緩和ケア病棟に関しては市長は「わたしの思いは、海住議員とまったく同じ」ということでしたが、保健医療福祉総合センターの建設についてはまったく別の答えが返って来ました。
9日の質疑の原稿をアップします。
保健医療福祉総合センター
【質問1】
保健医療福祉総合センターは2万平方メートルの建設用地を取得し、床面積5000平方メートルの施設を建設しようという事業。計画では今年度中に用地の選定を行い、来年度には用地を取得する計画。そこまで具体的な作業が進んでいるというのに、11億5千万円の基金があるというゆとりのせいか、財政的負担の問題はほとんど語られない状態で検討が進んでいるという印象を持つ。ハコ物を造れば、維持管理費もかかる。事業費は初期投資だけで30億円で、基金以外の18億5千万円は借金であるし、他に1億円も見込まれている。
用地取得ということでは、つい先ごろ、検討委員会から、4つの候補地(駅前、ベルファーム、鈴の森、興和紡)が提案された。用地費として4億円を見込み、既存の公園を活用できるような場所を今年度中に選ぶという。
2万平方メートルという大きな土地を近々に買うという具体的な話なのに、まるで夢の中の出来事のようにしか聞こえてこない。
それでも、お金を使う算段だけは格別に早いが、市民だれもが納得できるような明確な施設用途の説明はいまだにない。あいまい模糊とした説明しかない。こんな状態で用地買収まで話を進めるというのは、過去の右肩上がりの時代の手法だ。今日のような厳しい財政事情下では凍結し、再検討すべきではないか。
【再質問1】
松阪市の決算カードを平成7年度から16年度の分まで見たが、施設の管理委託費などを表す物件費は増える一方である。物件費は、平成7年度には33億円だったが、15年には51億円、合併5市町を合算した平成16年度は84億円に膨らんでいる。過去に、施設の年間維持管理費がいくらかかるかを見ずにハードものの建設計画をどんどん進めてきた結果だと思う。それは財政硬直化の大きな要因となっている。今後も繰り返すのか。物件費の増加という面をどのように見ているのか。それを減らしていく努力、工夫はあるのか。
【再質問2】
市長の言うように、「人を育てる」「ボランティアを育てる」「交流する」というのがメインテーマなら、新しい大型のハコ物施設はなくてもできる。既存の施設でも工夫すれば十分に機能する。大切なのはハコを造ることではなく、ソフトだ。コーディネートする場をつくることだ。始めるのは、まず、そこからだ。