試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系5125[86F] 非冷房車 後期仕様 ベンチレーター嵌合修正,床板一体化施工 (戸袋窓閉塞車) ※TOMYTEC製

2020-01-07 23:52:05 | 5号東西線,営団線
1458。

第二次整備中のTOMYTEC製交通営団5000系86F非冷房車(5836)は戸袋窓閉塞車が3両連続する。
貫通扉非設置車だった5357(86F:4号車)では妻面窓セルの撤去方式を改め∩字形成形に対応した。
今回入場させる5125(86F:5号車)は貫通扉設置車であり再び一枚成形妻面窓セルに戻る。


交通営団5000系5125 非冷房車(86F)。
※TOMYTEC製。

5100形には中野寄に簡易運転台が設けられたため妻面窓は全てHゴム支持とされた。
86Fの第二次整備は4両目を迎えたが早くも3種目となる妻面窓セルが登場している。
ただ5125の基本構造は5306,5671(86F)に準じており容易く窓セル撤去を行えると考えていた。
塗料繊維片は比較的少なく車体断面の仕上げさえ良ければ早期竣工が見えてくる。
ベンチレーターの嵌合具合も許容範囲内に映りようやく状態に恵まれた車両を引き当てられたと思えた。
しかし分解で躓きその影響から抜け出せないまま作業完了に至る結果で終わっている。


入工中の5125

妻面窓セルの撤去は5357にて採り入れた腰板寄から嵌合を解く方式に切り替えた。
取り敢えず中野寄妻面窓セルの取り外しに着手したが固い嵌め込みが立ちはだかった。
両妻面窓とも一定の撓み具合を示すものの嵌合爪を乗り越える状態には達してくれない。
車体偶柱部を押し広げても効力は無く西船橋寄妻面窓セルの先行撤去に変更した。
西船橋寄妻面窓セルには新方式が通用し呆気なく引き出しを終えられている。
車体と側面窓セルには多少猶予が生まれたはずだが中野寄妻面窓セルの嵌合具合は変わらなかった。


天地が異なっていた妻面窓セル (西船橋寄用,中野寄用)。

その後も中野寄妻面窓セルとの格闘が続き分解工程は膠着状態に陥る。
こうなると無理矢理押し込むしか術が無くクロスで包んだ爪楊枝を持ち出した。
とにかく妻面窓セルを取り外さない限り作業は先に進められない。
止むを得ず5306での撤去方式へ戻し側板との間隔が狭い海側妻面窓に狙いを定めた。
押し込む箇所は妻面窓下部に絞ったが力加減のせいか妻面窓セルを吹き飛ばしてしまった。
この時ばかりはさすがに焦ったものの幸い窓セルの破損は伺えず事無きを得ている。


角度を整えたベンチレーター。

未入場の5925(86F:6号車)も簡易運転台設置車であり妻面窓セルが取り外し難かった原因を追求した。
側面窓セル嵌合爪は西船橋寄,中野寄とも変わりが無く妻面窓セル自体に疑いを掛けた。
西船橋寄用と中野寄用を比較したところ腰板寄凸形成形部に違いがあると判明した。
中野寄用妻面窓は凸形成形部が短く処理されており押し込んだ際の撓みを吸収してしまう形状だった。
恐らく5925も同一成形が採り入れられていると思われ安全な撤去方式を検討する。
分解が約30分に及んでしまったため手間を要さないベンチレーターの固定から本格的な作業に入った。


台枠と溶着した座席部品端部。

乱れが少なく見えたベンチレーターは当初着脱を行わずに溶着する予定だった。
しかし微妙な傾斜を抱えた状態で押し込むと脚台と屋根板が接しなくなる症状に見舞われた。
やはり5671で感じたベンチレーター取付脚の嵌合代不足は間違いなかったらしい。
これに片側支持が重なり枕木方向の傾きを呼び込んだと思われる。
敢えなく全ベンチレーターは一度撤去され枕木方向,線路方向双方の取付角度を修正した。
車体清掃が小規模で留まっただけに屋根板整備での作業抑止は非常に惜しまれた。


組み付け方法が決定した床板。

5125の床下機器部品は比較的良好な嵌合精度が保たれていた。
そのため嵌合爪の溶着には労さなかったが台枠掻き取り部だけは5357を踏襲している。
座席部品両端部は折り返しが設けられておらず床板一体化に向いている構造である。
流し込み接着剤は露出している台枠ダミーカプラー用取付孔成形部への投入のみに留めた。
床板の組み込み難さは86Fに於ける泣き所になっていたがようやく打開策を見い出せた。
先に西船橋寄若しくは中野寄床板だけを車体へ嵌め込み斜め下側から全体を嵌合させる方式へと変更した。


5125:簡易運転台設置車。
※TOMYTEC製:中野寄。


5671:86F(貫通扉設置車)。
※TOMYTEC製:中野寄。


5357:86F(貫通扉非設置車)。
※TOMYTEC製:中野寄。

車体と平行に合わせる嵌合では何れかの側面窓セル嵌合爪が床板を弾き出していた。
主に支障する嵌合爪は車体中央部だったと判りここを避ければ改善出来ると思われた。
車端部の組み付けを先行させると側面窓セル全体が側板方向に押し付けられる。
これにより台枠側面は嵌合爪と干渉し難くなくなるため床板が嵌め込み易くなった。
作業最終盤に待ち構えていた厄介な問題はここに来て解決の見通しが立っている。
但し動力ユニット搭載車の嵌合精度が掴めておらず全車共通化に達するかはまだ判らない。




5125非冷房車後期仕様(86F:ベンチレーター固定化,走行部品組込施工)。
※TOMYTEC製。


5119非冷房車後期仕様(78F:明灰色Hゴム支持車)。
※マイクロエース製:5号車。

分解以後の工程は約30分で切り抜けられ思いの外順調に作業を進められた。
ベンチレーターの撤去こそ想定していなかったものの車体状態の良さが味方してくれた。
5125(86F)の竣工に要した時間は実質40分程度だと思われ決して流れは悪くなかったと思う。
86Fでは初めて塗料繊維片に苛まれない車両となったが描いていた作業からは大きく掛け離れてしまった。
中野寄用妻面窓セルの成形差異は完全な盲点と言えこれほど撤去に苦められるとは予想していなかった。
戸袋窓閉塞車は3両全て形態が異なっており5925も同様の展開に迫られるかもしれない。
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