goo blog サービス終了のお知らせ 

gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

7月21日(土)のつぶやき

2018-07-22 02:00:04 | 文学

毅然とした生き方とは

2018-07-21 08:23:45 | 文学

スタンダール著 『パルムの僧院』

 

サンセヴェリーナ公爵夫人が、自分の仕える宮廷の主人公たる全能者の太公を殺害するところで思い出した死んだ前夫の言葉に、

「自己に対する何という無礼だ、その決心をしたときより今の自分の方が利口だと、どうして思うのか」と。

 

スタンダールはそのすぐ前で公爵夫人の性格について、こう言っている。

 

「公爵夫人の性格には二つあった。彼女は一度欲したことはあくまで欲した。また一度決めたことは決して議論しなかった。」

 

また、別の所ではこう記している。

 

「彼女は偶然にまかせ、その時々の快楽のために行動してきた。しかし、どんな行動に身を委ねる場合でも、断乎として行った。あとで、冷静に返っても、決して、自分を非難しなかった。まして後悔しなかった」と。

 

小説の主人公ではないか、とバカにしてはいけない。一人の作家が生涯夢を託して描いた人物像は、僕の理想像となった。

 

過去において自分がなそうと決意し、なしたことが、後から失敗とわかって後悔することは、そのとき、自己の全力をつくして行動した自分を否定することになる。これを繰り返すと、ついには自分を信頼できなくなる。誤ったとしても、誤った自分も自分である。それを含めて、自己の全部を肯定し引き受けなければならない。

 

友人の、同僚の、年上の人の、あるいはそれ以外のだれかの何気なく洩らした一言、ちょっとした眼差し、ちょっとした身振りによって、あるいはその人の歩く姿、語り方、総じて生き方全体を見る事で、ああ、この人がいる限り、俺は孤独ではない、と感じる時がある。

 

生き甲斐という言葉は何となく弱弱しく感じる。

 

つねに自己の全部をもっていきいきと感じ、行動し、そうやって生きた自分の責任を全面的に引き受ける。

そう感じた一冊だった。


酒 の味わい方

2018-07-19 15:03:09 | 文学
若山牧水 『酒の讃と苦笑』

「それほどに うまきかと ひとの問ひたらば 何と答へむ この酒の味

真実、菓子好きの人が菓子を、渇いた人が水を、口にした時ほどのうまさを酒は持っていないかもしれない。一度口に含んで咽喉を通す。その後に口に残る一種の余香余韻が酒のありがたさである。単なる味覚のみのうまさではない。
o
 私は独りして飲むことを愛する」

若山牧水は、酒の歌が多い。生涯に7000首あまりの歌を残したが、酒をⅳだものが200種はあるらしい。一日一升飲んでいたとい
 歳をとるに従って、飲み方に品格ができた。
もう一句 「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」

今は、酒を悪玉にあげる風潮があるが、昔は、「酒飲みは上戸といい、飲めぬ人を下戸と呼ぶ。下戸の立てたる蔵はなし」と

つまり、酒をたしなまないからといって、その費用を溜めて産をなした奴はいないと、上戸が下戸をからかった。

7月17日(火)のつぶやき

2018-07-18 01:58:53 | 文学