千円札は拾うな/安田佳生

今さらこれかと思うなかれ。
これは３０万部も売ったベストセラーなんだよ。
インテリどもはこの本を当たり前のこと書いてバカじゃないの扱いだが、
インテリども向けに書いた本じゃないから売れたに決まってるのであって、
わしら凡人向けだから売れたのだ(笑)
インテリどもは自分の変態な妄想の原因追求にフロイトの難解な文章でも読んでるのがお似合いなのだ。

サンマーク出版
定価１２６０円

やすだよしおさんは㈱ワイキューブの代表
中小、ベンチャー企業のコンサルティングの会社の経営者だ。

わしがビジネス本を読むことに再開できるのは、ま、確かに時間がかかったが、この本はビジネス本というよりは、ちょっとしたモノの見方を変える手引きみたいなもの。
全てをそのまま受け入れられないが、どこか参考になることは多いはず。

冒頭
「勤勉は悪、努力は報われない」から始まるのだ。
著者も本当はこれを認めているのだが、
人と同じことを長いことやるのが努力とは言わないとあっさり言うところがミソ。
今までまじめにサービス残業やってた人は考えてね。

わしが面白いと思ったのは
「タクシーに乗るのに理由はいらない」かな？
首都圏を移動するのに車は不便と考えるのがわしらだが、逆に交通費が安い電車に乗ってぎゅぎゅう詰めの満員電車やマナーのなってない人間を見て不快に思うなら、電車に乗るなって言ってるのね。
これを額面どおりに受け取っちゃダメよ。
そういう考え方も有りってことよ。
アリとキリギリスの例え話を出して
世の中、勤勉なアリと面白おかしく遊んで暮らす浪費家のキリギリスだけじゃないだろと、コオロギや他の虫もいっぱいいるだろ、と言ってるわけ。
わしらはこういった、当たり前のことを、忙しい中で忘れてるのね。

だからいつもの生き方をふりかえるには面白い本だよ。
あっと言う間に読める軽さが良いところ。