試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

交通営団5000系5671[86F] 非冷房車 後期仕様 ベンチレーター嵌合修正,床板一体化施工 (戸袋窓付車) ※TOMYTEC製

2020-01-05 23:27:18 | 5号東西線,営団線
1454。

第二次整備に着手したTOMYTEC製交通営団5000系86F非冷房車(5836)だが長期戦を覚悟する展開となった。
基本的に乗務員室仕切部品が採用された5836,5036(86F)以外は独自工程が存在しない。
しかし先発入場させた5306(86F→5306:86F)では繊維片除去が作業の約半分に達し竣工まで時間を要した。


交通営団5000系5671 非冷房車(86F)。
※TOMYTEC製。

86Fの車体塗装は全車とも至る所で繊維片を抱えており窓セル撤去が必須となった。
5306では構造解析を並行し何とか窓セルの取り外し方法だけは方向性が決まった。
だが銀色塗装に紛れ込む繊維片が側板塗料被膜をも道連れにする不安に駆られている。
その結果丁寧な作業が求められ車体清掃は約25分を越える長い作業となった。
難敵は車体断面の措置にあり綿棒を一度当てるだけでは除去出来なかった。
効率の良い方法が思い浮かばず当面は綿棒を使用し続けるしかなくなってしまった。


入工中の5671

運悪く入場第二陣に指名した5671(86F)は5306よりも繊維片が目立つ個体だった。
まだ油断出来ないが繊維片は塗装被膜を削ぎ取らないと判り腰板青帯も保全可能との見当が付いた。
そのため5671では綿棒と磨きクロスの捌き方を変更し作業時間短縮に結び付くか試行する。
工程順は5306を踏襲する予定だったが分解前に山側中野寄の床下機器部品が外れてしまった。
S字形に変形した床下機器部品天面は台枠取付口との噛み合わせを悪くさせる要因と化していた。
当然現状での固定には適しておらず床下機器部品の矯正を第一工程に変更している。


輪心黒色化を施したFS-502非動力台車(中野寄)。

湾曲は床下機器部品全体まで達する程で折損に注意しながら直線状へ戻した。
ところが歪んだ形状を記憶してしまったらしく時間の経過と共に少しずつ撓み始める。
完全な修正は難しいと予想されたため台枠との溶着を再矯正直後に前倒しした。
流し込み接着剤の投入後もしばらく床下機器部品天面を押え続け台枠裏面と密着させた。
経過観察が必要だが取り敢えず線路方向の平行取付に漕ぎ着けている。
他床下機器部品に変形は無く従来通り台枠表面より各嵌合爪を溶着した。
床下機器部品固定化が先行したため床板整備を続行し走行部品取付に移行している。
FS-502台車はS形ミンデン式かつ片押し式ブレーキが採用されており軸箱を囲う成形を持たない。
その構造上車輪が目立ち易くマッキーによる輪心黒色化を施している。
アーノルトカプラーマウントは第一次整備時に切除済であり軽快な雰囲気を醸し出せたと思う。


片側支持が採用されたベンチレーター。

座席部品と台枠を流し込み接着剤で一体化させいよいよ車体整備に突入した。
分解は5306と同様車体外側から両妻面窓セルを押し込む方式にて乗り切っている。
ベンチレーターは嵌め込みが甘く屋根上見附を乱す要因になっていた。
念のため全て撤去しベンチレーター取付脚,屋根板取付口を確認したが双方とも異常は見られなかった。
ただ何れも安定性に欠ける傾向を見せ嵌合代が若干不足しているように感じさせた。
傾斜が再発する確率は高いと思われ全器とも微量の流し込み接着剤で固定した。
なお取付脚は片側にしか設けられていないがその形状が反転取付を防いでくれるため誤取付には至らない。


繊維片を取り除いた側板(山側)。

ここまでの作業は約25分で纏められたが5671の主工程と言える繊維片除去には全く手を着けていなかった。
5306では慎重を期して綿棒を車体断面へ沿わせる方法を採ったが代わりに何度も往復させる必要があった。
前途の通り56715306よりも繊維片付着量が多いと判っており除去方式を一部見直した。
やや解れた綿棒に持ち替え回転させながら車体断面の繊維片を根刮ぎ絡め取る作戦に打って出ている。
この試行は繊維片がこびり付いた戸袋窓,側扉窓の清掃を一発で終わらせる結果に結び付いた。
綿棒の届き難い側面窓四隅は別途措置が必要だが試行しただけの効果を得られたと思えた。




5671非冷房車後期仕様(86F:ベンチレーター固定化,走行部品組込施工)。
※TOMYTEC製。


5655非冷房車後期仕様(78F:戸袋窓・側扉窓黒Hゴム支持化施工車)。
※マイクロエース製:3号車。

側板は清掃箇所を幕板,側扉,腰板青帯,腰板,車体裾に区分した上で磨きクロスにて拭き取っている。
各部への施工を終えた後の状況確認は長手方向に一本化されると共にその回数も激減した。
ところが思ったほど時間短縮には繋がらず作業は約20分に及び施工箇所が多い戸袋窓付車ならではの限界を思い知らされた。
最後も床板の組み付けで手間取り殆ど5306と変わらない第二次整備完了を迎えた。
それでも竣工した5671(86F)は確実に状態の改善が感じ取れ必要十分な見附まで到達したと思える。
優先すべき項目は時間短縮ではなく丁寧な作業を第一に今後の整備を進める。
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