海住恒幸の松阪市議会通信 

議員活動を通して、自治体議会や自治体のあり方を考えるブログ

あす10日は一般質問

2006年03月09日 21時18分49秒 | 議会
睡眠不足が続いていますが、もう一頑張り。
あす10日は午後1時から、一般質問の私の番です。
原稿にもう少し手を入れなければ。
あすの一般質問は、通告者が3人だけです。
9日が一ヤマ、あす10日が二ヤマ。

当初予算案質疑2(総合センターというハコもの事業)

2006年03月09日 21時14分30秒 | 議会
緩和ケア病棟に関しては市長は「わたしの思いは、海住議員とまったく同じ」ということでしたが、保健医療福祉総合センターの建設についてはまったく別の答えが返って来ました。
9日の質疑の原稿をアップします。

保健医療福祉総合センター

【質問1】
 保健医療福祉総合センターは2万平方メートルの建設用地を取得し、床面積5000平方メートルの施設を建設しようという事業。計画では今年度中に用地の選定を行い、来年度には用地を取得する計画。そこまで具体的な作業が進んでいるというのに、11億5千万円の基金があるというゆとりのせいか、財政的負担の問題はほとんど語られない状態で検討が進んでいるという印象を持つ。ハコ物を造れば、維持管理費もかかる。事業費は初期投資だけで30億円で、基金以外の18億5千万円は借金であるし、他に1億円も見込まれている。
 用地取得ということでは、つい先ごろ、検討委員会から、4つの候補地(駅前、ベルファーム、鈴の森、興和紡)が提案された。用地費として4億円を見込み、既存の公園を活用できるような場所を今年度中に選ぶという。
 2万平方メートルという大きな土地を近々に買うという具体的な話なのに、まるで夢の中の出来事のようにしか聞こえてこない。
それでも、お金を使う算段だけは格別に早いが、市民だれもが納得できるような明確な施設用途の説明はいまだにない。あいまい模糊とした説明しかない。こんな状態で用地買収まで話を進めるというのは、過去の右肩上がりの時代の手法だ。今日のような厳しい財政事情下では凍結し、再検討すべきではないか。

【再質問1】
 松阪市の決算カードを平成7年度から16年度の分まで見たが、施設の管理委託費などを表す物件費は増える一方である。物件費は、平成7年度には33億円だったが、15年には51億円、合併5市町を合算した平成16年度は84億円に膨らんでいる。過去に、施設の年間維持管理費がいくらかかるかを見ずにハードものの建設計画をどんどん進めてきた結果だと思う。それは財政硬直化の大きな要因となっている。今後も繰り返すのか。物件費の増加という面をどのように見ているのか。それを減らしていく努力、工夫はあるのか。

【再質問2】
市長の言うように、「人を育てる」「ボランティアを育てる」「交流する」というのがメインテーマなら、新しい大型のハコ物施設はなくてもできる。既存の施設でも工夫すれば十分に機能する。大切なのはハコを造ることではなく、ソフトだ。コーディネートする場をつくることだ。始めるのは、まず、そこからだ。



当初予算案質疑1(緩和ケア病棟)

2006年03月09日 20時58分46秒 | 議会
きょう9日の市議会では、当初予算案をめぐる各会派の代表質疑が終わり、ようやく、わたしの順番が回ってきました。
持ち時間は答弁含めて20分。う~ん、これはキツイ。
質疑項目は1問でも足りないところですが、市民病院に建設が予定されている緩和ケア病棟(いわゆる、ホスピス)と、ハコもの大型事業の福祉・保健・医療総合センターの建設について、市長と討論をしました。
議場に残り時間がカウントダウン表示されていく時計を気にしつつ、でしたが。

まず、緩和ケア病棟についてわたしが用意した原稿をご披露します。
↓    ↓   ↓

 松阪市には、NHKのテレビ番組(NHKスペシャル・がん治療を問う)に紹介されていた「在宅ホスピス」の理想を追求しながら往診を中心とした医療行為を行う中で、多数のがんの末期患者をみとられている開業医の方がいらっしゃいます。
 その方の医院のロビーは病院の待合室という雰囲気ではなく、ソファだけでなくテーブルや本棚も配置してあって、さながら家庭のリビングルームのような雰囲気に包まれています。在宅療養を基本に、患者さんは必要なとき来院し、くつろいだり、不安への相談に応じてもらったりするわけです。
 市民のボランティアも多数、登録されています。
 しかし、悩みもあります。
 診療報酬が出ない仕事が多く、お医者さん自身、ボランティアな部分が多いこと、往診に出ている間は訪れる人の対応ができないこと。かといってボランティアの人に医院を任せるわけにはいかないこと。
 しかし、往診を主体とする中に、できれば自宅で最期を迎えたいという患者さんの思いがかなうよう、日々、駆け回っていらっしゃる姿に感動すら覚えます。
 最近は、この先生と同じように、往診に力を入れている開業医の方が増えているそうです。
 ただ、地域全体の医療環境を考えた場合、この人たちの個人的な献身的な努力だけでは限界があります。市民病院の緩和ケア病棟が自分のところのことだけに閉じこもる医療ではなく、まちのお医者さん個人の献身的な努力にこたえ、手助けできる部分においては手助けするような医療連携を模索してほしいものです。
 例えば、ふだんは開業医の往診を主体に、患者さん自身の状態が在宅では無理なとき、家族に看護疲れがたまってきたとき、市民病院の緩和ケア病棟で、1週間程度、レスパイトケアと呼ばれる、休息入院(老人ホームのショートステイのようなもの)ができるようにすることで、在宅ホスピスの水準の確保、向上につなげることができる。
 また、末期のがんの方もふだんは身近な往診ドクター、症状に応じて専門病院や緩和ケア病棟に入ったりするなど、地域全体のがん治療のネットワーク型の枠組みづくりを視野に入れ、医療機関ごと、また、医師やボランティア間のサポート体制を築いていくべきではないか。
 そのようにすることで、緩和ケア病棟20床という定数をはるかに超えた終末期の患者やその家族のニーズにこたえる地域医療体制を構築していくことが、公費を投じ、緩和ケア病棟の建設をおこなおうとする市の責務であると考えます。
 市民病院は地域の中の基幹病院なわけですから、市民病院の緩和ケア病棟と在宅ホスピスの連携、さらにはこれらを結ぶボランティア組織づくりを含めた、医療コーディネーター的役割を演じることも重要になってくると思う。特に、在宅の終末期のがん患者の家族の方をどう支えていくかが重要なテーマであると、在宅ホスピスに取り組んでいる医師は話して見えました。家族が倒れたら、在宅ホスピスは成り立たないわけですから。
 市民病院だけのことを考えるのではなく、地域の中にあってがん患者であれば誰でも利用できるデイ・ホスピスであったり、地域の中での役割を見いだして欲しい。地域の中で果たしていく役割こそ、公共がやる緩和ケア病棟ですから、非常に大きいわけです。
 市長として、どうお考えか、お示しいただきたいと思います。



※ WHOではがんの診断直後からでも痛みがあるときには緩和ケアを受けることができる。国際的に見ればそれが当たり前であるのにもかかわらず、日本では抗がん剤治療を受けながら緩和ケアを受けることはできない。どうして日本ではホスピスとがん治療を区別するのか。痛みをとれば治療を受ける気力も湧く、がんの痛みをとることもがん治療であることを日本の医師も知るべきだ。治療をあきらめなければホスピスに入れない現状を変えてほしい。このような意見を持つ医師やがん患者、家族が討論するテレビ番組(2006年1月8日、同9日付ブログをご参考に)があった。

※ 松阪市は平成19年度に松阪市民病院に緩和ケア病棟を建設する予定だが、すでにこれまでのホスピスのありかたを超えたホスピスを目指した取り組みが始まっている。これからのホスピスのあり方はすでに「死を迎える家」という考え方ではなく、地域の中にあってがん患者であれば誰でも利用できるデイホスピスであったり、普段は近くの診療所で診察を受け、悪くなったら専門医にかかったり、緩和ケア病棟に入ったりするなど地域全体のがん治療のネットワーク型の枠組み作りを視野に入れ、医療機関ごと、医師やボランティア間のサポート体制を築いていくべきとの考えが主流になりつつあるようだ。