むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

どこを向くか

2009年07月30日 00時53分08秒 | Weblog
先日、ある原稿を書いたら、翌日一人の科学者が会社にやってきた。
なんだかプンプン怒ってる。

ひと通り話を聞いたものの、とてもすぐには理解も納得もできない。
「あなたの主張が科学的に正しければ、世界的発見。読んで勉強しますから、論文を送ってください」とだけ伝えた。


それでも、引き下がらない。
記事では科学的判断にかかわる部分は配慮して、慎重な記述に努めた。
けれど、この学者は「印象」として自分の主張とは相容れないもので、「新聞はいつもこんな記事ばかり書いている」と怒りをぶちまけた。


記者が好きなことを、簡単に記事化できるなら苦労はしない……。
残念ながら、新聞記事の大半は、もっと高いところから物事を論じたり、強い力が働いた結果に流された情報だ。
くそ忙しい中を縫って記事化したこともあり、学者の言い分に最後はカチンときた。



劣化ウラン弾。
http://mainichi.jp/select/world/news/20090727ddm012030185000c.html

放射能被害が長く懸念され、傍証は次々と出ながら、米国も国連機関でさえもなかなか影響を認めない。
問題視する科学者と同時に、影響を否定する学者も結構いる。
クラスター爆弾と違い、軍需産業に加え原発業界も絡むだけに、しがらみは余計に深い。



正直なところ、どちらでもいい。
全く人体に影響がないことが数十年後にでも証明されれば、めでたいことだ。
けれども、産業界も巻き込んだ「神学論争」のような議論を続けているうちに、また新たな戦争が起きて、また被害者が生まれる。


だからこそ……。
少なくとも影響が懸念されるだけでも“英断”として禁止すべき。
欧州で流れが生まれつつあるそんな「予防原則」こそ、人間の叡智だと思った。




「イラクの子供たちの小児がんの影響は絶対ないと言い切れる。すべては毒ガスかまたは精神的な影響だ」

こう言い放つ学者の名刺を見ると、日本の原子力政策を支える研究所の幹部で、住所は長野県内の高級別荘地にある。
身近に守るべきものがたくさんある人は、自分と異なる主張にやたらに敏感になり、「弱者」には関心がないようだ。



一体どこを向くのか……。
学問ってそこが一番大事じゃないんだろうか。

金融危機を招いた新自由主義者にも共通する。
結果が出てきてからでは手遅れなこともたくさんある。


  ×   ×


最近、とみに要領が悪くて原稿が遅い。
また、会社泊まりになってしまった。はぁ。

せっかくなので、深夜の「世界水泳」にはまった。
順位はともかく、体格のでかい欧米の「強者」に挑む選手の姿はやっぱり文句なく気持ちいい!