意外とカメラ関係にあまり詳しくないような方には知られてなさそうなリコーのデジタルカメラですが昔から色々機種を出しているみたいです。
「リコーのカメラ」というのはキヤノンのように大衆向けという感じではないのですがフィルム時代からかなりの存在感を放っており、一眼レフも販売しておりました。コンシューマー層に手が届き始めたデジタルカメラにも早期に参入し、カシオQVシリーズと同じ回転レンズを搭載しながらカシオの数が撮れる路線とは異なり撮影枚数が少なくなる代わりに高画質という戦略を取りました。当時のデジタルカメラは皆内蔵メモリーに保存してケーブルで吸い上げという方式が一般的だったのです。その後も様々なデジタルカメラを発売しましたが、なんというかユーザーが求めていなさそうなよく言えばユニークで個性的な製品を連発してしまったからか忘れ去られていたそうです。現在はHOYAよりペンタックス イメージング事業を買収しPENTAX ミラレースQシリーズとして人気があるようです。
以前までRICHOブランドのデジタルカメラは回転レンズなど変わったギミックのものが販売されていたらしいですが、このRDC-5000は横に長い普通のカメラのような形状をしています。
以前まで回転レンズカメラなどの型番はDC始まりだったのですが、このRDC-5000は海外で使用されていたRDCシリーズに統一されました。Ricoh Digital Cameraの意味があるので しょう。
購入価格はハードオフジャンクより105円
当時の販売価格は9万9800円ととんでもない高価格が付けられていますが、当時のラインナップで最高級だったということで納得。
ジャンク箱に放り込まれていたのですが加水分解したグリップが他のジャンクデジカメに「黒くてベタベタする何か」をかなり付けていた…
ファインダー付き、左側のグリップはもともとゴムが貼り付けてありましたがでもしてしまったのか触ると手に張り付くほどベトベトになっていたのでアルコールで拭いて除去。
発売は1999年と古いのでRICOHロゴは旧ロゴとなっています。
液晶モニターは小さいながらもカバーが付いており、電源スイッチと物理的に連動することによって電源ON時にはカバーが開かれます。このような機構は後のRICOH Caplio Rシリーズのレンズカバーとしても受け継がれています(というよりこのRDCシリーズそのものがCaplio Rシリーズのご先祖様のようなものですが)。
液晶モニターは左側についており、電源スイッチをスライドすると連動してモニターカバーもスライドして電源が入ります。
ボタンはDISPLAY、MENU、ENTER、上(ズーム)、下のみ
ズームボタンは旧世紀のデジカメやかつてのエントリーモデルに多かったシーソー式ですが特別に押しにくいという訳ではないのでこれで十分です。
本体上部には解像度(画像サイズ、記録品質)切り替えスイッチ、フラッシュスイッチ、セルフタイマースイッチ、内臓メモリ/スマートメディア切り替えスイッチがあります。
当時の開発マニュアルを見てみるとスマートメディアは何というかオプション的なもので、ユーザーがかつてのデジタルカメラのように内蔵メモリーに記録してケーブルで取り出しという使用方法を想定しているように見えます。
ファインダーはそこそこ大きく割と見やすいです。
現在のコンパクトデジタルカメラではあまり見かけなくなってしまいましたがモードダイヤルがついている。画像の削除は現在のカメラのようにメニューから選択するのではなくモードダイヤルのごみ箱マークに切り替えて削除する必要があります。
モードダイヤル: 「SET UP→撮影→再生→削除→PC」
削除用に別途モードを設けるというのが珍しいですが分かれているのは現状のカメラに慣れてしまった身としては不便に感じます。しかし、友人にデジタルカメラを貸した場合に再生モードで誤って削除されないですむというメリットはあるかも…
フルサイズ一眼レフなどでしか見られなくなってしまったファインダー撮影時に威力を発揮するモノクロサブ液晶モニター。現行機で搭載されなくなったのはこの分だけ厚みが増してしまうのと、そもそも光学ファインダーを備えた機種が少なくなったからでしょう。
自分は電池持ちが悪かろうが予備電池を用意してでも液晶モニターONにして撮る派なのでこのモノクロ液晶モニターはまったく使用しないのですが付いているのと付いていないのではプレミアム感が全く違います。
CARD/INボタンが内臓メモリー/スマートメディアと保存先の切り替え、その右の電気マークみたいなのがフラッシュ、時計マークがセルフタイマー切り替え、PICボタンが記録品質(ファイン/ノーマル/エコノミー)画像サイズ切り替え(1792×1200もしくは896×600)
画像サイズはそれぞれ3つの記録品質を選ぶことができます。
RICOH ZOOM LENS搭載
f=8-18 1:2:8-3.2 光学2.3倍ズームレンズ
光学ズーム2.3倍と余裕あるレンズだからなのか明るさがほぼ変化しません。2倍ズームで一気にF4.9なんて数字にいってしまったらそれこそ残念レンズなのですが、このレンズはテレ端でもF:3.2と常識的です。
最大までズームをしてもレンズが迫り出さないのが特徴
むしろズームをするとレンズが引っ込んでいくような…
フラッシュチャージには3~5秒ほど要します。
メディアスロット、端子類はここに集まっているというスマートな設計
いくら古いデジカメといっても99年発売で既にご存じWindows 98が登場しているためUSB接続にも対応。ただし、約1万円の接続キットは別売りですが…
接続キットの対応しているOSはWindows 98のみというマック置き去りですが大した問題にはならないのでしょう。本体をデバイスとして認識させる以外にこの機種はスマートメディアに対応しているので対応しているリーダーで読ませればよいのです。ただでさえ弱いスマメを何度も抜き差しはしたくないというのが本音ですが。
ゴムのカバーの中には外部電源端子やVIDEO切り替え、PC接続端子がある。
外部電源は5Vで消費電力は5W
外部電源の端子は一般的な先が細長いアレなので汎用ACアダプターなども使用できたり便利な形状をしています。
2000年代に入ってからのデジタルカメラの外部電源端子はやたら専用端子ばかりなので困ってしまいます。
記録メディアはスマートメディア
3.3V 32MBまで対応と記録できる枚数は結構限られてきそうなスペックです。スマートメディアが3.3Vなのがまだ救いなのですが。
ちなみにスマートメディア挿入口のフタを撮影時や再生時に開けると、レンズが収納されない状態で強制シャットダウンします。メディア保護のためなのでしょう。
当時は既に5Vスマートメディアは絶滅していたため5V採用機ではないことは救いですが、32MBまでしか対応していないというのはなぁ…
ちなみに巷ではリコー機のスマートメディアフォーマット能力は強力で「スマメ持ちはリコーを持て!」という教訓があるようです。自分の場合はスマメ採用機としては後期に発売され、ファームウェアも新しいと思われるFUJIFILM FinePix S602のフォーマット能力も協力なので使いません。
32MBという数字では最高画質で50枚くらい撮れるというところでしょうか。
このカメラは当時のリコーデジタルカメララインナップで最高級だったためか画素数の少なさに目を瞑れば結構よく撮れるカメラだと思います。
なぜか最高ランクなのに台湾製というのが気になりますが以後のリコーカメラでも中国製などが多かったのでそんなものでしょう。
電源は単3形アルカリ乾電池を4本使用
メーカーはアルカリ乾電池ではなくニッケルカドミウム電池/ニッケル水素電池もしくは単3形リチウム乾電池を推奨しています。
単3形1世代前の充電式エボルタで使用しましたが30枚撮っても電池警告は出なかったので現在の電池を使用したらそれなりに持つと思われます。
液晶は世代が古いためかチラチラしてます。
RICOH RDC-5000 | ||||||
メーカー | RICOH | |||||
発売 | 1999/04/末頃 | |||||
メディア | スマートメディア3.3V(32MBまで) | |||||
センサー | 原色フィルター 1/2インチCCD 230万画素 | |||||
レンズ | RICOH ZOOM LENS F:2.8-3.1 38mm-86mm Opt×2.3 | |||||
モニター | 1.8インチTFT 11万画素(カバー付き) | |||||
電源 | 単3電池×4本(ニッケル水素電池/ニカド推奨) | |||||
手ブレ補正 | ||||||
バージョンアップ | ||||||
価格 | 99800 | |||||
その他 |
ウェブアーカイブスで当時のリコーRDC-5000のページを覗いてみると「目指したのはカメラ」だとかどれだけレンズやその他機能にお金が掛けられたか垣間見ることができます。
現在はお嫁に行った?思い出の機種ですが、自分が所持していたデジカメでは断トツに古かったり、加水分解して触れるものにストーカー化していたゴムなど色々ありましたが画質は当時の最高級機というだけあってラチュードも広く良い物でした。
嫁ぎ先?から使用していますという連絡をいただきなんとなく再投稿してみた模様。
(2014/01/06) 作成
(2014/06/29) 更新
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