鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

循環=内部環境の調節機構の学び~ソクラテスの魂の助産術について~

2015-08-20 11:03:20 | 解剖生理学・その他
夏季集中講義での学び。ソクラテスのしようとした事が自分なりにイメージ出来てきた様に思う。

昨夜の夏季集中講義。循環(血液、血管、心臓等)について学んだ。その中で、循環=内部環境の調節機構についてが問題となった。

循環=内部環境の調節機構には、1:圧受容器反射(血圧調節。血圧の高いのを感知し交感神経抑制、副交感神経亢進。血圧を下げる。)、2:化学受容器反射(血中酸素濃度調節。酸素量減少、二酸化炭素量上昇、水素イオン濃度上昇を感知し、呼吸、循環の促進。心拍数増加、血圧上昇。)3:心肺部受容器反射(体液量の調節。わずかな血圧の変化を感知し、低下に対してはバソプレッシンを分泌して体液量を保持、上昇に対しては、バソプレッシンの分泌を抑制して体液量を減少させる。)前二者は神経で、後者はホルモンで。との解説であった。

3の心肺部受容器反射(低圧受容器反射)について、教科書では、「低圧で受容器が動作し」とあるのを、教員の解説では、受容器は伸展受容器であるから、圧が上がったのを感知しているので、下がったのを感知している訳では無い?との解説であった。教科書と矛盾するのでは?という事で延々と。となった。

その教員との対話を通して、ソクラテスのしようとした事、魂の助産術というものの中身、イメージが描けた様に思う。

端的には、ソクラテスの魂の助産術とは、相手の論ですべてに筋を通して行くことで、相手を矛盾に陥らせる。いうことでは無いかと思えた。

別の観点から言えば、相手の論を否定するのでは無く、完成的に受け取ることの萌芽形態では無いかと思える。

では、相手の論で筋を通して行って矛盾に陥らなければ、どうするのか?それはそれで結構な事であり、「お見事!」となるのだと思う。

何故なら、ソクラテスの時代の闘論とは、現代の様に、単なる言葉遊びの闘論では無く、主として、国家の大事に関わる真理へ至る方法、術としての闘論なのであるから、その論でとことん筋を通して行って矛盾に陥らなければ、これ程に結構な事はない。それこそが求める真理へ到達出来たということであろうから。

引き続き、夏季集中講義に学んで行きたい。

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