光Ginjiの「後方ヨシ!」

素敵なライディングと輝く毎日を送る仲間に乾杯!

ブレーキ練習あれこれ

2005年12月11日 23時15分54秒 | ライディングのキモ
夜、なにか白いものがちらつくくらい寒かった今日ですが、やっぱりそれは東京での初雪として観測された、とニュースが報じていました。
いよいよ寒くなってまいりました。バイク乗りにとっては防寒にあれこれ知恵をめぐらせる本格的な季節の到来です。
 
 さて、本日、バイクに乗る仲間たちの会話から、バイクを意のままに扱うのはやはりブレーキがキモ、との話題になりまして、講習会やスクールではどのようなブレーキの練習があるのか、列挙してみたいと思います。皆さんはどの課題がお好みですか?

(1) 急制動
いちばんオーソドックスに行われるブレーキの練習です。スタート地点からギアを適宜、3~4速に入れて指定速度に到達した状態で定速で走行し、制動開始地点から前後ブレーキを操作して短い距離で停止するものです。
とにかくブレーキの操作が第一義なので、シフトダウンなどは伴いません。クラッチも切らなくてかまいません。エンストも可。タイヤがロックしないぎりぎりのところまでとにかく前後ブレーキを100% 使い、バイクを短く止めます。
場合によっては、「後輪のみ」「前輪のみ」「両輪」のブレーキを操作し、その停止距離の違いを実際に体験させる場合もあります。

(2) 目標制動
 通常、パイロンによって停止すべき位置が明示され、そこまでにちゃんと停止するには最低でもどこからブレーキングをしなければならないか、を体感するための課題です。慎重派の人であれば、停止位置のパイロンのかなり手前からブレーキングを開始して練習をはじめることでしょう。これは練習ですので、そこからさらにブレーキングの開始を遅らせつつも指定位置でちゃんと止まれるよう、ブレーキを強く短時間で使えるように練習します。
あくまで練習ですので、パイロン位置を超えてもやむをえません。それを超えまいとフロントブレーキを握りすぎますとフロントロックで転倒に至りやすいです。
様々な速度域で、自分に必要な制動距離を目測し、その意志どおりに停止する練習です。

(3) 旗振り制動
 発進後、ゆるやかな加速もしくは定常状態で指導員の表情をうかがいながら走行し、指導員が旗を振り下ろすのを見たらすぐにバイクを停止させます。指導員が旗を振り下ろす位置は一定ではありません。旗を振り下ろさないかもしれません。その場合は、指導員の横を通過します。
これは、バイクを停止させるのに必要な距離が、『旗を下げたのを認識し、ブレーキに指がかかり握りはじめる』間の『空走距離』ぶん伸びますので、なおさらに、バイクは急に止まれないことを思い知る練習です。

(4) 旗振り回避制動
 (3) に似ていますが、通常、指導員は真正面に立ち、右手もしくは左手の旗を上げます。指導員が適当なタイミングでどちらかの旗を振り上げますので、旗があがったほう、もしくはその反対のほうへ(事前にちゃんと説明を聞いてくださいね)回避したあと、ブレーキをかけ停止いたします。
指導員を轢かないこと。回避中はブレーキ操作をせず回避後バイクが立った状態でしっかり制動すること、右もしくは左にヤマかけしないで、判断してから操作すること、の3つが肝心です。

(5) 加速状態からの制動
 交差点の青信号で発進し加速状態のときに、いきなりファミレスの駐車場から車が出てきたときの制動を想定したものです。発進位置から加速したままの状態で停止開始位置にさしかかり、ここから急制動を行います。
加速状態なのでフロントフォークは伸び、荷重が後ろよりになっている状態からの制動ですので、フロントブレーキの握り始めが強すぎますとフロントタイヤが簡単にロックします。大切なことは、加速区間で遠慮しないこと。だってみなさん実際は交差点で隣のバイクと張り合って、ロケットスタートしますでしょ?
その状態でもブレーキを100% 使いこなさなければいけませんから。練習あるのみです。

(6) コーナリング制動
 (1)~(5)までのブレーキの練習は通常、直線路で行いますが、緩やかにカーブを描いたコーナー部分の途中にパイロンを置き、ここへ通常のカーブと同様、ある程度のバンク状態で進入してパイロンの横から制動を開始します。
バイクを起こしてから制動、とならざるをえないため、特に左カーブで速度を出しすぎて制動すると対向車線にはみ出し、右カーブで速度を出しすぎてブレーキをかけるとガードレールに張り付いてしまうことが疑似体験できるものです。

さて、他にもまだ練習のバリエーションはあると思いますが、いずれの練習でもキモに銘じなければならないのは、

 「バイクは急に止められない
 「バンクしたまま止まれない

ということです。

実際の公道や峠道では、旗を振ってくれる指導員も、目標となるパイロンも置いてありません。どこで障害物を発見し、いつからブレーキを操作するべきかを判断するのは、すべてライダーである我々自身です。

となると、どう考えてもその状況で安全に止まることができないような高い速度で得意げになってブッ飛ばすのは、他者をも巻き込む可能性のある極悪の『自滅行為』である、ということです。

交通のスローガンでは「ゆっくり走りましょう」と良く言われますが、そのコトバが陳腐にならないためにも、クローズドな場所で行われるスクールや講習会で、まさにこれらの『実体験』を重ね、カラダでブレーキの妙味を覚えなければいけません。

さらにこれからの季節、路面温度は一段と低くタイヤのグリップ力は低下、場合によっては道路の凍結なども起き得ます。ブレーキング条件としてはますます悪化するこの季節、せわしい師走ながらもブレーキには尚一層の余裕をもって臨みたいと思います。



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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありゃりゃ (ちろ)
2005-12-12 18:28:42
光Ginjiさん、こんばんは~。

お好みもなにも ブレーキの練習ってこんなにあったんですね!(1)と(2)しかやったことない私なんてまだ”人を轢く”または”事故を起こす”アブナイ人かもしれません。

気を引き締めねば
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いろいろ (光Ginji)
2005-12-12 21:24:58
こんにちは~。

まだパターンとしてはいろいろありますよきっと。究極の目的は、運転中のいついかなる状況下でもブレーキの効き目を100%引き出すこと、なのですが、それと同時に、ブレーキの性能を100%引き出さなければならないような運転を避けるようになること、も大きな目的といえます。

かようにブレーキは、語っても語っても語りきれないくらいオートバイでいちばん難しいものだと思うのです。
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キ・ラ・イ (ゆかり)
2005-12-12 22:20:35
ブレーキ嫌いー

ずーっと前、初級。

担当、N口さん。

急制動で「片手でやってみましょー」って

な~んにも考えず片手でブレーキ

バイクの上で、でんぐり返ししそうになった

N口さん違ーう チガウ 恐かった

でも、土曜日短い距離だけど前ブレーキだけ後ろブレーキだけ前後使うでやってみたら、なんか分かった。

これだけ、使えるんだなって。ホントに分かってるんだろうか
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冬のブレーキは (@sushi)
2005-12-12 22:20:44
光Ginjiさん、こんにちは。

私は昨日は仲間内恒例の房総半島ツーリングに行ってきましたが、ともかく寒かったです。

これだけ冷えるとご指摘の通り、ブレーキがかかりにくくなりますねえ

休むとすぐタイヤが冷えるし、走った後でもタイヤのセンターは少し暖まりますが、サイドは冷たいままですもんね

本当に冬のブレーキは気をつけなければ。

あと、手足がかじかんでいるので、ガッツンブレーキになりやすくなりますね。林道で対向車が来ると、実際には余裕があっても、つい踏みすぎてロックしたりします。しばらくお休みしようかなア

などど思いながら帰ってきました。
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ファイト! (光Ginji)
2005-12-12 23:23:30
こんにちは~。ゆかりさん、そうなんですよ、ブレーキの練習自体は華々しくなく、地道なものですけど、大切なんですよね。これ、上級になったから要らない、とか、初級だから重要、とかじゃなく、「いつも常に重要」ですもん。

リアとフロントを別々にかける練習は、やっぱり定期的に必要だし有意義だと思います。そうすると、いかに自分がブレーキングに支えられて走っているか、を思い知らされますからね。

@sushi さん、手足の「かじかみ」は危険ですらあります。冬の高速道路上での交通事故の事例で、寒さで右手がうまく使えずブレーキングで追突、転倒した二輪ライダーの事故の例もありますから、冬はやっぱり難儀な季節です。

慎重すぎるほど慎重でちょうど良いくらいですね。
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ブレーキ!! (m@TL×M)
2005-12-13 12:45:19
 こないだ、夜、初雪の中、右車線から急に私の前を左のお店に入ろうと思い立ったかのような横切りの車!!!無意識に踏んだリアブレーキが強すぎて、リアがスル~ン、スル~ン。

でも、この感触って、レッスンのリアロックの練習で経験済みでしたから、まったくあわてる事なく解除できました。この怖がりの私が「あ、滑ったな。」と平然。やっぱり、レッスンって有難いと実感した次第デシタ!!
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m@TL×Mさん (光Ginji)
2005-12-14 00:43:43
こんにちは~。

その経験こそ、スクールが実際に生きた瞬間ですね。転倒もなく良かったですね。

おそらくそのコンマ数秒に、スクールで得たかけがえのない成果が凝縮された、と言えます。この喜びと意義をひとりでも多くのライダーに知ってもらいたい、と切に願う次第です!
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