カール・ヒルティ 『幸福論』
「日常の小さな時間の断片の利用と、今日はもう始めても無駄だ、という考えを取り除くことが、ある人の生涯の業績の半ばを決定する。
時間節約の方法の一つは、仕事の対象を変えることである。仕事の変化は完全な休息と同様の効果がある。この方法を日々習慣によって、得られれば、一日中、働き続けることができるのである」
語学の上達した人は、細切れの時間を活用している。電車の中で単語を暗記したり、スマートフォンで英会話を聞いている。語学は覚える時間で上達度が決まる。何時間も暗記作業は難しい。十分か二十分が暗記に最適である。
まとまった時間は読書をしたり、ものを書いたりすればいい。
一つの勉強に飽きたら、別のものに目先を変えるのが非常に有効だ。学校の試験勉強をしている時に、いつも読まない小説をふと読んでみたくなることがあった。そんな時読んだ小説をわりとよく覚えている。
こうしたことを、普段から続ければいい。いつもやっている仕事が飽きれば、別のことをする。これをできれば、本来の仕事も飽きず、しかも、自分の関心を広げることができる。
画家の中には、たくさんのキャンパスを並べて、いろいろな絵を同時に描く。一つの絵を描いていて、疲れると、今度は別のキャンパスに描く。この作業を休みなしにやるという。目先の仕事を変えることは、休息に勝る休息となる。