光Ginjiの「後方ヨシ!」

素敵なライディングと輝く毎日を送る仲間に乾杯!

クラッチのおはなし

2005年11月30日 00時11分29秒 | バイクあれこれ
今日は夜になって風向が北寄りとなり、向かい風の中をヒーヒー言いながら通常時の3分落ちで自転車漕いで帰宅してまいりました。

さて、こういう日はクラッチのお話をするに限ります(なんでやねん)。 数日前に右足のブレーキペダル、左足のチェンジペダルのネタを展開しましたので、こんどはハンドル周りのポジションを自分にぴったり合わせて、バイクがカラダの一部となるように微調整しましょうね。

そもそも、クラッチって何でしょうね。「切る」とか「つなぐ」とか言いますが。
カタカナで知られたコトバになっちゃってますが、clutch は、「つかむ、捕らえる」という意味ですので、

 エンジンの回転を『つかんで』後輪に伝える

ということになりますね。 クラッチが完全につながっていればエンジンの回転は100%『つかまれて』後輪に伝わり、クラッチレバーを完全に握れば、エンジンの回転を『つかむのを止めて』後輪へは伝えないようにし、エンジンだけ空回りさせてやる、ということになります。

実際にエンジンの回転を『つかんで』いるのは、レバーで握った先にある「クラッチ板」という回転する複数枚のこすれあう円盤なのですが、その円盤どうしのこすれ具合を3つに大別することで、クラッチの動作を理解することができます。

・ぴったりくっつき、一緒にまわる クラッチはつながっている
・円盤どうし離れあって、こすれていない クラッチは切れている
・ほどよくこすれあっている 半クラッチの状態

これらのなかでストリート走行で大切なのは、やはり、

 「自由自在にクラッチを切ったり、どんぴしゃの半クラッチ状態を作ること」

ですので、クラッチレバーを自分にとって「自然な位置」で捜査できるような角度に取り付けてやることが必要です。クラッチレバーが妙に下向き過ぎていたり、上向き過ぎていたりすると、昨日の僕ではありませんが手首を傷めます。

基本は水平よりやや下向き、そっとハンドルとレバーの上に手をおいて肩から指先までが自然な直線を描くような高さに角度を定めます。写真はトリッカーのクラッチレバー部ですが写真中央、ミラーの付け根の直下のプラスネジを2本、プラスドライバーの#2番で緩めて調整します。

角度が定まったら、次はレバーを握って離して、握って離して、をくりかえしてみて、

・レバーを握り切ったらクラッチが完全に切れる
・レバーから手を離したらクラッチが完全につながる

のいずれも守られる範囲のなかで、自分にあった「遊び」の量を調節します。遊びは、メンテ本には「レバー先端で1~1.5cm」という風に書いてありますが、人によって好みがありますので、写真の右下よりの銀色の大きな切れ込みの入った丸いロックナットを緩め、小さいほうの丸い部分を時計回りにねじ込んだり、反時計まわりに引き出したりして、気持ちのよい握り心地のところを探します。
気持ちよい塩梅の位置が決まったら、丸いロックナットを締めこんで調整終了、となります。

このレバーの調整の場合も、ペダル調整のときと同じく実際にライディングで使うグローブをはめて行うとなお良いですね。

半クラッチは、とくに渋滞時に極低速で安定して走行するためには欠かせない操作です。クラッチの「つながる」と「切れる」の間の半クラッチは、実は「ちょっとつながっている」「半分くらいつながっている」「多少滑っている」などを中心にして、何段階もの『つながり加減』があり、これをどれだけモノにするか、によって、あなたの低速走行の安定感が格段に増すことになります。

そういう微妙な操作を可能にするのは、やはりこのような、こまめなレバーのポジション調整が第一歩、というわけです。 ビバ、半クラッチ です!

筋肉痛

2005年11月28日 23時51分42秒 | 日記
週末の二日間で3つのスクール(トライアル、サンセット、中上級)をハシゴし、大変充実して学ぶことが多かったわけですが、お約束の『筋肉痛』の猛攻撃を食らっております。

以前、バイクの乗車姿勢について書いたときに、「上体は一度大きく息を吸って、それを吐き切った状態でハンドルに軽く手を添えて」と書きましたが、もしこのポジションがきっちりできているようであれば、肩や腕、背中が痛くなることはないわけです。でも実際は、何がしか上体が痛くなりがちですよね。ツーリングなどの長距離ライドでは、同じ姿勢を長く続けがちなこともあって、「背中が凝る」こともありますから、積極的に休憩時にはストレッチなど取り入れたいですよね。

さて今回、僕は2箇所に大きな痛みを抱えてしまいました。一箇所はご存知、ニーグリップによる太ももの付け根(股関節)です。これは、何年練習を続けていても必ず筋肉痛になってしまいます。体重が重いだけに、ニーグリップも強力でなければならない運命なのです。

それと今回、久々にトライアルでスタンディングを長くつづけたことが効き、右手に腱鞘炎っぽい痛みを抱えてしまい、この週末まで尾を引きそうな、嫌~な痛みなので、前から気になっていた

  「バンテリン配合」

という、一枚あたりの値段がサロンパスの5倍くらいする膏薬を買って貼付してみました。この週末は2005年の総決算に近いカタチで練習を畳み込むつもりですので、万全のコンディションで臨みたいのです。

プラセボ効果でもなんでも良いので、効いてくれることを望んでいます。さて、どうなりますやら。

それではみなさんなさい

浜名湖HMS・オンロード中上級

2005年11月27日 23時04分09秒 | 浜名湖レインボー
パイロンの周りを楽しく回る道に足を踏み入れて早数年、僕はフルロックで小さく回るタイトなターンが大好きです。しかもそれを、車格としては不利なリッターバイクでシビアなラインに間違いなくタイヤを通し、回り終わってどっかんトルクでズドン!と立ち上がるのが大好きな乗り方スタイルです。

さて、そんなわけで浜名湖ツーリング(?)の二日目は、昨日のトライアルから一転、新型 CB1300 を使ってのオンロード中上級に参加しました。今日も快晴のお日様さんさん、ですが、湖面をわたる風は十分に冷涼で、いよいよ冬の到来を物語る晴天のなか、僕はいい汗をかいてきました。(つくづく自分は汗っかきだと思います。他の人、汗かいてないんだよね…。ちなみにヘルメットの内装は昨日ホテルでちゃんと洗って乾燥させました。マルコーインは、洗濯ピンチが部屋に常備なのがたいへんありがたいのです僕としては)

最近、浜名湖レインボーには新車のCB1300が5台配備されまして、アップハン好きの僕にはとても朗報なのです。先に投入されていたCB1300の2台は、そろそろ車輌や原動機に疲れが見えはじめていましたから…。

ところがこの新車、これまでにない大きな『個性』を備えた車両たちでした。
それは、この写真が物語っていますが、いわゆる「ABS付き車両」だったんです!
常連のみなさんに話を聞く限り、みなさん一様に、「あれダメ」の烙印一点張りでした。

光Ginjiがストイックに標榜するポリシーとして、

  「いかなる車両の異なる特性においても、最大のパフォーマンスを発揮するか否かは、乗り手のスキルが決定する」

があるわけでして、はい、果敢にチャレンジさせて頂きました。

走り出して数分。スラロームのペースをあげてしばらくし、思ったこと。

  「なるほど。こんなにリアのABSが簡単に作動するのか

ということです。FブレーキをかけてFフォークを沈めながらリアブレーキを使うと、荷重が前に移ったリアタイヤは瞬時的な、ミクロなロック寸前の状態の様相を呈するのでしょう。非常に鋭敏にセットアップされたCB1300のリアABSは、その状態を敏感に検知し、ABSを作動させてしまうのでした。
結果として、狙ったポイントより微妙に前へきてから所望の速度になるか、もしくはそのポイントでは想定以上の車速のまま進入してしまうか、のいずれかになり、向き換えが遅れてしまう傾向を誘発してしまうのでした。

ABSは作動すると、そのキックバック(「ガタガタガタ…」という振動)が伝わるのですが、右足で、梱包材の「ぷちぷち」(通常は指でつぶすアレ)を踏みつけている感じです。か~な~り違和感がありましたが、僕自身はそれ以上に、「新車」であるがゆえの原動機の快調さとコシのあるサスの動きが嬉しくて、今日の練習を十二分にエンジョイすることができました。本日の走行距離、62.7Km。
そのうち8の字、6 km弱。

***

なんだか、ABSを悪く書いてしまったような記事になってしまいましたが、これは一般的に見れば、マイノリティ的な捕らえ方だと思います。ライダーが公道で出会う「とっさの場面」では、いかに鍛錬を積んだライダーでも特に右足は、

  「クソ踏み」

してしまうことでしょう。右手だって、「クソ握り→フロントから転倒」になる可能性も大です。そういうリスクが非常に大きな場合に対して、ABSが大きな保険であることは間違いありません。「備えあれば憂いなし」ということですね。でも、もっとも大切なのは「憂い」を招くような局面を招かないことであります。

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「遅い、寝てない、開けてない」克服の日まで、光Ginji の試練の道は続く…

浜名湖HMS・トライアル入門

2005年11月26日 22時59分07秒 | 浜名湖レインボー
みなさんこんにちは。
このブログに「浜名湖レインボー」というカテゴリーを作ったのは良いものの、長らくコンテンツが0件でしたが、本日、浜名湖でチームマリのスクールに参加してきました。というのは妄想のなせる業ですが、正確には、同じ浜名湖レインボーでの開催である、トライアル入門に参加してきました。

#肝心の「レインボー埼玉」のコンテンツが0件なのは、来週、解決されますので、今しばらくご容赦ください>関係者各位。

トライアル、これはもう、純粋に楽しいです。速さを競わず、正確さを極めるそのストイックさ、これはもう光Ginji は1も2もなく魅了されております。
オンロード、オフロードいずれにも通じる、汎用的なバイク操作の繊細さの結晶であるトライアル。足をつかずに、正確にラインをトレースしてセクションを通過していくその頭脳&操作ゲーム。これはもう、至福の楽しみですね。

バイクのライディングには、各自の持つ「引き出しの多さ」がその巧拙を左右すると言われます。千変万化のライディング状況にあわせた的確な乗り方を行い、安全でステディな走りを実現するには、オンもオフも含めいろいろなライディングを経験することが有効なのですが、中でもストリートでのライディング、ツーリングに直接役立つバイクの『操作』の丁寧さを身に着けるのには、トライアル車での練習、これほんとに有効だと思います。

さらに、やはりバイクライディングに多大な影響をもたらす『メンタル要素』、すなわち『精神状態』がどのように走りにあらわれるか、をもっとも良く知ることができるのもトライアルです。

みなさん、たとえばツーリング中に知らない町へ迷いこんだり、地図で見ても今どこを走っているかわからなくなったときに、非常に不安になって注意力もおろそかになり、走りそのものがすごく不安定になったことはありませんか?
これこそ、メンタル面での不安が、ライディングにマイナスの形であらわれてしまう典型的な例です。

トライアルは、まさにこのメンタル要素と集中力の「凝縮」でして、攻略の難しいセクションに対し、「行けないカモ…」なんて思って走ったら、まず間違いなく、失敗します。最高に集中力を高め、「うまく行く」イメージを描きながらの走りを実現して、ようやくそのセクションがクリアできる、ということにつながります。

『案ずるより生むは易し』ぜひみなさんもスクールでいろいろなライディングにチャレンジし、バイクライフを豊かで充実したものにしましょう!
具体的な内容は、僕のページのリンクから、レインボーへ飛んで、じっくり研究してみてください。新しい発見があり世界が広がることは間違いありません。

湖畔の妖精を訪ねて…

2005年11月25日 23時40分29秒 | バイクあれこれ
今週は、水曜が休みだったのでもう週末。早いですね。
ライダーのみなさんは週末、どちらへ行かれるのでしょうか?幸い、関東圏はお天気は大丈夫そうです。本格的な冬の来る前にまだちょっと時間がありますので、晩秋の紅葉を探しに山へ繰り出す方も多そうです

今日は小ネタをひとつ。「ライダーは峠と湖、そして『先端』が大好き。」
まぁ、いわゆる走り屋ならずとも、コーナーのある峠、はライダーなら程度の差こそあれ、好きなところのひとつですが、それ以外のライダーに関する定説として、

   「とんがった岬と湖が大好き」

という共通の嗜好性があるようです。「本州最南端・潮岬」とか、「地球が丸く見える犬吠崎」とかを目指したことあるひと、その場で挙手してください

また、北海道旅行で、「摩周湖」「洞爺湖」「阿寒湖」を含め、「○○湖」を5つ以上巡ったことのあるライダーも結構いると確信しますが、いかがでしょう

ライダーは、孤独でナイーブで、ロマンチストなんですよね。
湖のほとりでキャンプをし、静かな湖面を眺めながら、スキットルのウイスキーを舐めつつ焚き木の炎をぼんやり眺めていると、湖畔のそばの林から、美しい妖精が現われて、素敵な一夜を過ごすことになるだろう…というほのかな期待を抱いて、若きライダーは旅にでるのでしょう。

#…って、それは若き日の僕だけですかね?

というわけで、みなさん、Have a good weekend!!

ステルスや忍者にならぬよう…

2005年11月25日 00時24分06秒 | 自転車
日ましに寒くなっていますが、ここのところ晴れの日が続いて、昼間は気持ちがいいですね。
僕はバイクが好きで長年乗っていますが、その原点はやはり「自転車」なんです。ハタチでバイクに乗り始めてしばらく自転車から離れていましたが、うちで子供の幼稚園への送迎のためにママチャリを買った4年前、「あ、やっぱり自転車面白いやん!」ということで「原点回帰」とあいなりました。

子供のころもサイクリング車に興味があって、親に「買って欲しい」とねだったのですが、「高いのはダメ!」ということで『ユーラシア』ではなく格下の『ロードマン』になった苦い潜在意識が働いたのか、あれこれスポーツ車のカタログや雑誌の記事を見て研究すればするほど、より高い自転車に目が向くようになってしまいました。
いわゆる「目だけ肥える」ってやつですね。で、結局、ヨメには正直に言えないくらいの、ある程度の投資をして購入したロード車を、現在、通勤につかっている、という次第です。通勤は、東京と神奈川の境を流れる多摩川沿いのサイクリングロードを30分、一般道を25分、という感じで片道小一時間ほどなのですが、朝遅く夜も遅いライフスタイルの僕は、会社からの帰路は、かならず夜間走行となるのです。そして多摩川沿いのサイクリングロードは、街灯も少なく、おまけに土手沿いの車道を走るクルマのライトがまぶしくて、「幻惑」と「蒸発現象」が起きまくる、とても劣悪な環境下での走行を強いられます。僕の自転車には、充電式の強力なハロゲン灯をつけていますが、車道をこっちへ向かって走るワンボックスのHIDライトのハイビームを食らった日にゃあ、前方は何も見えなくなります。

そんな多摩川サイクリングロードで毎晩思うことは「被視認性」、つまり

  「他からの見られやすさ」

です。サイクリングロードは、ジョギングをする人も利用するんですが、ここに大きな危険が潜んでいます。それは、

  「黒い服のランナーは、全然見えない」

ことなんですね。こちらは自転車で十分気をつけながら走っていても、黒いウエアの人は、上述の「幻惑」なんかが起きたときには、直前までぜんぜんその存在に気づけないことがあります。濃紺や濃い灰色のスーツを着て帰宅途中のサラリーマンも同様です。「全然みえません。」が、ご本人たちは自分のウエアの色のせいで、他から見られにくい、ということを残念ながらあまりわかっていないようです。

反対に、白が基調のウエアに、反射テープを効果的にあしらったウエアでジョギングしている人にあうと、「むむ、なかなかヤルね!」と拍手を送りたくなります。
暗闇では、白、もしくは蛍光黄色以外の色はくすんで、ほんとうに見えにくいんです。もし、夜に健康のためジョギングをなさる方、ぜひとも白いウエアに蛍光テープ入りのシューズでクルマから見られやすくして、自らの安全を守ってくださいね。

***

 さて、同じことはバイクでも言えます。真っ黒なレザーで上下固めて乗るのも悪くはないですが、被視認性、という点でハンディを背負っていることは自覚する必要があると思います。そういうときはいつも以上に、四輪の死角に入らない、クルマの運転手が、クルマのミラー越しに見えるポジションを走る(アイ・コンタクト) などを心がけて、ステルスや忍者にならぬよう、気をつけないといけませんね。

「ナイトライダー、音は静かに、見かけは派手に」

が、クルマに見られるコツだと思います。特に夜は、重大事故の起きることの多い時間帯でもありますから、

「相手をよく見て、自分をよく見せて、優しい運転、秋の夜長」

でいきたいものですね。



完敗…

2005年11月24日 12時54分58秒 | 日記
子供に頼まれた「じんせーエンジョイ・たまごっちプラス」、ネット通販で今日の12:00販売開始だったので、万全の体制で仕事しながらスタンバイしましたが、あえなく撃沈。買い物カゴには入ったのに、「決済」画面がなかなか繋がらず、リロードが成功したときには既に売り切れでした。おそらくサイバーテロなみにトラフィックが集中したんでしょうなあきっと。
…うむむ。こういうのは「お金を積んで」オークションでゲットするのは個人的な信条としていまひとつ達成感がないので、次、頑張るぞ…ってこれ、見事にバンダイと楽天の術中に嵌ってるやん。

Try to do it yourself!

2005年11月23日 22時17分15秒 | バイクあれこれ
ここ何日か、バイクのペダル調整など書いてみましたが、ここはひとつ、それらの作業を行うには欠かせない、『工具』についてのイロハを考えて見ましょう。

バイクの整備と工具はもちろん切っても切れない関係で、「どんな整備を行うことができるか」、は、「どんな工具を使うことができるか?」に密接に関係します。
これは言い換えれば、「どんな整備をしたいか?」によって、「どんな工具を揃えるべきか?」につながるもの、と言えます。
もちろん、整備に手馴れた人になりますと、ごく基本的な工具だけでかなりの作業を済ませてしまいますが、そういうエキスパートの例は別として、

  『まず、何を揃えればいいの?』

についての面から考えて見ましょう。

工具の買い方、揃え方のアプローチには大きくわけて二つあるでしょう。

(1) トップダウン的な揃え方
 - 「工具セット」をポンと買う。
 - たとえば KTC のセット、SP忠男の工具セット、工具ショップオリジナルのセットなど
 - メリット: 必要な工具が、ほぼ一度で揃うこと。単品で買うより合計で安価なこと
 - デメリット: 不必要な工具も含まれること、自分のバイクでは必要になる特殊な工具を買い足す必要があること

 - デメリット: 自分でセットの組内容を選びにくいこと

(2) ボトムアップ的な揃え方
 - 単品で工具をひとつひとつ買っていくこと
 - メリット:工具の種類それぞれで、好きなブランドを自由に買って行けること(レンチはスタビレー、ドライバーはKTC、六角レンチはPB、ペンチ類はクニペックス…等)
 - メリット: 自分のバイクに必要な工具のみをピンポイントで買い揃えていけること。
 - メリット: お気に入りの工具で揃えていくため、愛着がわくこと
 - デメリット: 気が付くと、合計でものすごい金額を工具に費やしていること
 - デメリット: いろいろなブランドの工具が欲しくなり、「重複を承知で無駄買い」したり「ほとんど使用しない工具も揃える」ようになること
 - デメリット: 工具を買うのが「手段」ではなく「収集の目的」になること

なんていう感じの pros and cons があります。特に(2)を読んで、ニヤッとしたあなたは、僕とおなじ「工具マニア」かもしれません。そういう人、です。

ええと、それでは、「これからとにかく少しずつでも自分でメンテを覚えたい」という場合は、(1) と (2) のどちらが良いでしょう?
これはもう、個々人の選択にゆだねられますが、ぼくの個人的な思いとしては、(2)を基本にしたほうが、趣味としてのバイクとメンテの楽しみが強く長くエンジョイできるような気がします。

その場合、「どの工具を買うと良いか」をいちばん身近に教えてくれるのは、

  「車載工具」

である、と僕は感じます。すなわち、バイクに積んである工具と同じ種類の、「しっかりした工具」を買い揃えていき、これを基本メンテのための工具として用いるのです。
この買い方ですと、最低限必要な、かつ、そのバイクに特有なサイズのものも含めてピンポイントでばっちり工具を揃えていけるでしょう。

車載工具は、ほんとうにあくまで「非常用」です。ネジやボルトが「なんとか緩めてなんとか締められる(かもしれない)」程度のもの、と基本的に考えて良いと思います。もっと言うと、車載工具を下手な使い方をしてしまうと、ボルトのアタマをなめたり傷つけたり、必要な締め付けトルクを与えられなかったり、作業がひどくやりにくくて余計な力を入れてしまい、勢いあまって作業中にケガをする可能性まであるのです。
(車載工具でリアのアクスルシャフトを緩めてチェーン引きする、などは、ボブサップなみの腕力が必要となるシーンのひとつです。)

そこでまずは、車載工具にならって、本格的な工具を揃えていきましょう!というおススメのお話でした。

「工具のことをもっと勉強したい!」という場合は、最近、かなり多くの単行本が「工具 メンテナンス」で検索にひっかかるようになってきましたし、「モトメンテナンス」誌などバイク雑誌以外にも、「オートメカニック」など月刊誌、もしくはその季刊などを本屋で見つけることが容易になりました。
また、最近では工具屋さんもファクトリーギアやワールドインポートツールズ、エイビットなど、明るくて買いやすい専門店も増えましたし、通販も充実しています。

秋の夜長、お気に入りの工具を手に、バイクをもっと身近に感じてみませんか



ギアがちゃがちゃ考

2005年11月23日 00時03分45秒 | バイクあれこれ
昨日は、右足で操作するブレーキペダルをとりあげましたので、バランスよく今日は左足のシフトペダルを考えたいと思います。

思うに、左のシフトペダルは右足と違って、ペダルの上からも踏む操作をしますし、ペダルの下から掻き上げる操作もしますので、上げ過ぎも下げ過ぎもよろしくありません。それに、上げ/下げ過ぎるとギアチェンジそのものがスムーズに行えなくなりますしね。

写真はヤマハのトリッカーのチェンジペダルです。写真中央の「丸い円盤」を境にして、両端のシャフトには正ネジと逆ネジが切ってありますので、円盤の両側のボルトをスパナで緩めておいて円盤を回し、ペダルのゴムの踏面の高さをお好みの高さにセットしたら、両側のボルトを締めて固定する、というわけです。
このとき、片側が逆ネジ、ということを忘れていると、どっちも反時計まわりに回して緩めようとして馬鹿力をかけてしまい、ネジ切ってしまう恐れがありますのでご注意ください。どっちが逆ネジかわからなくなったら、はやる気持ちを抑え、じーっとねじ山を見て、緩める方法を見定めましょう。

#猪突猛進は、バイク整備でも恋愛でも、得てして失敗を招く場合があります。
#「押してもだめなら引いてみな。」ですね。

で、シフトペダルの位置は、バイクをセンタースタンドなどで立て、日ごろバイクに乗るパンツとブーツを着用した上でバイクにまたがり、「乗車姿勢7つのポイント」を守ったフォームをとったときに、ブーツの底にペダルの踏面が触れるかふれないかの位置にセットします。
「ペダルに触れまい」として足首を曲げなければならないのはペダルが高すぎで、ギアをかき上げるために足先をものすごく下に下げてペダルを上げなければならないのは下げ過ぎです。微調整を繰り返しながら、根気よく、ミリ単位でお好みの場所を探っていきましょう。

さて、このようにして自分ごのみの高さに揃えたブレーキペダルとチェンジペダルは、まさにあなたの体格にぴったりジャストフィット。まるで仕立ての良いオーダーメイドのスーツのように、あなたの走りをキリリと格好良いものにしてくれる準備が整ったわけです。

あとはあなたがそのペダルを上手く操作し、公道というキャンバスに、安全で確かな走りの芸術を創り上げる番ですね! 


ブレーキ・あれこれ

2005年11月21日 23時41分08秒 | ライディングのキモ
片道一時間の自転車通勤を週に2~3回楽しむようになって2年ほどなんですが、このサイトの「風速」の情報には特にお世話になっています。
特に夜遅くの帰り道がきつい向かい風だと、内心かなりショックを受けながらも、歯を食いしばって頑張ることになるので…。
そのサイト内の「気温」分布図も、ちょっと前までは真っ赤だったのですが、ここ数日、10度以下を示す青一色に占められるようになりました。

さて、そういう季節になりますと路面も冷え、タイヤも冷え、特にバイクの走り始めには十分な注意が必要となりました。寒い季節は『急』のつく操作はすべてご法度となります。急加速、急ブレーキ、急な角度(リーン)をつけての旋回、など。
特に大型バイクでは冬の朝いち、アクセルを無用心に開けますとあっけないほど簡単にリアが滑りますし、ブレーキをガツンとやりますと、Fブレーキが音も無くロックします。タイヤが温まるまでは、用心深く優しく操作を行いたいです。
自分の経験では、「タイヤが温まるまで」とは、まあ、素手で触ってほのかに暖かくなるくらい(およそ人肌)のレベルで、これは走り始めて、信号4~5個にひっかっかって止まるくらいの間、って感じですかね。
余談ですが、タイヤを暖めるのにパイスラの要領で速度一定で右へ左へハンドルを切って蛇行するシーンが見られますが、これいまいち温まりません。タイヤを暖めるには、タイヤ内の空気の圧縮と膨張を行うべく、タイヤを揉まないといけませんので、むしろバイクを立てた直線で、「しっかり加速、しっかり減速」を繰り返してタイヤに荷重をかけてやると良いのです。(もっともこのような露骨な運転は、公道では後続車のいないところで行うべきですが。)

さらに、タイヤの銘柄によっては温まる前と後で顕著にグリップが変わるものがあります。しかも困ったことに、ハイグリップ系のタイヤになるほど、最初の設計段階から温熱時の使用を前提としているために冷えているときは全然ハイグリップじゃなくなっていることも要注意です。最近は温度依存性の少ないシリカという物質を多く配合して温度依存性を小さくしたタイヤも登場していますが、やはり過信しないことが大切です。

ブレーキねた、ということでもうひとつ挙げると、冬はオーバーパンツを履いたり厚手のソックスを履いたりして、「ブレーキを踏んでいないときの足首の自然な角度」が春夏とは変わってくることがあります。こんなときは、無意識のうちに、足首を必要以上に曲げて自分の乗り方を調整してしまいがちですが、長距離乗り続けるときに余計な疲れの原因になってしまいますし、思わずブレーキから足を離したままストリートを走ってしまいがちです。その走り方はブレーキ位置に足をもどしてからブレーキ操作をすることになるので、いわゆる「空走距離」が伸びてしまい、危険です。

そういうときは、こまめに自分のバイクのブレーキペダルやシフトペダルの角度を調整してやるといいですね。この写真は僕のFZSの右ステップ部分を後方から撮影したものですが、画面中央のナットをスパナで緩めたあと、その上の黒いゴムブーツに接している金色のナットを回して高さを上げたり、下げたりすることになります。バイクによって、作りが様々ですが基本構造はどれも同じで、テコの原理でブレーキマスターを押し込む部分の長さを変化させてやるわけです。

自分の体格やフォームにベストマッチングさせたバイクで、この冬も熱く楽しく
ライディングを楽しみましょう!