やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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隣の席で

2015-10-20 18:31:33 | 小説
ひとりで寛いでいた。



大きめの深いソファ。



どっしりと腰を下ろし、暖かい飲み物をマグで飲む。



至福のひと時。



こんな時って、たまに一人でいるのが寂しくもなる。



かといって誰も側に来てくれないというのが、独り身の寂しいところ。



だから通りを行きかう人を眺めながら、ゆっくりと時間をかけて飲む。



その時、レジ前に君がいることに気付く。



どこかで見たことある・・・。



私服はあまりお洒落ではない君の姿。



まだ知り合ってそんな話したことはないが、行きつけの店の新人だ。



前にお気に入りだった子が、就職のためにバイトを辞め、その代わりに来た子。



結構美人だったので、ちょっと興味はあった。



友達と二人で来ている風だった。



特別声を掛けることもないし、そんなにも親しくないから、気にしないふりでお茶を飲む。



しばらくすると、隣の席に情勢が座る。



見ると、彼女だった。



嬉しそうにマグカップも両手に握ってる。



その姿に俺も少し嬉しくなる。



彼女があまりにもかわいいからだ。



わずか数十センチの距離。



なのにまったく気付かないまま。



なぜだかお隣さんの幸せが嬉しくて、ホットドリンクの温かさ以上に心が温められる。



席を立つ瞬間。



彼女が気付いて挨拶してくれる。



それまではただのお隣さん。



でも次にお店に行けば、彼女との共通の話題が増えている。



少し身近な存在に。。。

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