結局歯の痛みはおさまることがなく、やむなく病院へ。歯を見た瞬間に医者は「注射(麻酔)を2本うって抜くからね」と一言。口をあけているためにイエス、ともノーともいえず、ましてや咄嗟のことに英語を理解するにも数秒(ドクターは欧米人)、あっという間にX線をとり、あれよあれよ私の歯は抜かれた。その時間わずか10分。
私が口をあけたまあ、唖然としているうちに、私の目の前に抜いた歯を見せ、かろやかに診察をあとにするドクター。本当に速かった。私がぼーっとしていると、カンボジア人の助手が、もし気分が悪かったらそのままこの椅子に座っていてもいいし、大丈夫だったらもう帰っていいとのこと。「ええ?もう終わり?」と思う一瞬のできごとであった。
日本で歯を抜くというと、何かとおおげさだが、意外に抜くのって楽なものなのだなあと思った。すごいのはその後の処置で、特に何もせず脱脂綿を噛んでいるだけだった。30分はこれを強く噛んでいるように、といわれ綿を噛みつつ、診察室をあとにする。会計をすると想像通り、かなり高い。しかし保険が使えない歯の治療なので、それは仕方ないことだ。カンボジアとはいえ、ここでは値切ることもできないのでおとなしくお金を払い、帰ることにする。薬も後からの治療も何もなし。こんな高い金額で通わされたら懐が大変なので、そういう意味では抜いてよかったのかもしれない。
困ったのはバイクタクシーに乗るときだ。なんせ麻酔がまだきいているし、口の中では綿を噛み続けていなければならないので、ちゃんと話すことができない。おまけに外国人がいく病院から私が出てくる私を見ていたドライバーたちのふっかけてくる値段の高いこと。しかたなく、綿を噛んだまま炎天下のなかを50mくらい歩いて他のバイクタクシーに乗った。
まさか、今日歯を抜くなんて思っていなかったので、その後も授業はある。こんなへんな口の感覚で大丈夫かと思ったが、まあそこはプロ根性でなんとかなるものである。自分では麻酔と抜歯で口の感覚がおかしかったが、さいわい25人くらいいる学生のうち、気づいた人は誰もいなかった。ああ、よかった。
それにしてもあっという間のできごとであった。さようなら、私の親知らず。ちなみに私は生まれて初めて歯を抜いた。まさかカンボジアで初めて歯を抜こうとは思ってもいなかった。人生やはりわからないものである。
私が口をあけたまあ、唖然としているうちに、私の目の前に抜いた歯を見せ、かろやかに診察をあとにするドクター。本当に速かった。私がぼーっとしていると、カンボジア人の助手が、もし気分が悪かったらそのままこの椅子に座っていてもいいし、大丈夫だったらもう帰っていいとのこと。「ええ?もう終わり?」と思う一瞬のできごとであった。
日本で歯を抜くというと、何かとおおげさだが、意外に抜くのって楽なものなのだなあと思った。すごいのはその後の処置で、特に何もせず脱脂綿を噛んでいるだけだった。30分はこれを強く噛んでいるように、といわれ綿を噛みつつ、診察室をあとにする。会計をすると想像通り、かなり高い。しかし保険が使えない歯の治療なので、それは仕方ないことだ。カンボジアとはいえ、ここでは値切ることもできないのでおとなしくお金を払い、帰ることにする。薬も後からの治療も何もなし。こんな高い金額で通わされたら懐が大変なので、そういう意味では抜いてよかったのかもしれない。
困ったのはバイクタクシーに乗るときだ。なんせ麻酔がまだきいているし、口の中では綿を噛み続けていなければならないので、ちゃんと話すことができない。おまけに外国人がいく病院から私が出てくる私を見ていたドライバーたちのふっかけてくる値段の高いこと。しかたなく、綿を噛んだまま炎天下のなかを50mくらい歩いて他のバイクタクシーに乗った。
まさか、今日歯を抜くなんて思っていなかったので、その後も授業はある。こんなへんな口の感覚で大丈夫かと思ったが、まあそこはプロ根性でなんとかなるものである。自分では麻酔と抜歯で口の感覚がおかしかったが、さいわい25人くらいいる学生のうち、気づいた人は誰もいなかった。ああ、よかった。
それにしてもあっという間のできごとであった。さようなら、私の親知らず。ちなみに私は生まれて初めて歯を抜いた。まさかカンボジアで初めて歯を抜こうとは思ってもいなかった。人生やはりわからないものである。