の麓に見える大きな時計が目印の学校。
君は、今でもちょっと小首をかしげる癖で、俺を迎えてくれるだろうか。
痩せて・・・やつれていなければいいのだが。。。。
青い空に浮かぶ入道雲が空の高さを強調させ、学校の影を大きく写す。
汗ですべる鞄の取っ手を持つ手にも、力が入る。
あの建物に君がいる。
そう約束していた。
君の住む町は、人口も年々減少している。
寂れた古い町だ。
でも君は学生時代の4年間を都会で過ごしただけで、後ろ髪を引かれることも無く帰って行った。
あれから半年。
君はどんな生活をしてるのだろう。
学校の先生になったのは知っている。
でも、理想の先生になれたのだろうか。
それとも、かなり苦労しているのだろうか。
メールではいつもと変わらない君。
俺達は付き合ったわけでもない。
ただ友達以上の関係で、恋愛までは当て嵌まらなかった。
だが離れてわかったのは、君がいなければ寂しいと言うことだ。
それでも半年を待った。
今、田んぼのあぜ道を歩いている。
君の通う学校は、今でも古い木造校舎。
山の麓に見える大きな時計が目印の学校。
君は、今でもちょっと小首をかしげる癖で、俺を迎えてくれるだろうか。
痩せて・・・やつれていなければいいのだが。。。。
青い空に浮かぶ入道雲が空の高さを強調させ、学校の影を大きく写す。
汗ですべる鞄の取っ手を持つ手にも、力が入る。
あの建物に君がいる。
いつも同じ時間に同じ場所ですれ違う女性。
言葉を交わすことも挨拶することもないのだけど、お互いにすれ違うまでの数メートル。
必ずと言っていいほど、お互いに目を見る。
少しほほ笑みながら。
なんとなくそれだけで挨拶をしている気分。
気分が優れなくても、嫌なことがあっても、その数秒間だけはなぜが笑顔になれる。
お互いにそれが心地よいのだと思う。
すれ違うだけで、ほっとする。
お互いに今日も元気だと。
その女性が今日もいてくれることを。。。
時折風に乗って漂う香水も、それが彼女の香りだとわかるようになった。
風になびくストレートの長い髪も、首に下げているネックレスも、もう脳裏に刻まれている。
スキという感情とは違うかもしれない。
ただの憧れかもしれない。
それでも透明な空気の中に光をさしたような彼女の姿に、特別な感情があるのは事実だ。
今日も。
すれ違いざまに、彼女の目を見る。
お互いにじっと。。。
言葉を交わすことも挨拶することもないのだけど、お互いにすれ違うまでの数メートル。
必ずと言っていいほど、お互いに目を見る。
少しほほ笑みながら。
なんとなくそれだけで挨拶をしている気分。
気分が優れなくても、嫌なことがあっても、その数秒間だけはなぜが笑顔になれる。
お互いにそれが心地よいのだと思う。
すれ違うだけで、ほっとする。
お互いに今日も元気だと。
その女性が今日もいてくれることを。。。
時折風に乗って漂う香水も、それが彼女の香りだとわかるようになった。
風になびくストレートの長い髪も、首に下げているネックレスも、もう脳裏に刻まれている。
スキという感情とは違うかもしれない。
ただの憧れかもしれない。
それでも透明な空気の中に光をさしたような彼女の姿に、特別な感情があるのは事実だ。
今日も。
すれ違いざまに、彼女の目を見る。
お互いにじっと。。。
あの頃いつも、君を抱きしめていた。
毎日君の部屋に通ってたっけ。
玄関を開けると、二匹の猫のお迎え。
8畳一間のフローリングの部屋で、君はいつも布団の上にいた。
ぼさぼさの髪に、ぞくっとするほど切れあがった目。
元モデルだったから、スタイルとルックスはかなりいい。
煙草を吹かせながら、俺の方をじっと見てる。
黙ってカバンを置き、彼女の横に座った。
煙草を揉み消し、俺の胸に寄りかかってくる。
「お帰り」
「ただいま。俺が料理しようか?」
「だめ。台所は私の聖地。男には入らせない」
そう言って、台所に向かう。
じっと眺めながら、思い出したことがあった。
「結婚しよう」
いつだったかそんな約束をした。
君を守ろうと思っていた。
君はかなり知名度のある家の出身で、夢の為に家族を捨てて一人で生きている。
そんな不器用な君とは、こんな場所でしか出会えなかった。
でも・・・出会えたことは運命だと思った。
だから。
一人の時に悲しそうな顔で怯えている君を、安心させたかった。
なのに・・・・。
そんな君は今。
最後の荷物をトランクに詰め込んだ。
僕の前から消えて行く。
俺にはさよならの一言も言わないで、少し日焼け跡を残す床だけに別れを告げて。
毎日君の部屋に通ってたっけ。
玄関を開けると、二匹の猫のお迎え。
8畳一間のフローリングの部屋で、君はいつも布団の上にいた。
ぼさぼさの髪に、ぞくっとするほど切れあがった目。
元モデルだったから、スタイルとルックスはかなりいい。
煙草を吹かせながら、俺の方をじっと見てる。
黙ってカバンを置き、彼女の横に座った。
煙草を揉み消し、俺の胸に寄りかかってくる。
「お帰り」
「ただいま。俺が料理しようか?」
「だめ。台所は私の聖地。男には入らせない」
そう言って、台所に向かう。
じっと眺めながら、思い出したことがあった。
「結婚しよう」
いつだったかそんな約束をした。
君を守ろうと思っていた。
君はかなり知名度のある家の出身で、夢の為に家族を捨てて一人で生きている。
そんな不器用な君とは、こんな場所でしか出会えなかった。
でも・・・出会えたことは運命だと思った。
だから。
一人の時に悲しそうな顔で怯えている君を、安心させたかった。
なのに・・・・。
そんな君は今。
最後の荷物をトランクに詰め込んだ。
僕の前から消えて行く。
俺にはさよならの一言も言わないで、少し日焼け跡を残す床だけに別れを告げて。
小さな袋を渡された。
なんだろうと開いてみる。
中には1万円札が1枚あった。
何?
不思議そうな顔で、隣で運転している親父を見る。
「持って行け」
ぶっきらぼうに言う。
返そうとしたが、親父の年季の入った顔を見ると、「いいよ」と言う言葉が出なかった。
もう俺は社会人だ。
2年目だぞ。
住むところも自分の給与で払ってる。
そう言いたかった。
でも親としては、何もなしに返せないと思ったのだろう。
母親がいれば、たぶん食材を送ってきたり、畑で採れた野菜とかも送ってきただろう。
でもうちは片親だ。
そんな器用なことが出来る親父でもない。
小さな工場で働いて、休日は釣りか畑仕事して過ごしている。
そんな親父がくれた1万円。
でも。。。
俺にとって、ただの1万円ではない。
100万にも1億にも匹敵するぐらいの価値がある。
ジャンバーのジッパーがついたポケットの奥に仕舞った。
俺の胸にあるポケット。
なんだか熱い想いが。。。
胸の位置にある気がする。
なんだろうと開いてみる。
中には1万円札が1枚あった。
何?
不思議そうな顔で、隣で運転している親父を見る。
「持って行け」
ぶっきらぼうに言う。
返そうとしたが、親父の年季の入った顔を見ると、「いいよ」と言う言葉が出なかった。
もう俺は社会人だ。
2年目だぞ。
住むところも自分の給与で払ってる。
そう言いたかった。
でも親としては、何もなしに返せないと思ったのだろう。
母親がいれば、たぶん食材を送ってきたり、畑で採れた野菜とかも送ってきただろう。
でもうちは片親だ。
そんな器用なことが出来る親父でもない。
小さな工場で働いて、休日は釣りか畑仕事して過ごしている。
そんな親父がくれた1万円。
でも。。。
俺にとって、ただの1万円ではない。
100万にも1億にも匹敵するぐらいの価値がある。
ジャンバーのジッパーがついたポケットの奥に仕舞った。
俺の胸にあるポケット。
なんだか熱い想いが。。。
胸の位置にある気がする。
「俺。あいつと昨日一緒にいたんだ。結構長く色々なこと話した」
そう仲間に言われた。
「そうなんだ・・・」
そっけなく答える。
実は今までずっと・・・・俺は彼女と2人でちょくちょく会ってた。
彼女は俺が好意を寄せていることを知っていると思う。
でも前から、奴のことを質問されることが多かった。
もしかして・・・という気持ちはあったけど、奴は滅多に現れないし、彼女の俺に対する態度もまんざらではなかった。
それでも会話を繋ぐために、奴の話題もしていた。
奴のことが好きなのかな?という疑問はあったけど、、、。
でも俺が彼女を好きだと言う感情は、簡単には諦めきれない。
ちょっとした隙に、大逆転なんて期待して。
それなのに・・・俺の知らない彼女のこと、奴は沢山知っている。
俺にはまったく話をしてくれなかった情報・・・・。
俺じゃダメだったんだ。
一気に奈落に落ちた気がする。
でも友情って切ない。
きっぱりと身を引いて、応援するしかないと決める。
でも・・・・当分はやっぱり。
やっぱりあの子の前には姿を出せない。
もう。。。
夏休みと共に、育もうとした愛も消えた。
そう、夏と共に。
そう仲間に言われた。
「そうなんだ・・・」
そっけなく答える。
実は今までずっと・・・・俺は彼女と2人でちょくちょく会ってた。
彼女は俺が好意を寄せていることを知っていると思う。
でも前から、奴のことを質問されることが多かった。
もしかして・・・という気持ちはあったけど、奴は滅多に現れないし、彼女の俺に対する態度もまんざらではなかった。
それでも会話を繋ぐために、奴の話題もしていた。
奴のことが好きなのかな?という疑問はあったけど、、、。
でも俺が彼女を好きだと言う感情は、簡単には諦めきれない。
ちょっとした隙に、大逆転なんて期待して。
それなのに・・・俺の知らない彼女のこと、奴は沢山知っている。
俺にはまったく話をしてくれなかった情報・・・・。
俺じゃダメだったんだ。
一気に奈落に落ちた気がする。
でも友情って切ない。
きっぱりと身を引いて、応援するしかないと決める。
でも・・・・当分はやっぱり。
やっぱりあの子の前には姿を出せない。
もう。。。
夏休みと共に、育もうとした愛も消えた。
そう、夏と共に。