わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

キッスの感触

2005年10月26日 | 雑想
こちらk-603. あなたが恋人とキッスをする時、是非こんなことを考えてほしい。 
触れあう唇のことだ。
目を見つめ合う。そしておたがいが、やむにやまれず(ここが大切、多くの場合やむにやまれずだ)顔を近づける。
鼻と鼻があたる? いや、それはたがいに避けるだろう。そして唇が接近する。
10cm(センチメートル)、目をつぶる。
1cm(センチメートル)、息がとまった。
1mm(ミリメートル)、やわらかな雰囲気を感じる。
1μm(マイクロメートル:0.001mm)、熱い想いだ。
1nm(ナノメートル:0.000001mm)強烈な感覚だ。
1pm(ピコメートル:0.000000001mm)、もう接触か。
1fm(フェムメートル:0.000000000001mm)、まだ触れあわないもどかしさ。
1am(アトメートル:0.000000000000001mm)、まだなの?どうして?どうして?こんなに好きなのに。
もう、じれったいったらありゃしない。
つまり、いつまでたっても、あなたと恋人の唇は触れあわないではないか。
そう、唇と唇の間の距離はいくらでも縮まるけれど、実は永久に合わさることはないのだ。
あなたが、今晩、恋人とかわす口づけは、それは、幻想にすぎないのだ。
どうか、これを忘れずに楽しいひとときを過ごされんことを。

最新の画像もっと見る