やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

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幽霊だけど恋してるー13話

2013-07-02 07:21:34 | 小説
幽霊にだって感情がある。

影も形もない存在でも、生きていた時に好きだった人は守りたい。

ただどんなに思っていても、生きている人には通じない。

片想い。

同じ死んだ者同士では、恋愛は成立するのだろうか。

永遠にこれ以上消えることはない。

ずっとずっと・・・永久に愛を語れる。

いつ亡くなったかなんて気にしなくていい。

亡くなった時のまま。。。。

そう。そのまま存在している。

時代が違えども、恋愛なんてできるはず。

私は漂うように地面の上を走った。

夕焼けが完全に沈む前に、家に帰ろう。

この淡い感情を噛みしめて。


家に着くと、そこはどんよりとした空気があった。

まだ私が無くなって60日ほど。

家族の悲しみったら…それは相当なもの。

嬉しいという感情よりも、どう慰めていいのやらわからない。

夢の中に出て、慰めればいいのか。。。

ただ、強く思ってくれている相手の夢に出るのは、この世のルールでは禁止されている。

予定以上に、こちらに人を連れ込んでしまうからだ。

毎日の人数制限があり、それを上回る行為をした幽霊は、地獄行きだ。

相手の気持ちが落ち着いてからなら、夢に出ても良いことになっている。

まだ・・私の両親には無理だ。

黙って自分の部屋に向かった。

ここにいれば落ち着く。

誰にも邪魔されない。

生きているときと同じ。

私だけの空間。



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