東日本のヒトのための奈良市観光案内⑯ 旅行とは関係ないことながら
わたしは、もう住むことはないだろうと奈良の家を売りに出した。驚くことにまた有難いことに東京のヒトが何人もエントリーしてくださった。遠路を厭わずわざわざ見に来た人も何人もおられるという話である。文化財やシカだけが目的ではなさそうである。多分退職して自然の中で生活したいとの意向とみられる。しかもある程度の都会で車なく生活ができる。鎌倉と同じようにお考えだと思う。
良いところに目を付けられた。わたしは奈良を去ってずいぶんになる。去ってから碌なことがない、気分がすぐれない。さっぱり元気が出ない。
その理由は、会社の中でいらざることを大声で触れ回り、他人のメンタルを削り取ることを趣味にするようなひとと付き合わねばならぬ悲劇に見舞われたことが原因であると長く思い込んでいた。しかしそればかりではないのではないかと最近思うようになってきた。都会には自然の音、蝉の声鈴虫の声が一切ないのである。公園内では一本の木からではない、全山湧くがごとくゼミの声が聞こえる。一個の虫かごからではない、地の底から湧き出すように虫の声が聞こえるのである。しかも十分やニ十分ではない、止めてくれといっても絶対止めてくれないのである。これが昔の私を元気にしていたと考えられる。(しかも付録に様々文化財がある)
ではそれを録音して都会地で大音量スピーカーで聞けばいいではないかと言うかもしれないがそうもいかない。スピーカーの音は、可聴域外の音を再生しない。どうやら蝉の声虫の声は可聴域外にいい音を出してくれいそうである。蝉虫は自分の仲間への恋の歌を歌う、人間相手に歌っていない。ヒトの可聴域がこのくらいだからこの範囲内でいい音だしてやろうというような配慮は一切していない。蝉虫はヒトの可聴域外の音も含めて歌っている。その域外の音がヒトの心に良い影響を与えていると思う。我々は意味は取れなくとも蝉虫の域外の音を聴いて気分良くなると考えられる。
シカの鳴き声も聞こえる。馬によく似ている。ただ気分に関係するほどよく聞こえるとは言えない。鳥の鳴き声も屹度気分に関係すると考えられる。しかし奈良公園にはあまり鳥のさえずりはなさそうである。
奈良公園内にもホテルはある。(お値段は高そうだけど)連泊して試してみてください。JR奈良駅そばのホテルだとちょっと聞こえないかもしれない。
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