むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

修羅場と余裕

2009年05月01日 02時41分54秒 | Weblog
送り出すのはこれで何人目だろう。
めでたい、めでたい……。

昨晩は、近く欧州に留学する後輩記者の送別会。
年下ながら、常に「余裕」を持って、賢く何でもこなしてしまう記者だ。



記者の仕事の中でも、大きな警察や検察などの担当は、だれもがやりたくない持ち場だ。
一見、花形っぽく見えても、たいていは怒られてばかりで、ほめられることはめったにない。
ジャーナリズムの理想と現実との乖離に悩むことも多い。

けれど、彼は、そんな当局回りを経験しながら、いいところだけ吸収。くだらんことは笑い飛ばすたくましさまで身につけた。
「修羅場」のしんどさを完全に心の「余裕」に転化してしまう強さ。



大阪でも東京でも、節目節目で、有能な後輩に出会い、なんだか助けられてばかり。これも、巡り合わせか……。


  ×   ×


新聞記者の最大の難点は、拘束時間が異常~に長いこと。
真面目に考えて嫌になることが、入社以来何度もあった。

けれど、自由になる時間がたっぷりできることがしばしばある。
どれだけ楽しんで、自分のために活かせるか……。




ぽっかり空いた時間に本屋へ。
「筑摩書房」の一角でしばらく立ち止まった。

ちょっと斜めから、社会を見つめたユニークな本が並んでいて、おもしろい。
つげ義春や赤塚不二夫の漫画のリバイバルなんかも。



友人のブログに書かれた話題の本も見つけた。


■「ないもの、あります」(ちくま文庫)


「左うちわ」や「堪忍袋の緒」「舌鼓」などなど……。
ありそうでないちまたの用語を冷静かつ皮肉たっぷりに分析している。



思わずニヤニヤ。
物事を正面から見ず、少し距離を置く「余裕」……。
物事を相対化し、笑い飛ばす「余裕」……。
今、自分に一番足りないものかもしれない。