よもやまカンボジア

カンボジアの日本語学校で起こった不思議な出来事を…。

初心忘れるべからず。

2006-12-08 18:47:30 | Weblog

検定試験も終わって試験対策クラスもなくなり、学校も学生も、そして自分自身もどことなく一区切りの感がある。今月は担当クラスも減ってめずらしく時間がけっこうあるので、ひさしぶりに資料の整理などをしている。古いファイルを整理していたら、ここへ来たばかりのころのカリキュラム作成などの事務資料、授業見学レポート、教案などが出てきてとても懐かしかった。そのころの学生の名前なども書かれていて懐かしく当時を思い出す。小さなこともでも気がついたことは必死にメモをとっていたらしく、さまざまなことが書き記してあり、見返してみるとおもしろい。カンボジアの習慣やカンボジア人学生の行動など、今では周知となったことも、新鮮だったであろう当時を思い起こす。ベテランの先生でさえも、開校当時はとにかく誰もがカンボジアに関する知識はほとんどゼロだったので、例文作成にも苦労のあとが見てとれる。

まあ、しかし、どんなことでも初めてというのは、何か緊張感のようなものがあっていい。年を重ねるとそれが少し億劫になり、ある種の苦痛でもあるのだが、やはりどこかに新しいことへの期待や、すがすがしさのようなものがある。ほこりをかぶった教案やら資料やらを見ながら、あのころの気持ちを思い出す。期待と不安、希望と失望、発見と疲弊の毎日。慣れ親しんだ空間はもちろん居心地がよくて楽だけれど、人はやはり少し痛めつけないと成長できないものである。安泰のなかに現状の幸福はあっても、それ以上のものは決して望めない。そしてその先にあるのは惰性と衰退だけだ。初心を思い出し、また新たな何かやりたい衝動にかられる今日このごろ。


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