鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

「旧・東概」まとめ(9)〜ここまでの振り返り〜

2015-10-12 20:30:20 | 鍼灸理論・東洋医学
 「旧・東概」のまとめを再開するにあたって、随分と間が空いてしまっているので、簡単に最初からを振り返ってみたい。

 「旧・東概」のまとめを行うにあたっての自身の思い・志は、「現在までに説かれている東洋医学の全体像を描きたい。」ということであった。そして、そのためには、鍼灸学校で使われる「東洋医学概論」の教科書のまとめをすることが良いとの思いから、手に入る最も旧い「東洋医学概論」の教科書(「旧・東概」のもう一つ前の教科書があるが、入手できなかった。)である「東洋医学概論」=「旧・東概」のまとめを行うこととした。

 (構想としては、学校制度の始まった当初の教科書から、現代の教科書までを順に概観するというものであったが、国家資格化以前の「東洋医学概論」の教科書は、自身で存在が確認できているものが一冊。国家資格化されて以降が、旧・「東洋医学概論」。そして二十数年ぶりに今春、全面改訂された「新版 東洋医学概論」。の三冊が存在して、そのうち入手可能な一番旧い教科書が、旧・『東洋医学概論」である。)

 「編者序」では、あんま・マッサージ・指圧師、鍼師、灸師の資格の国家資格化を重く受け止め、国民の期待に答えられるだけの、あんま・マッサージ・指圧師、鍼師、灸師を目指す学生の研鑽を!との思いから「旧・東概」が編纂されたということが説かれる。
 「序」では、東洋医学の歴史について、また、その大元を創ったのが古代中国の、医学・医術のみならず天文・暦算から土木、治水、冶金など当時のあらゆる知識・技術を持つところの、言ってみれば古代ギリシャの哲学者の古代中国版であるところの、「方士」であるということが述べられる。
  
 「第1章 基礎理論」、「1.東洋医学の起源と発達」では、「黄帝内経」の成立=<東洋医学>の成立と捉えての「黄帝内経」=<東洋医学>へと成っていくものが説かれ、その思想や原始医術を生んだ大元の社会・生活としての、数万年来の定着農耕生活=農耕文化の存在が指摘される。
 次の「2.陰陽五行論」のまとめは、陰陽五行論の<東洋医学>における具体の理解が先に必要との観点から棚上げした。

 そして、「第2章 東洋医学の人体の考え方」では、<東洋医学>では、人体が大きく<気の類><形の類><経絡類>の三重構造を持つと捉えるということが説かれ、「1.気血津液」では<気の類>が説かれ、「2.五臓六腑(蔵象)」では<形の類>が説かれる。というところまでであった。

 以上の流れを前提として、<経絡類>が説かれる「3.臓腑経絡論」のまとめを行なっていきたい。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。