かへる 東の国探訪記

何かと話題のぐんうま県在住の『かへる』の某国中心の旅行記&趣味のフィギュアスケートの話題など

全米選手権2016ノービス男子(6)

2016-01-26 21:36:14 | フィギュアスケート
表彰式では、(当たり前だが)まず最初にメダルが授与される。
青いドレスのお姉さんが持ってきたメダルを選手の首にかけるのだが、
この大会では全員のメダルを一度に持ってくるのではなく、1つずつ持ってくる。
金メダルが来ているのに、ピーター君はまだ1位のエリック君に話しかけている

3位のマキシム君は、ちょっと羨ましそうな顔をしてメダルを見ている。
彼は8番滑走だったのだが、冒頭の3Lzで転倒、さらにスピンが1つノーカウントになるという痛恨のミスがあり、
ショート2位から逆転されてしまったのだ
優勝したエリック君とショートでは点差がほとんどなく、滑りの質自体は彼の方が上の点数が付いていただけに、
メダルは嬉しいけれど残念な気持ちが先に立ったのだろう。
そんな中でもしっかり前を向いているウィリアム君(4位)は、やはり大人の態度と言うべきだろうか

ピーター君にもメダルが授与される。


メダルを渡されても、まだこの2人は喋っている。
エリック君が持っているのは、1位の選手だけに渡されるトロフィーである。
「トロフィーも貰えるんだ、いいなあ」「ちょっと持ちにくいけどね」というような会話だと推測してみる


続いて、メダリスト全員に小さな箱に入った副賞が渡される(たぶんバッジ)。
この写真↓ではピーター君が箱の中身を確認しているが、
実は4人全員が渡されるとすぐに中身を確認していた(そんなところまで先生をまねなくても良い)


このメダリスト達は、それぞれこの2年くらいは大変な時期を過ごしてきた。
エリック君は一昨年ノービスで銀メダルを取った(その時12歳)が、その後成長期に入り背がかなり高くなった。
昨年の全米では、ショートもフリーも失敗して、11位だった。
新たにロシア人のトレーニングコーチがつき、体の大きさに見合ったジャンプができるようになったそうだ。
名前からして、彼はスウェーデン系だと思われる。
マキシム君は、3年前の全米ではジュベナイルで優勝した。
しかし、翌年(一昨年)のインターミディエイトではショート4位だったのに、
フリーでピーター君に逆転されてメダルを逃した。
さらに昨年は東地区セクショナルでショート4位だったのに、フリーで逆転されて全米の出場がならなかった。
(この時逆転で4位になったのがピーター君と同じクラブのデヴィッド君だった。)
滑りはきれいで体の使い方が上手いのだが、ジャンプが回転不足気味なのが残念だった。
ピーター君は昨年の全米ではショートで2回転倒して出遅れ、結局トータル6位だった。
昨年夏に腰を怪我して、思うような練習ができなかった。
セクショナルではフリーで転倒や回転抜けなど派手にやらかしたのだが、
そもそも彼は今までも、全米の予選ではそれほど良い成績を取って来なかった。
シーズン前半はいまいちでも、ここぞという所では決めるところは先生そっくりである
ウィリアム君はペアと掛け持ちで、実の妹と組んだペアでも全米の出場が決まっていたのだが、
妹の怪我でそちらは棄権してしまった。

この写真は花束の贈呈を待っているところなのだが、
なぜかよそを見ている金銀メダリストに対して銅メダリストがあきれ顔をしているようにしか見えない

全米選手権2016ノービス男子(5)

2016-01-25 22:56:00 | フィギュアスケート
今朝は早起きして全米選手権男子フリーを見るつもりが、目が覚めたら5時を回っていた
ユーロ下位グループが大好物なわたしにとって、全米下位グループもまた見逃せないものである
第1グループをまるまる見逃したことになる
仕方がないので、第2グループから見ることにする

最終の第4グループの途中で出勤しなければならない。
ネイサン・チェン選手とマックス・アーロン選手の素晴らしい演技を見た後、
アダム・リッポン選手が最初の4Lzで転倒したのを見て
「あ~、こりゃリッポンダメだわ」と思ってテレビを消して部屋を出た自分を叱りつけてやりたい
(そのかわり、帰宅して再放送を見たのだが、やはりリアルタイムで見たかった)

ここから本題に戻る

選手やコーチは、いったいどのくらいまでキスクラにいていいものだろうか?
というのも、わたしの好きなこの師弟は、次の選手が演技している間も、ずっと座っていたからである。
(動画にしっかり映っている)
フリーの演技は3分半だが、その半分くらいまでいたと思われる。
次の選手の演技を見ているわけでもなく、ずっと話していたようだが、係の人に叱られなかったのだろうか

INに載っていた先生の談話で、ピーター君が今シーズンの初めに怪我をして、
そのためシーズン前半は不調だったと知った。
シーズン始まって間もなくということは、おそらく昨年7月にフィラデルフィアで行われた大会あたりだろう。
ひどい転倒をして、腰を痛めたとのことで、完治までに3ヶ月かかったそうだ。
南大西洋リージョナルでも、東地区セクショナルでも調子があがらなかったのは、この負傷のためだったのだ。
全米に間に合って良かったとつくづく思う

フリーが終わって、すぐに表彰式になる。
しかし、製氷と6分間練習やり直しに引き続き、またしてもトラブルが起こった
ジャンプ要素の見誤りのため集計し直したら、4位と5位が入れ替わったのだ
(2F+3Tだったのが3F+3Tに訂正された)
そのことが発表されたのは、表彰式の直前だった。
最初4位だと発表された選手にとっては気の毒な話である

表彰式が始まる。
名前をコールされると、その選手がフリーで使った曲が流れる
これは拍手に応えているところ


このあたりのカテゴリでは、選手同士が握手したりハグしたりはしない。
そのまま台に上がる。
3位の選手が近づいてくるというのに、1位と2位の2人は台の上で私語を交わしている。
所属しているクラブや練習場所は違うのだが、年齢が近いせいか、話が合うのだろうか。
よく考えてみたら、彼らは練習やり直しになった2人である。
「あの時はずいぶん待たされたね」「ちょっと体が冷えちゃったよね」などとでも話しているのだろうか


4位になったウィリアム・ハバート君は、現在はインディアナ州にいるが、昨年までフロリダで練習していた。
昨季までセクショナルでピーター君と一緒だったので、クラブは違うが仲良しのようだ。
台に近づいてくるウィリアム君に声をかけている。


3位になったのはマキシム・ナウモフ君で、両親は1994年に幕張で行われた世界選手権(ペア)の金メダリストである。
この4人の中で最年長は17歳のウィリアム君で、次が15歳のピーター君、残る2人は14歳である。

それにしても、ウィリアム君以外の3人が落ち着きがない。
どこの国でも男子中学生とはこのようなものなのだろうか。

全米選手権2016ノービス男子(4)

2016-01-24 19:27:28 | フィギュアスケート
今朝目を覚ましたら、全米選手権のペアもダンスも終わっていた。
どちらも初優勝だった。
特に、ペアのケイン・オシェイ組は、前から応援していただけに、嬉しい
(コーチの喜びようを見るのも楽しいのだが)

女子の方は、J-Sportsの生中継をずっと見ていた
途中までは転倒やジャンプの抜けやジャンプ違反があって、どうなることかと思ったが、
メダリスト4人はさすがの演技であった。
金メダルのゴールド選手がショートでついた8点差をひっくり返したのには、本当に驚いた。
(だから、明日未明に行われる男子も、まだわからない)


さて、本題に戻る

ショートの時にはノーミスだったので、割と落ち着いて点数を待っていたのに、
フリーでは大きなミスが2つあったため、師弟のどちらも落ち着かない様子が見て取れる。

ただし、これまでの大会とは違い、反省会ではないようだ。

電光掲示板に得点が出る。(アナウンスは、それより数秒遅れる)
ピーター君は得点を見た瞬間、頭を後ろにのけぞらせる

そして、頭の後ろで手を組む。

最後にガッツポーズ。

この間、先生の表情も変化があって面白い

フリーの99.67点は、それまでのベストよりも9点以上高い。
合計点150.90点も、もちろんパーソナルベストである

得点が出てほっとしたのか、おしゃべりになる。
そして、この時点の順位がアナウンスされる→11人終わって1位
1つ順位を上げ、そして銀メダル以上が確定となる。


メダルが決まり、先生がハイタッチをしようと右手を出すと、

こうなり、

最後にはこうなる


ピーター君は身長170cmを越えていると思われ、15歳という年齢はノービスでは年長の方なのだが、
やはり行動にはどこかかわいさが見え隠れしている
先生は、よくできた演技の時には、このように肩を強くつかむのでわかりやすい


昨年の全米(ノービス)でも、フリーで得点が出て大喜びだったが、
その時の83点よりもはるかに高得点である。
これは、ノービス以下には3回転ジャンプをするごとにボーナスポイントが付くためである。
それを除いても94点になるから、昨年よりもかなり上達したのがわかる。
このような↓笑顔で終わるキスクラは、やはり嬉しいものだ



全米選手権2016ノービス男子(3)

2016-01-23 22:30:53 | フィギュアスケート
本来なら、現在進行中のシニア(男子や女子)について書くべきだろうけれど、
他の詳しいみなさんが書くだろうから、あえて書かない

今日は仕事が休みなので、INやスカパーで全米選手権を思う存分見ることができた
わたしが生で見ていたのに、マイナー選手やアーロン選手には全く影響しなかったようで良かった
日付が変わる頃からアイスダンス→ペア→女子と立て続けにフリーがあるため、
頑張って起きていてダンスから見るか、女子だけに絞るか考え中である

表題の件に戻る

練習が終わり、ピーター君の滑走になる。


これは最初のポーズ。

ショートもそうだが、フリーも昨季と同じ曲(ポエタ)である。
衣装まで同じなのだが、昨年よりも背がかなり伸びているので、果たして同じものが入るのだろうかと、変なところが気になる。

3F+2T(きれいに決まり、着氷もきれい)
これはコンボを降りた直後、係員の女性が拍手している場面


3Lz(空中で軸が曲がったので危ないと思ったが、やはり転倒)
3Lo(ちょっと着氷が危ないように見えたが、大丈夫)
FCCoSp(レベル4。本当にスピンが上手になった)
2A(これも助走が短い。2Aは晩年の先生よりも上手い気がする)
3T+2T(まあまあ。ここからのジャンプは後半なのでボーナスポイントが付く)
3T+1T+2Lo(ここで3連を入れる。最後のジャンプの着氷が流れなかった)
3S(ステップアウト)
FSSp(レベル4。もう少し途中のジャンプが高いと、もっと良くなりそう)
StSq(レベル3)
ステップに入る前に、先生がチラ映り。
「いいぞ」とでも言いたそうに、大きく頷いている。


シメはCCoSp(レベル4。最後のスタンディングポジションで流れてしまい、ツイズルのように動いてしまった)


ジャンプミスが2つと、いくつか小さなミスはあったものの、
セクショナルの時のように大きく崩れることはなかった。
出迎える先生の表情も、ショートに引き続いて明るい

先生の方が背が低く見えるが、これはフェンスに寄りかかっているからである。

キスクラに座って得点を待つ。
前日のショートの時はキスクラには背もたれのないベンチのような椅子が置いてあったが、
フリーでは背もたれのある椅子が4つになった。
そのうち両端の2つが背の高い椅子であるのはなぜだろうか。


近くを通った人が携帯電話のカメラを向けると、このように親指を立てたポーズをとる

ノービスあたりまでは、キスクラに観覧客など一般人が近づいていることがよくあるのだが、
これを日本で認めたら大変なことになるだろうなと思う

全米選手権2016ノービス男子(2)

2016-01-22 23:05:27 | フィギュアスケート
昨日の内容の付け足しだが、INの記事(レポート)には、上位3人の談話が載っている
先生の名前も『元墺国チャンピオン』という肩書きと共に載っている
ピーター君はこんなことを言っていた。
「僕は本当に、本当に嬉しい。
(今日のショートは)これまでシーズンを通してやってきたどの演技よりも遥かに良い出来だった。
すべてが上手くいった。
ジャンプも、スピンも、スケーティング(ステップ)も上手くできた。
僕はただ、自分のできる最大限のことをしただけだ」
これは昨日貼り忘れた元墺国チャンピオンとその生徒である

セクショナルの時には険しい表情だったのに、この柔和な表情は何なのだろうか
リンク係員のお姉さんも笑顔である

フリーは現地時間で18日の午後2時から行われた。
日本では翌19日の午前5時からとなる。
早起きすれば生中継で見られる時間帯なのだが、チキンなわたしは(以下略)

というわけで、ここからの部分も、後に動画で確認した内容である

ピーター君は11番滑走である。
10番目の選手の演技が終わり、リンクに出てウォームアップをしつつ待っていたが、
得点が出た後になぜかリンクから上がる。

この↑写真中央に写っている(立ち上がっている)10番滑走の選手が演技中に右手を負傷し、
その血痕がリンクに残っていたので製氷のやり直しとなったからである。
先生は係員のおじさんに「どのくらいかかりますか?」と聞いている感じである。

なお、このジュンホン・チェン選手は、リンクに待機している医療スタッフによって
治療を受けたそうである(右手を何針か縫ったとのこと)

製氷は、このようなザンボーニが2台、リンクを走り回る。

表面をザンボーニでならした後、係員が氷のかけらなどを拾う。
余談であるが、何年か前にコロラドスプリングス(米国)で行われた四大陸選手権で、
現役のリチャード・ドーンブッシュ選手がリンクの製氷をしていた。
このシーズン絶不調で、四大陸や世界選手権に出られなかったのだが、
なんとなく罰ゲームのようにも見えて気の毒だった(本人はボランティアのつもりなんだろうけれど)

製氷は8分くらいで終わり、残る2人だけのウォームアップ(やり直し)となる。
待たされている間、体が冷えてしまうので、もう一度6分間の練習時間が与えられたのである。
右側にいるのがピーター君である。

なにも、2人で並んで滑らなくてもいいのにと思う

左側のエリック・ショバーグ選手は、この中断について、後でこんなことを言っていた。
「(中断とウォームアップやり直しは)よくあることだ。
リージョナルでは、誰かの曲が上手く流れなかったり、機械の不具合を直すのに30分かかった。
その後ウォームアップのやり直しになった」

ピーター君はこの時のことについて、こう言っていた。
「(自分の演技の番が近づいてきて)僕は緊張していて、体が震えていた。
でも、製氷のやり直しになった途端、プレッシャーは消えてしまって、自信を取り戻すことができた」

6分間練習の後、フリーの再開となる。