光Ginjiの「後方ヨシ!」

素敵なライディングと輝く毎日を送る仲間に乾杯!

まず、止まること。

2005年11月19日 01時16分09秒 | ライディングのキモ
綺麗な月夜です。こうこうと。
空気が澄んで、ピンと張り詰めてます。お気に入りのジャケットをはおって、走り出したい秋の夜、ですね。アクセルもいつもより多めに開きそうです。

で、思いついたテーマはブレーキです。何はなくとも、まず止まること。これ超重要。速く走るためには、ブレーキを完全に使いこなさなければなりません。
路面とタイヤの最大摩擦力を完全に引き出し、理論値に最も近い短距離で速度を自在に制御できてはじめて、アクセルを思い切り開けられる、
というものです。

ちょうど、昨年の夏に NHK 教育テレビで「趣味悠々・中高年のためのツーリング入門」という番組が好評を博しましたが、この番組の中で、平忠彦さんがおっしゃった「フロントブレーキをかけたときのタイヤがつぶれる感じを感じてください」というアドバイスに非常に感銘をうけました。これぞ世界の頂点で、ブレーキを限界まで使いこなした方のお言葉なんだ、と。

ブレーキをかけるとき、とくに講習会やスクールなど、「パイロンまできたらぎゅうーっとブレーキをかけて止まってくださ~い」の課題に慣れすぎると、えてして、パイロンのところで「うおりゃ~っ」とばかりに息を止め、「クソ握り、クソ踏み」に陥ってしまっている方はいませんか?もしくは、「ムンクの叫び」状態で、酸素不足の金魚のごとく、ブレーキと格闘してしまっていませんか?

ブレーキは親のカタキではなく、僕たちの力強い見方です。いまいちど、ブレーキを掛けたときに起きる車体の変化、サスの沈み込み、荷重のかかる方向の変化、そしてタイヤのつぶれ、を手に取るように理解できているかどうか、確認してみましょう。バイクと自分は、しっかり対話できているかな? タイヤと路面の接地面からの声が聞こえているかな、などなど。

そんなブレーキの練習を公道で行うのはリスクが高すぎます。よって、スクールや講習会で十分に練習を積むのがマル、なんですが、上にも書いたように、「練習のための練習」に陥っちゃだめですよね。公道では、車や自転車が飛び出してくるときにパイロンが置いてあったり旗が振られるわけではありませんから。

それでもなお練習が必要なのは、結局はカラダで覚える。それしかないからですかねやはり。前後のブレーキを7:3で使う、とかいう「知識」をとっさの場合に具現することなど普通は無理です。前も後ろも100使い切って急制動する以外に手はないんです。無意識で100使えるかどうかを決めるのは、やはり日ごろの練習です。

そして、極力、100使わざるを得ない状況を作らないことが何より大事であります。

こんな月夜の晩は、そんなことを考えながら、優しく走りたいですね。

で、画像は今年の白バイ大会の女子選手の部、奈良県の選手の方です。見事にアタマは路面に対し水平を保っていながら、最大のリーンインが決まっています。目線、大事ですね!

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ブレーキ、ダメ ダメ (ゆかり)
2005-11-19 10:13:59
初級では、絶対やる「急制動」



一番大事なんだけど、一番イヤ



本当、もっとブレーキが上手に使えたら

もっと走りもスムーズ??

になるのになぁ
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遅ればせながら・・ (ちろ)
2005-11-19 11:08:26
ブログ開設おめでとうございます!

いよいよ本領発揮、ですね~。



なんとなく走って、なんとなく止まって(←今の私)・・じゃなく、

頭で理解して、カラダで覚えるブレーキング。



ますます奥が深い世界だな。







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ブレーキ (つるばら)
2005-11-19 20:46:16
「前ブレーキ、もっと使えるよ」

言われちゃいましたね、私も。

ブレーキの性能も、十分に使いこなせるようになりたいと、最近は思っております。

もちろん、ブレーキの限界性能に頼るような運転は論外ですけど。
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練習すればダイジョブ! (光Ginji)
2005-11-19 21:54:45
ゆかりさん:

そうなんです。地味~な練習だし、思い切って頑張りすぎるとロックしてコケそうになるし、ブレーキはタフな課題です。でも、開けたアクセルの後始末をしっかり行うブレーキを好きになれば、アクセルももっと開けられるし、なによりバイク制御の幅が広がりますね!プラス思考で頑張ればモノになりますよ!



ちろさん:

受動的な操作から能動的な操作へ。

その脱皮ができたとき、「バイクに乗せられる」状態から、「バイクに乗る」状態へと変化するのです。ブレーキはさらに、止まる目的のブレーキ以外にも、曲がるためのブレーキや、安定を得るためのブレーキもありますし、ブレーキの掛け方以外に同じくらいリリースのしかたの難しさがあります。機会をみつけて、酒びんやお猪口をパイロンに見立ててあれこれ議論しましょう。



つるばらさん:

前ブレーキ、100使うには練習の過程で、105とか110握ってロック状態からリリースする経験が必須になってしまいます。コワいですよこの練習。リリースを身構えていても、やっぱりコワい。そのコワさの中でも、「ここまで握るのは大丈夫」という確かな手ごたえと、「この挙動がくればヤバい」を会得するには、練習あるのみです。

「能ある鷹は爪を隠す」

ほんとうに使えるブレーキをモノにしたライダーは、普段はそれを必要とする運転をしなくなりますね。
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遅ればせながら (ますこ)
2005-11-19 22:25:58
ブログ開設おめでとうございます。



ブレーキですか・・・・・。

講習会に何十回も参加して、自分で一番上手になったと思っているのが「直進」、でその次が「ブレーキ」かな? けど、もっと上達したのが、危険を予知する運転。おかげで、公道上でのきついブレーキが若いころに比べてずいぶんと減りました。



別件ですが、今のメイン車両も来年の夏で丸9年。機種更新に備えて、一生懸命貯金してま~す。
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こんにちは~ (光Ginji)
2005-11-19 23:07:42
ますこさんこんにちは。

「バイクは急には止まれない!」これ、カラダで知ることができれば必然的に無茶な飛ばし方はしなくなりますよね。空走距離と制動距離を身をもって体験し、その意味を考えること、これも講習の目的のひとつですもんね。70Km/hくらいから「とりゃーっ!」と止まって振り返ったとき、自分がいかにパイロンを通り過ぎて遠くまで来ているかを思い知る、それは大きな収穫です。

ブレーキはほかにも書きたいこと、いっぱいあります。加速状態からのブレーキのこと、Fフォークの縮め方のこと…。

乞うご期待ください って、自分にも気合をいれてます。
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おや、光Kinji師匠も白バイ大会に (FC)
2005-11-20 22:50:39
行ったのですね。

この奈良のホワイトバンビーズの方はリーンインが決まってますが、男子を含め、完璧なリーンインは数えるほどしかいませんでした。

体、お尻はインしてても、頭がステアリングヘッド延長上にある「なんちゃってイン」の方が非常に多かったです。

これはウエットコンディションによるところが多いと思いますが、この現実をみて、ひょっとすると、すべりやすい路面では、すべった時のコントロールしやすい(すべったときの車体状態が把握しやすい)ウイズが有効なのかなと感じた次第です。



おそらく、来年でこのVFR750Pも見納めになると思います。(再来年から800Pらしい)

ドライコンディションでの150秒のバトルでその雄姿を見納めにしたいものです。
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うむ。 (光Ginji)
2005-11-20 23:00:43
FCさん、Kin じゃなくて Gin ですが、それはともかく、白バイの極端なまでのリーンインは、第一義が「接地しないこと」にありますので、トレードオフの関係として、リアの接地感や、とっさの操作を犠牲にしているわけです。

一般のストリートライディングでは、基本はウィズであることは間違いないです。ぼく自身GSF750のようなステップが接地しやすいバイクで何年も練習を重ねた上で身に付いたリーンイン型のフォームをHMSではことごとく否定されましたから。「そのフォームではリアのトラクションを感じ取れないはず。」と。

本質的には、接地を避けつつタイムを削るには、フォームでごまかすのではなくライン取りとリーンそのものの速度と転回からの脱出で最適解を見出す必要があります。それがぼくら一般ライダーにとっての望ましい方向性だと思っています。
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同感です。 (FC)
2005-11-21 22:18:50
ただ、3年前のドライコンディションの白バイ大会で、某選手はリーンインセクションでリヤが外側に逃げようとホッピングするのを押さえつけて豪快に曲がってました。(映像がないのが非常に残念。)

あんなに体を倒しこんでも、トラクションを感じられる何かがきっとあるんですよね。

何人かの隊員に聞いても、「こうやって曲がれとしか教わってないからと....」教えてくれません。というか、言葉にできないのかも。

つくづくライディングの奥深さを感じるものです。
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