実高ふれ愛隊日記

-石川県立大聖寺実業高校情報ビジネス科課題研究ブログ-

「ねぇ君、不思議だと思いませんか?」・中谷宇吉郎の科学する心

2013年06月27日 | 日記

隊員NO.3ゆかぴで~す(^^)

6月25日(火)の課題研究の時間、片山津温泉「中谷宇吉郎雪の科学館」を

訪問し、館内を角谷主任にご案内いただきました。

雪は天から送られた手紙であるというとてもロマンティックな

言葉で知られる中谷宇吉郎は、1900(明治33)年7月4日、片山津温泉

生まれました。生家はかつて、今の検番「花館」の前にあって、

呉服屋雑貨の店を営んでいました。

中谷宇吉郎随筆集』(岩波書店)に掲載されている私の生まれた家』には

次のような記述があります。

『・・・小学時代の片山津は、片側が薬師山、今一方の片側は、柴山潟という湖に

はさまれた、一本道の村落であった。私の家は、呉服雑貨店をやっていて、・・・』

宇吉郎は幼少時代、大聖寺の親戚の家に下宿し、京逵幼稚園と錦城小学校に

通いました。そして毎週土曜日になると歩いて家に帰り、月曜日には動橋から

汽車で大聖寺に出かけたといいます。錦城小学校には、宇吉郎が5年生の時に

描いた竹の絵が残っているそうですよ。

同じく『西遊記の夢』には「・・・その頃の加賀の旧い家には、まだ一向一揆時代の

仏教の匂いが幾分残っていた。・・・老母は、仏壇の前にきちんと坐って、

朝晩お経をあげていた。・・・」とあります。

そして宇吉郎簪(かんざし)を挿した蛇』の中で次のように述べています。

「本統の科学というものは、自然に対する純真驚異の念から出発すべきものである。

不思議を解決するのが科学ではなく、平凡な世界の中に不思議を感ずることも

科学の重要な要素であろう。」

ふるさと加賀での幼少期、もうすでに科学する心」を育んでいた中谷宇吉郎に、

研究者としての基礎を教えたのが、東京大学理化学研究所の恩師・寺田寅彦でした。

火花放電の研究で線香花火のさまざまな美しい形をみながら、寺田寅彦

中谷宇吉郎に問いかけました。

ねぇ君、不思議だと思いませんか?

宇吉郎の「形の物理学」はこのときに始まったといえます。

「それは何?」という不思議が「それはなぜ?」へと変わったとき、

彼の科学する心」が伸びやかに解き放たれたのです。

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