試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3400形3427,3426,3425[3428F] 現行仕様 大破復旧施工 (3427,3425 PT-71C形パンタグラフ破損修繕試行)

2017-12-25 21:27:05 | 京成線:3400形
緊急入場。

グリーンマックス製京成3400形3428F現行仕様(3428F)が不慮の事故に巻き込まれ脱線転覆した。
築堤部から転落した3428-3427-3426-3425は床板と屋根板が吹き飛ぶほど大破していた。
TNカプラーSP化されている3428Fは全車脱線転覆に至ってもおかしくなかった。


京成3400形3428F 現行仕様。
3428F:[3428]-[3427]-[3426]-[3425]-[3424]-[3423]-[3422]-[3421]。
※PT-7131形パンタグラフ換装,色地種別幕編成。

全車転覆を防いだのは3425(動力車)だった。
3428Fは3400形,3700形旧製品で推進した動力ユニット更新を終えたばかりである。
コアレスモーター搭載動力ユニットの成田寄スペーサーが台枠から外れ3424に連結されたまま残っていた。
これにより3424-3423-3422-3421は脱線せず線路上を惰行した後に停車してくれた。
3425が2個モーター搭載動力ユニット装着車であれば更なる惨状が広がっていただろう。
ただ成田寄スペーサーの脱落は単なる偶然でしかないと思う。
転覆した車両は大破,破損の度合いが各々で異なる。
幸い全車とも車体はほぼ無瑕で修復への壁は低いと思えた。
4両のうち破損程度が軽く収まったのは3426で貫通扉窓セルが脱落したのみだった。
貫通扉窓セルをゴム系接着剤で固定し復旧させている。
大破車両では3426が復帰第1号となった。


入工中の3425(3428F)。

3428は転落の衝撃でスカート付TNカプラーSPの連結器部品が完全に破壊されてしまった。
修復不能だがSPフレームTNダミーカプラーへの加工は不都合無いと思われる。
残る3427,3425はPT-71C形パンタグラフが大破し3428に比べ入場時間を要するのは明白だった。
先ず編成の中核を担う3425の復旧から着手した。


ゴム系接着剤固定の耐性が発揮されたFS-547動力台車枠(上野寄)。

大破した3425はPT-71C形パンタグラフの破損以外にも成田寄妻面戸袋窓セルと上野寄FS-547動力台車が外れていた。
先ず駆動系統に異常が無いか確認する。
FS-547動力台車枠はコアレスモーター搭載動力台車用ではなく非動力台車枠を加工転用したものである。
ゴム系接着剤で集電板と台車枠取付台座に3点止めしただけであり強度には不安があった。
ところが海側,山側とも脱落はおろか偏位さえ生じていなかった。
FS-547動力台車自体も集電板と車輪の位置関係が変わっていないように見える。
動力ユニット単体での駆動試験結果は転覆前と同一の性能を保てており継続使用に支障しないと判断した。


絶妙な取付位置を保つ床下機器部品。

打ち所が良かったせいか床下機器部品に打痕は無かった。
動力ユニット更新車は非動力車と外観を揃える名目で独自の床下機器部品取付方式を採用している。
プラ板のスペーサーを挟み床下機器の最低地上高均等化と側板との相対位置を両立させていた。
3425は現時点の動力ユニット更新施工でも後期更新車に該当する。
初期更新車は床下機器部品台座全面にスペーサーを貼付していたが手間を要する工程だった。
そこでプラ板貼付の簡略化を狙い狭幅かつ短縮を図った。
必然的に台枠との接着面積が縮小され転覆時には脱落を覚悟した。
床下機器部品も良い意味で予想を裏切り更新当時を保っていた。
後期更新車では流し込み接着剤の併用を推進している。
仮に脱落していれば整形からのやり直しに迫られていただろう。
工程簡略化が耐性低下へ繋がらない証明になったとは思える。


原形に辿り着いたPT-71C形パンタグラフ。

走行中であり当然PT-71C形パンタグラフは上昇させていた。
3427,3425のパンタグラフは3台とも全壊に近く当初は再生を放棄するつもりだった。
しかし代替用のPT-71C形パンタグラフが2両分入手出来なかった。
止む無く大破したパンタグラフの修復に取り掛からざるを得なくなっている。
3700形3767現行仕様(3768F)の入場時に破損させたホーンや主枠等と比較し各部の損傷度合いを確認している。
目視では嵌合爪等の大きな欠損は見られず再生に着手した。
現地でばらばらになった部品は3427,3425各々の搭載位置を守れていたわけではない。
3台のPT-71C形パンタグラフはどうにか原形に復旧させたが大破前の構成とは異なっているはずである。
その影響かホーンの安定性が今一つ欠けている。


取付脚を黒色化したPT-71C形パンタグラフ (3422,3425:成田寄)。

3767,3765,3762(3768F)はPT-4804形パンタグラフ,PT-71C形パンタグラフ共に嵌合が固かった。
一方3425は決してスムーズとは言えないものの苦戦はしていない。
また3768Fで施したパンタグラフ取付脚の黒色化を踏襲した。
勘違いで黒色化した取付脚だが意外にも俯瞰での見附を向上させる効果が得られた。
脱線を免れた3422との比較ではパンタグラフ台枠の陰に埋没する取付脚の状態が見て取れる。
今後グリーンマックス製PT-71C形パンタグラフの取付脚黒色化を標準項目にする予定である。
なおパンタグラフの再生は3426の修繕後に行い3425の入場では組立に集中した。


ゴム系接着剤での1点止めを採用した戸袋窓セル(成田寄)。

最後に脱落した戸袋窓セルを取り付けた。
他形式では木工用ボンドを用いる機会が多かった。
しかし3400形は各窓毎にセルが独立している。
支持部品も存在しないためゴム系接着剤で接着した。
ゴム系接着剤の塗布はセル上部のみとし1点止めに留めている。
これはFS-547動力台車枠での耐性を考慮したもので完全固定よりも脱落防止に重点を置いた。




3425(大破復旧,PT-71C形パンタグラフ破損再生)。

車体嵌合後に走行試験を行い異常が無い事を確認した。
3425は2017年10月の動力ユニット更新入場から然程期間が開いていなかった。
2個モーター搭載動力ユニットへの再換装は回避され更新コストの損失を抑止している。
大破した3425は無事竣工に至った。
入場前と殆ど変わらない姿は復旧の成功を物語ると言えよう。




3425+3424 (事故復旧車+無被災車)。


3765+3764 (3768F:PT-7131形パンタグラフ換装車)。

PT-71C形パンタグラフは一応上昇姿勢を保てる。
大破した上に部品が入れ替わった可能性が高く短命に終わるかもしれない。
3768Fにも破損させたグリーンマックス製PT-71C形パンタグラフ搭載車が在籍する。
耐久性を考えると予備品を押さえた方が無難だろう。
取付脚の黒色化は俯瞰での効果が大きく側面見附は多少パンタグラフ台枠下部の陰影が強くなった程度である。
この点は3765の現行仕様化で先に判明しており気にしていない。


入工中の3427。

続いての大破車両である3427を入場させた。
PT-71C形パンタグラフ再生の都合が絡み非動力M1車ながら3428より先行している。
3427は成田寄のヒューズボックスまで吹き飛ぶ有り様だった。
如何に転覆時の衝撃が強かったかが伺える。
揃って大破した3428,3427,3426,3425だが車体への影響が殆ど無かったのは奇跡に近いと思う。


溶着したヒューズボックス(成田寄)。

ヒューズボックスは取付脚ごと脱落していた。
従って原形を保てており別途修正は要さなかった。
但しヒューズボックスはやや取付が緩く感じられた。
平時でも脱落しそうな手応えに不安を抱き流し込み接着剤で溶着している。
溶着は上野寄:1器,成田寄:2器の都合3器に施工した。
脱落の確率は下がった一方で折損に至る可能性が高まっている。
今後類似の事故に遭わないよう願いたい。


拡大したパンタグラフ取付孔(上野寄)。

PT-71C形パンタグラフの再生は3425とほぼ同じ結果となった。
よって将来的な不安は隠せない。
少しでも取付時に於ける負荷を減らすべく屋根板のパンタグラフ取付孔を拡大した。
敢えてドリルは用いず竹串式にしている。
竹串の挿入で捲れた端部を折り返し装着の容易化と嵌合精度保持の同時成立を狙った。
他形式でベンチレーター取付に成形で残ったバリを支持強化へ活用した例がありこれを参考にしている。


3427(大破復旧,PT-71C形パンタグラフ破損再生)。

PT-71C形パンタグラフの取付効率は3425を上回った。
嵌合も取付孔を拡大した影響は生じておらず加工前とほぼ同様になっている。
3425に続き3427も大破の欠片も感じられない状態での復旧に漕ぎ着けられた。
不得手とするシングルアーム式パンタグラフ3台を再生出来たのは収穫と言えよう。

3428Fの修復にはスカート付TNカプラーSPが破損した3428が未入場で残っている。
作業工程は3408,3401前期仕様(3408F-3)に倣う方向でいる。
まだ点灯試験を行っていないため完全復旧出来るか判らない。
3427,3426,3425と同様に事故前の状態に復帰させ竣工を迎えたい。

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