無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

百年の蔵

2019-05-08 | 2019日本語映画


「百年の蔵」 神 央(じん あきら)監督 ○ ☆

 1918年富山県魚津市から始まった「米騒動」と呼ばれる民衆の行動については、実は大きな誤解が一般に広がっている、ということを危惧した当地の人々の働きかけで制作されたドキュメンタリー映画です。
 旧日本軍のシベリア出兵という軍事行動がきっかけとなり主食のコメの価格が急騰しました。漁師町の女たちは家族に満足な食事をさせるため大きな米蔵を持つ街の実力者に「なんとかコメを値上げしないでほしい。」と懇願します。そして港に大型の蒸気船が入ると蔵から次々運び出される米俵にすがったのでした。その結果、大店の店主は運び出すことを諦め値上げをせずにコメを放出することになりました。ところが、この件を大大的に報道する新聞が引き金となり米騒動は全国に広がります。一部は暴力的になり、逮捕される事件にまで大きくなってしまい、それが今の魚津の「米騒動」に対する誤解につながっていったのでした。
 歴史的に加賀藩が困窮時にはコメを他藩に出してはならないという政策をとっていたこともあり魚津の女たちは計画的に非暴力で交渉をし、20日で平和的に解決にこぎつけました。
 漁師の息子を影で支える90歳の母親の姿と、「米騒動」について調べる女子高校生の活動をからませ、魚津の「米騒動」の真実が描かれます。登場する女性たちがそれぞれたくましく「男が漁でいないなら家族のことは女たちに任せなさい。」というパワーに溢れていました。(☆)
 バイキングで男たちがいないため女性が活躍する土壌を培ったと言われているノルウェーの女性たちと重なる部分が大いにありました。
 当時を表していたイラストが効果的でした。
 タバコは、なし。無煙です。魚津の魚市場には禁煙マークがありました。

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