海住恒幸の松阪市議会通信 

議員活動を通して、自治体議会や自治体のあり方を考えるブログ

松阪駅西地区再開発問題

2007年08月12日 10時55分03秒 | 自治体
駅から見た風景は考慮に入れられず。
駅を起点とした街を視野に入れず作った机上のプラン。
駅と広場、三交百貨店跡の活用を軸に、既存インフラとしての駅前商店街ベルタウンなどの活用と再生を含めたプランを中心市街地活性化基本計画に位置づける方向で議論を進めたほうがコンパクトシティの概念に近いはず。
そのように考えたほうが市民に受け入れられやすいと思う。
そのように考えたら、94億円の事業費の伴う駅西地区再開発は不要なのではないかと思う。

8月11日午後7時から、松阪市本町の市産業振興センターで、第1回松阪駅西地区市街地再開発事業市民意見交換会が開催されました。

☆次回は8月25日(土)午後6時~
産業振興センター3階

始まりはここからを実感

2007年08月12日 10時40分24秒 | 自治体
今年5月20日のまちづくりフォーラムで専門家から苦言を呈されたことで「見直し」を約束したという松阪駅西再開発事業。
その結果、示された4つの修正案は、マンション、ホテル、保健福祉医療総合センターの「マッチ箱」をあれやこれや4通り置き換えてみただけのお粗末なシロモノ。
挙句、どれも、欠陥ばかりが目立つので、結局、初めのプランが一番良いという、話の持って行き方。
11日の市民意見交換会で出された意見の中に、「全体像を見たとき、松阪らしさが全然ない。どこにでもあるような駅前の建物という印象。女性とか若者など、いろいろ意見を聞いてほしい」というのがあった。

結局、今回示された修正案は、一年前の5月、現プランが示されたとき、再開発事業準備組合を訪れ、マンションやホテル、総合センターの配置を変更できないか聞いたとき、「これしかない」という回答だった。そのときと、結局、同じ理由。

おそらく、どのような建築でも、設計に入る前の段階で、さまざま考えられるかたちから最終的にひとつの案に絞り込んでいくまでに、建築家は施主にいくつかの図案を示すものだが、今回示された4つはまさしくそのような初期的段階のもの。

これでは、「検討した」には当たらない。
このような4つの案と元の案があるが、というところから始まるというより、始める前の一提案にすぎないと考えるべきではないか。
マッチ箱の提案は、不動産の活用を考えている地主を訪問した営業マンが、「こんなプランはいかがですか?」とあらかじめあった図案を示し、営業トークに入る段階レベルのもの。
これで10月には都市計画決定したいなんてどう考えてもおかしい。

そこで以下の提案を行う。

11日の意見交換会に召集された20人のメンバーを検討委員会を基礎(公募を加える)とし、今後、1~2年の検討期間を置く。三交百貨店跡の活用を含めた全体計画として、1~2年後をめどに、素案を示す。
それまで、準備組合とは異なる建築家から、まったく新たに複数案を示してもらい、模型等を活用しながら、検討委員会と専門家(都市プランナー建築家等)がワークショップ形式で希望を出し合い、意見に基づき修正しながら、完成度を高めていく。

昨日の意見交換会を傍聴していて、ここから始めれれば良いと思った。
まだ、ここからなんだという段階である。
だけれど、ここから、本当の市民参加の手法を取り入れれば、市民が満足するプランは実現可能だ。
「広く市民の声を聞きたい」といいつつ、いまのプランで押し切ろうということであれば、自治体失格である。

総額94億円、うち、公費で60億円投入する事業。準備組合が施主のような扱いであるが、市民のお金を使おうという事業である。
せめて、これだけの作業を通して、松阪の街の将来に夢を見させてもらわなければ。

ゼロに戻して始めたほうがよい。
現在の西地区のエリア設定こそ見直し、松阪駅を基点に、駅と街のかかわり、三交百貨店跡の活用、駅前に必要な機能はなんであるのか、「ひろば」とはどういう役割を持つものなのか、根本から再検討することが、市民に目線を向けた自治体らしい仕事というべきもの。

松阪市が示した4つの修正案

2007年08月12日 10時38分30秒 | 自治体
5月20日のまちづくりフォーラムで、都市プランナーの蓑原敬氏から「魅力がない」と指摘され、「見直しを検討する」と市長が約束した松阪駅西地区再開発事業。
そこで、11日夜の第1回市民意見交換会で公表したのが、この4つの修正案。
説明した都市計画課によるとこういうことです。

修正第1案(保健・福祉・医療総合センターをもっとも駅寄りにした場合)
「公共の顔が前面に出る半面、マンションの低層部の日当たりが悪くなる」


修正第2案(マンションを南西面、ホテルを駅側にした場合)

「マンションが既存のマンションと向かい合って問題がある。」


修正第3案(配置はいまのままで、マンションの高さを下げる場合)

「マンションの処分床(分譲)が減り、事業収入が減る。」


修正第4案(駅前広場に面して公共施設を設ける場合)

「駅前に市の顔ができるが、市に新たな負担が生まれる」



ということで、検討したという4つの案は、すべて問題ありで、原案が一番良いとの考え方でした。

「市はロスタイム」、「市民はキックオフ」のずれ

2007年08月12日 10時24分34秒 | 自治体
準備の段階から数え、足掛け6年。
一度も市民の意見を聞かずに進めてきた松阪駅西再開発事業。
3月の市議会で調査費を盛り込み、あわよくば、5月か6月ごろには都市計画したいとの腹だった。
いまは10月を予定しているらしい。
という意味で、市にとって市民との意見交換会は、サッカーで言うロスタイム。
一方、市民には、キックオフされたばかり。
「これ(11日の意見交換会)が第一歩だと思う。もっといろいろな意見を聞いて、いいものが出来たと市民が納得できるものにしてほしい」という発言もあった。
再開発事業一筋に30年の経験を持つ、コーディネーターの横島毅氏も、こう述べた。
「(都市計画決定段階での)意見交換会は他にない。もっと初期の段階で動いてしかるべき」。