よもやまカンボジア

カンボジアの日本語学校で起こった不思議な出来事を…。

日本語能力検定試験の悪夢

2006-11-29 13:22:20 | Weblog
私が試験会場をしたのは100人程度入る大教室。カンボジアの大学なので、もちろんエアコンはない。とにかく暑い・・・。私が担当したのは3級クラス。最後の文法の試験は簡単だったのか、ほとんどの学生が時間をもてあまし、話しはじめた。私は何度も紳士的態度で注意をしたが、クメール人は聞かず。カンニングまでし始めて、私はとにかくもうカンニングをした者リストに受験番号を書き連ねる。あまりに多くの学生がカンニングをしまくり、そのうち携帯でも話はじめて、私はきれた。カンニング者リストは裏までいっぱいに番号が書いてある。とにかく番号を書きつづける私。そしてある男の子がついに大声で話しはじめ、私の怒りは頂点に達した。その男の子に注意をすると、なんと試験監督助手のクメール人女性が私の前にしゃしゃりでて、私の息子になんてこというの!と激怒。それでも私は」不正行為をしたものは採点されません」といって、その息子の受験番号を不正者リストに書き連ねようとしたそのとき、クメール人試験監督助手は「そんなことは絶対にさせない!」と不正者リストを破り捨てた。完全にきれた私が本気の大声でどなると、100人の受験者がさーっと静かになった。水をうったように静かになった大教室・・・

そこで目が覚めた。起きたときは一瞬自分が今夢を見ていたことを確認できないほどに怒っていた。

カンボジア初の日本語能力試験まであと5日。学生がテストをできるかどうかももちろん心配だが、そんなことよりカンニングしないか、きちっと静かに座っていられるか、携帯を鳴らさないか、そんなことばかりが心配でたまらない今日このごろ。悪夢は夢のなかだけにしてくれ!

異文化再発見

2006-11-24 16:24:39 | Weblog
カンボジアのテレビではここ数年韓国ドラマが流行っていて、けっこう人気がある。今も数年前に日本でやっていた『天国の階段』をやっている。カンボジア語吹き替えになってしまっているが、カンボジアのテレビ番組よりはやはりおもしろいのでなんとなく毎週見ている。昨日の晩もなにげなく見ていて、同僚の先生が「ええ~!!!」という大きい声をあげた。何かと思ったら主人公(男)が彼女の顔を足で蹴ったという。もちろん思いっきりではなく、冗談で。ある意味ラブラブのシーンのひとこまである。二人が布団の上でじゃれあっていて、その中で彼が彼女にした行為で、ふざけあいのシーンである。しかし、同僚の先生が「絶対、これはない」と断言したほどに、やはり日本人にはちょっと違和感のあるシーンであった。すべての日本人がどう思うかはわからないが、少なくとも俳優の箸の持ち方がなっていないとすぐに投書や苦情が来るような日本のテレビ界のなかではありえないシーンでないだろうか。あれは韓国人にとっては普通のことなのだろうか?今度韓国人の知り合いにぜひ聞いてみたいものである。

さて、その話のつづき。日本人は冗談で頭などをたたくこと(ダウンタウンなどがよくやってる頭をどつくやつ)があるが、これは納得がいかない国の人も多いという。韓国ドラマで「ええ~」と叫んだ先生は関西人。頭どつきはまったくもってOKらしい。仲がいい友達や彼・彼女の関係でじゃれあいのどつきはかえって親近感がわくというか、OKらしい。彼女も自分でいいつつ「あれ?」と気づいていた。きっと韓国人にとってはあの足で顔を蹴るのもそんな愛情表現のひとつにすぎなかったのであろう。なにげない身ぶりや手振り、ちょっとした生活の中にも異文化はひそんでいている。ちなみに私は生まれも育ちも東京のばりばりの関東人である。もし冗談であっても、どつかれたら足で顔を蹴られるのと同じくらい違和感を覚えるだろう。異文化っておもしろい。



メイクの力

2006-11-23 17:37:43 | Weblog
カンボジア人はふだんは化粧をしている人が少ない。働いている人などはしている人もいるが、どちらかといえば少数派に思う。ただし、している人は逆にばっちりメイクであることが多い。結婚式などもそれはそれはすごいメイクである。結婚式などは美容院でやってもらうのだが、だいたい原型をとどめていないことが多い。結婚式の主役である新婦ならまだしも、ただの友人として参列しているみなさんもかなりの気合の入ったメイクである。私もよく結婚式会場で学生を判別できないことがある。先日学生のお姉さんの結婚式に行ったときも学生のあまりに見違えるような姿にびっくりしたものだ。でも、びっくりしているのはほかの学生(特に男子!)も同じと知り、ちょっと安心する。

私は他の学生たちとみんなで一緒に行ったのだが、一人の男子学生が直接会場に行き、早く着いてしまったらしい。一人だけで、知っている人も誰もいないので、近くの人に招待してくれた子を呼び出してもらったという。その子は親族(新婦の妹)なので、もちろん気合が入ったいでたちである。服だって新婦でないのに、数着はお色なおしをしていた。その子がばっちりメイクとドレスで登場しても、その男子学生は本当にわからなかったそうだ。その子が隣にいるのに、「いいえ、この人じゃありません」と言ったとか。笑い話であるが、カンボジア人でも、友人でさえもわからなくなるメイクの力はいやはや。後日結婚式の写真ができあがったので、いろいろな人に見せてみたが、やはりその子を識別できる人はいなかった。カンボジアのメイク、すごいです。

結婚の季節、子どもの季節

2006-11-22 11:56:36 | Weblog
乾季に入り、結婚ラッシュである。有名式場はこの時期、半年、いや1年前から予約しないと、場所がとれないらしい。先日ある学生は週末の金、土、日曜と3連チャンで結婚式だといって複雑な表情をしていた。ご祝儀貧乏はカンボジアも日本も同じ。そして、女性はみんな着飾っていくので、美容院やドレスもばかにならないであろう。これから乾季の数か月間、町のあちこちで結婚式をみかけることになる。私もさっそく今学生のお姉さんの結婚式へと行ってきた。こちらでは呼ぶ人数がはんぱじゃないので(普通の人でも500人くらい)、必然的に呼ばれる回数も多くなるというわけだ。ご祝儀は10$から20$(もちろんそれ以上も)だから、日本人からすればそんなに高くないかもしれないが、カンボジア人の給料からいったら、けっこうな値段である。カンボジアはこういうところはちゃんとしていて、ご祝儀はきちんと記録し、次回その人の結婚式へ行くときは同額をつつむらしい。まあ、だいたい日本と同システムだ。

結婚式に並んで最近よく見かけるのが、新生児を抱いたお母さんたちだ。最近でこそ車を持っている人も多いが、カンボジア人の基本はまだまだバイクやトゥクトゥク移動なので、生まれたてのような赤ちゃんを抱いて、バイクの後ろにのっているお母さんをよく見かける。なんでこんなによく見るのだろう、と思っていたのだが、なんてことはない。結婚ラッシュである以上、1年後はベビーラッシュなのである。こちらではほとんどといっていいほど、新婚後すぐに子どもができる。これだけ結婚ラッシュなのだから、十月十日後には赤ちゃんがいっぱい生まれてきて当然である。ちなみにカンボジア人は子どもは9ヶ月でできるといつもいいきる。学生なども何の疑いもなく、「9ヶ月です!」とよく力説される。まあ、女性の排卵から数えて10ヶ月なわけで、たしかに行為をいたしてからは9ヶ月。カンボジア人らしい、わかりやすい考え方である。

カンボジアの模範的休日

2006-11-22 11:55:44 | Weblog
2週間にわたって続いた連休モードしめくくりにふさわしく、先日、学生と海へ行ってきた。コンポンソムというプノンペンから250kmくらいのところで、まあ東京人にとっての湘南?のような位置といえばわかりやすいだろうか。日帰りでも行けるし、泊まってもOKというようなビーチである。海は素朴だけど、なかなかきれいで、プノンペン人のもっとも身近でポピュラーな旅行先といってよいだろう。今回は車を貸しきっての日帰り旅行。片道4時間、とばせば3時間半くらいだろうか。カンボジア人のコンポンソム旅行パターンは朝はやく出て、途中で朝ごはんを食べて、昼前に海につく。昼ごはんを食べてから、海で泳いだり、休んだり、トランプをして過ごし、午後には帰途につく。夕方すぎにはプノンペンに帰るというのが一般的。今回もそれにならった。

コンポンソムは以前にも何回か行ったことがあるので、特に目新しいことはなかったが、やっぱり日本人にとってはシーフードがうれしい。ふだん川魚ばかりなので、コンポンソムの豊富なシーフードは貴重だ。今回もいやというほどいかとえびを堪能した。今回のメンバーは学生ばかりだったので、みんなの懐具合も考慮にいれて、まずは市場へ行って、シーフードを購入。ふだん、自分が旅行で行くときや、少人数で行くときは、めんどくさいのでビーチの海の家のようなところで料理を注文して食べていたが、学生たちにいわせれば、「とにかく高すぎる」とのこと。日本と同じく、観光地値段らしい。なので、最初に市場へ行ってみんなでうろうろして、食材を買った。えび、かに、いか、貝、さまざまな魚など市場でシーフードをじっくり見れてよかった。買い方もいか5kg、えび4kgのような世界。そして、私も今回初めてしったが、市場のなかに料理をしてくれる場所があり、料理賃はとても安いという。買った食材をそこへもっていって、調理してもらい、パック詰めにし、いざ海へ!これはとてもいいシステムなのでもし、またコンポンソムへ行く機会があれば、見習いたいと思った。

海では海の家のようなところを借り(有料)、ご飯を食べ、海に入り、また食べ、だらだらすごす。ずっと海に入っている子あり、ぜったいに海に入らない女子あり、トランプににいそしむ子たちあり、一人でぼーっとする子あり、海辺の散歩に行く子たちあり、とまあみんながてんでばらばらで気ままである。集団行動を子どものときから教育される日本人には考えられない旅行スタイルである。でも、まあこれも楽でいい。私はけっこうこのばらばらさかげんが好きだったりする。びっくりしたのは男子たちの食欲。最初にみんなで食べたときはとても食べきれないと思ったシーフードだったが、彼らはちょっと海に入っては、あがって食べ、また海に入り、また食べ、とその食欲は底知らず。女子もお菓子や果物では負けていない。朝6時から、プノンペンに帰りついた夜8時まで、車の中でも海でもどこでも、みんな始終食べていたような気がする。

通常は午後2時くらいに海をひきあげるのだが、みんな元気でなんと4時まで泳いでいた。帰りの車でも寝ることもなく、ずっと歌を歌っていた。昔からカンボジアに伝わる、農作業をするときの歌で、女子と男子のかけあいの歌だ。何曲もあるらしく、えんえんと歌っていた。男性パートと女性パートのかけあいになっていて、どちらからともなく、歌い出し、ずっと続いていく。途中で誰かが冗談を言い、みんながどっと笑う。ちょっと間ができたなと思うと、また誰かが歌を歌い出し、歌は続いていく。きっと農作業の間じゅう、カンボジアの人達はこの歌を歌いながらやっているのだろう。行きの車ではずっと流行りのポップスのVCDを一生懸命見ていた、一見、今風の大学生の子達がみんなこのような歌を知っており、それをバスでずっと歌っているということが私にはほほえましく、ちょっと驚きでもあった。ほのぼのとしたカンボジアのよさを垣間見たいい休日であった。