「だったら、かぜ・・・・そう『風』と言う名字はどうでしょう」
「風か~。いいね」
「名前は、透」
「風 透。イイ名前だ。僕にぴったり」
「うん。その名前素敵です。そうしましょう」
「今から僕は、風透。よろしく・・・その~君の名前は?」
「そうだ!言ってなかったですね。私は露子です。渡部露子」
「露子さん。どうぞよろしく」
「こちらこそ」
それからしばらく二人で話した。
普段なら男性と二人でいることに、周りの視線が気になった。
でも幽霊になれば別だ。
友達にも親にも、私の姿は見えない。
だから思う存分に話ができた。
こんなに男性と話したのは、小学校低学年以来。
自分でも驚くほどだ。
彼氏とだって、同じ車内にいても会話が長く続かない。
そう。。。
気が付けば5時間以上も話し続けている。
お互いに記憶が曖昧な部分や、世代に違いによって会話は成立しない。
それでも幽霊としては同じ年頃なので、その会話の食い違いが楽しめた。
「久しぶりに人と話ができた。すごく楽しい。ありがとう」
「透君の話が楽しくて。私も楽しかった」
お互いに本音で楽しめた。
「そろそろ消えなきゃ」
「消えるって?お迎えが来るの?」
急に曇った顔で私が尋ねる。
「いや、そうではなくて・・・毎年この時期になると、誰かが墓を訪ねてくれる。だからさ。お礼を言わなきゃ」
「家族?」
「わからない。もうそんな記憶さえも無いんだ」
「そうだ!墓石に苗字書いてるじゃない。風さんって苗字ではなくて、本当の」
「いや。風って苗字が気に入ってるから、本当の苗字なんていいよ」
「そうなの・・」
少し寂しく感じる。
本当にそれでいいのだろうか。
今の私にはわからなかった。
「風か~。いいね」
「名前は、透」
「風 透。イイ名前だ。僕にぴったり」
「うん。その名前素敵です。そうしましょう」
「今から僕は、風透。よろしく・・・その~君の名前は?」
「そうだ!言ってなかったですね。私は露子です。渡部露子」
「露子さん。どうぞよろしく」
「こちらこそ」
それからしばらく二人で話した。
普段なら男性と二人でいることに、周りの視線が気になった。
でも幽霊になれば別だ。
友達にも親にも、私の姿は見えない。
だから思う存分に話ができた。
こんなに男性と話したのは、小学校低学年以来。
自分でも驚くほどだ。
彼氏とだって、同じ車内にいても会話が長く続かない。
そう。。。
気が付けば5時間以上も話し続けている。
お互いに記憶が曖昧な部分や、世代に違いによって会話は成立しない。
それでも幽霊としては同じ年頃なので、その会話の食い違いが楽しめた。
「久しぶりに人と話ができた。すごく楽しい。ありがとう」
「透君の話が楽しくて。私も楽しかった」
お互いに本音で楽しめた。
「そろそろ消えなきゃ」
「消えるって?お迎えが来るの?」
急に曇った顔で私が尋ねる。
「いや、そうではなくて・・・毎年この時期になると、誰かが墓を訪ねてくれる。だからさ。お礼を言わなきゃ」
「家族?」
「わからない。もうそんな記憶さえも無いんだ」
「そうだ!墓石に苗字書いてるじゃない。風さんって苗字ではなくて、本当の」
「いや。風って苗字が気に入ってるから、本当の苗字なんていいよ」
「そうなの・・」
少し寂しく感じる。
本当にそれでいいのだろうか。
今の私にはわからなかった。