「バイス」 アダム マッケイ監督 米 ☓☓☓
アメリカのジョージ W ブッシュ大統領の時代、最も権力を握っていたとされるディック チェイニーの半生を描いた社会派ドラマです。
1960年代学生だったディック(クリスチャン ベール)は飲んだくれで恋人のリン(エイミー アダムス)から強く叱責されます。その後、妻の応援も功を成し、政界にはいりラムズフェルドのもとで修行し権力の虜になっていきます。一度は政界から離れますが、息子のブッシュが大統領候補となると副大統領の誘いがかかり再び政界に君臨します。そして、911が起きるのでした。
「ろくでなし」だった男がいつのまにか人をコントロールする術を身に着けていく姿が不気味です。人間が悪くなると体型まで不健康になる姿を、体重をコントロールしてクリスチャン ベールは熱演しました。
ところで、29の「記者たち〜」でも取り上げられていたイラク戦争ですが、大量破壊兵器なんて結局嘘だったことにたいして誰か責任をとったのでしょうか。それとも日本と同じで誰も責任をとらずうやむやで政権が変わればそれでおしまいになってしまうのでしょうか。
フライフィッシングの場面が出てきましたが(制作にブラッド ピットが参加しているせいかな。「リバー・ランズ・スルー・イット」を彷彿とさせました。)エンドロールの疑似餌のデザインが楽しかったです。つまりみんな「ニセモノ」に釣られているってことですかね。
タバコは、冒頭の酔っぱらい運転で捕まる場面でタバコを咥えていました。その後も度々タバコを口にしていました。妻も子どもの前でも喫煙していて60年代とはいえそこまで忠実に再現しなくてもいいのではないでしょうか。映画製作者はタバコ会社に釣られているってことですか。