むすぶ つなぐ

「悪の枢軸」とされる国から思いつくまま……。

内から変える

2008年10月21日 09時47分23秒 | Weblog
契約を満了した元同僚の記者が、業界紙で再出発する。
以前も同じ会社に勤めていたが、業界寄りの都合のいいことを書かなければならない場面があるのが悩みだったという。
舞い戻って、再び同じ場面に直面したらどうするのか。
そんな不安はあるが、以前と違ったアプローチもできるかもしれないというささやかな希望も持っている。

程度は違えど、全国紙だって決して公平でも清廉潔白でもない。
特に政治の世界の「特ダネ」は、フィルターがかかった情報が多く、結果的に政府や与党の歪んだ政策に誘導されていたりする。
それでも、1面で派手に記事が飾られれば、何となくその裏側はどうでもよくなってしまう。
小泉政権やイラク戦争など、大きな節目で最後に背中を押ししているのは、マスメディアだ。


数年前、よくお世話になった建設関係の業界紙の関係者を思い出した。
幅広く業者とベタベタの関係を作り、「提灯記事」や広告を掲載しながらも、「ここぞ」という場面では全国紙や警察が全く手が出せない衝撃的な汚職、談合疑惑を告発。
「真面目な業者が生き残れない業界はおかしい」といつも話していた。
決して、ベストな選択ではなくても、どっぷり浸かったからこそ持つ「強み」を感じた。

元同僚は、自分の書いた記事で何か間違いが生まれたり、人を不幸にしたくないという。
そんな気持ちを持ち続ければ、いつか内側から何かを変えられるはず。
なんだかうれしい。