やんちゃでいこう

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幽霊だけど恋してる―37話

2013-07-26 06:38:45 | 小説
眼下には生まれ育った町がある。

しかし生きている間に見たことが無い風景だ。

『私の町ってこんなんだったんだ』

露子は空を飛ぶ恐怖を忘れて、小さく見える町を愛しそうに眺めた。

直ぐに目的地の病院に付く。

「さて、誰に聞こうか・・・・」

病院には多くの幽霊がいると思われるかもしれないが、そうでもない。

多くの霊は、やはり自分の家や思い出の地に戻る。

自縛霊を覗いてだ。

「やはり自縛霊さんに聞くしかないわね」

「そーだね。でもどの年代なのか・・・」

「とりあえず聞いてまわるしかないわ」

「よし」

透が思うよりもやる気になっている。

それが新鮮でもあり驚きでもある。

玄関から入った場所の左奥に、おじいさんが居た。

沢山の人に囲まれていたい。

そう言う思いで、いつもこの場所にいたそうだ。

死んでからも、なおそう言う気持ちが強くなり、自縛霊になった。

「どうでしょうか?」

「お嬢ちゃん。悪いが記憶が無いな。この場所にいつ頃からいるのかさえ覚えていない」

「そうですか」

「それにな。ここには多くの人が来る。運ばれてくる高校生も少なくないからね」

確かに病院だ。

珍しいことではない。

露子達はお礼を言って、病室を回ることにした。


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