樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

もう 間に合わないかもしれないけど やる。

2007-08-18 | 壊れかけてる森林
数日前のニュースで、大気汚染に強いはずの街路樹のポプラが外国の虫に食われて枯れている、被害は拡大していく模様…と 短い時間で伝えていた。
又 虫のせいで終わりにして 虫を殺す薬を樹木に与え、目に見える現象だけに後追いで対処していくのだろうと思うと、不安でいっぱいになっていた。

この夏は以前のブログにも書いたけど
症状に気がついた頃には手遅れだと言われ、何も対策がされないままの近くの山の松枯れ、ナラ枯れが毎日進行している様を見ている事しか出来なかった。

枯れる前は、子孫を残そうと大量に実をつける。その直後、体力を消耗してちょっとした気候の変化で バタバタッと枯れて行く。その後は制御不能になる。

最近 杉の木の様子がおかしい事に気がついた。
鹿が樹皮を食べた樹だけではない。
しかし 少なくとも私の周りでは騒がれていない。

日本の各地では、すでに枯れるものは枯れてしまい
なんとなく のど元を過ぎてしまった感じらしい。
知らなかった…。それで いいのだろうか。

なぜ 鹿が皮を剥き 樹液をすい 解毒に山椒を食べるのか。
そもそも 鹿は何を食べていたのだろうと検索すると
「ササ」だとわかった。また「ササ枯れ」で検索すると
見覚えのある風景の写真が目に入った。
8月1日のブログにUPした 鞍掛峠の三重県側の写真である。
 
「鈴鹿山系ササ枯れ調査委員会」が調査をして頂いているようだ。
びっくりした。
土壌pHは3.6
となり山である。しかも標高は高い。
こんな酸性では 枯れてしまって当然だろう。
鹿が食べたから ササがなくなったのではないと思う。
広葉樹を伐り、針葉樹をたくさん植えて 動物の餌になる
どんぐりがなくなったからだと書いてあるものもあるが
それも 違うと思う。 

何年も前から、杉は日本国中の人にSOSを発信していた。
これも、大量に植えられて手入れがされないことが原因で
間伐をしようと 言われているが これでいいのだろうか。
その他 虫のせいや 温暖化や自然遷移。
これで 片付けては やはりまずい。
誤診の上の治療ミスになりかねない。

でも「もう間に合わないかもしれない」
あまりに 山は広い。
炭を撒いてはどうかと思うが 行政に言っても
誰かが研究して 成果が出て 社会的コンセンサスが
得られてからでないと何も出来ないという。
又 症状がでなるか出ないかわからないものには
何も出来ないし、個人の山には難しいという。

症状が出てからでは 遅いとわかっていながら
何も出来ない無力感。
ぐったりしていたところに 左のリンクにある
「だいず先生の持続性学」のブログを読んで少し持ち直した。

樹の中や土の中、大気でおこっている人間の目には
見えない事にやはり目を向けないといけないと思った。

私は、専門家でも研究者でもない。
今から、研究しても間に合わない。
土壌の酸化を止めるのに炭を撒いてはどうかと思うが
松の場合も成果が現れるには数年かかるらしい。
成果が出ている松でさえ 業界ではアウトサイドである。

どなたか山林に炭を撒いて研究されている方をご存知なら
教えて頂きたい。
どんなデータがあれば、行政は動いて頂けるのでしょう。
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