最初に手を付けてくれたSS氏が「かなりダメ」と評価した2台目のTS-600はかなり苦戦です。長期戦になりそうな雰囲気です。
● FMモード受信時無信号ノイズが小さく、信号の受信ができない
FM-IF部の2SC460が不良。Q8~11のトランジスタを代替品に交換しても回復せず。
結局Q1~3、Q7も交換して無信号ノイズは通常のレベルに復旧しました。
● SSB受信時LSBモードで異常発振(スピーカーから常にピー音?)
● SSB、FM、CW、AMすべてのモードDRIVEつまみを回すと、弱いですが異常発振(スピーカーからグジュグジュ音?)
この異常発振はなかなか原因が分からなかったのですが、RX・NB UNIT のMIXER(Q2 3SK45)のケースを手で触ってみたところ発振が停止しました。
ケースをコンデンサー経由でアースに落としているところをコンデンサーのリード線を最短にしてハンダ付けをし直したら直りました。
なぜLSBだけで発振していたのか?謎ですが、とりあえず結果オーライということにします。
つづけてもう一台置いてあったTS-600をレストアすることにします。これでTS-600は2台目です。
この機械は既に友人のSS氏が少し手を付けてくれています。フロントパネル周りの洗浄、清掃は終わっていてかなりきれいになっています。
とりあえず従来通り見た目優先で手を付けることにします。
● バンドスイッチのランプが点かない
最後に残っていた麦球を使いました。この麦球はどのTS-600もTS-700もみんな切れてますね。バンドスイッチとVFO/FIXスイッチのランプ交換は結構大変です。フロントパネルを思い切り前に倒してラジペンを突っ込まないと外れません。特にバンドスイッチは大変です。
● メインダイヤル照明が点かない
TS-600ではここは豆球で麦球は使われていません。予備の豆球もないし白色LEDも品切れで仕方なく赤LEDにしちゃいました。ちょっと暗いかな?
● リアパネルと周辺のネジの頭が真っ赤に錆びてます
新品のネジにすべて交換しました。
メーター照明は既に白色LEDに改造されてます。アンテナコネクターがN型に改造されてます。
赤LEDを点灯したところ やっぱり少し暗いかな?白と交換?
でももう一度ここをバラすのは大変・・・・。
内部も既にきれいに清掃されてます。私はウエスで少し拭いただけです。
このTS-600はS/Nが44XXXXでマイナーチェンジ前の前期タイプです。センターメーター回路の追加基板がありません。
全体的には前回レストアしたTS-600の方がきれいです。錆びも今回の方が多いです。
VOX等の動作も確認して一応完了とします。
受信部、送信電力増幅部のトリマーやコイルのコアは送信出力も規定以上にあり、受信高周波部も十分実用感度があるので、コアやトリマコンデンサの破損のリスクを避けてあえて調整しませんでした。
送信出力 SSB/CW/FM:13W AM:6W
受信感度はSSGが無いので定量的なデータはなし(アンテナを繋いで十分な実用感度)
ケースも元通りに戻して完了!! ネジは極力新品に交換しました。
上ブタのクリップ、スピーカーのサランネット、左右のパッキン?も新品交換。
メーターの照明も結局白色LEDに改造しました。3mmΦ×4個に光拡散キャップをかぶせました。ちょっと暗いかな・・・・。
最後に2トーンの波形を確認しました。
出力を上げるとだんだん頭がつぶれてきますが、これは仕方がないでしょう。クロスポイントもきれいにできているのでOKとしましょう。
【修理・調整】
● SQUELCHのノイズシャットダウン位置が時計の2時方向
はじめは半固定抵抗の調整で直るものと思っていましたが、この機種には半固定抵抗がありません。どこかのトランジスタ不良か?
スケルチ回路のトランジスタと電解コンデンサを新品に交換し、ノイズが消える点が時計の10時~11時方向になりました。
● RITをONにしたときのボリューム位置がセンターからずれている
半固定抵抗を調整してセンターを合わせました。
現在のSQUELCH、RITの位置
● FMのセンターメーターがずれている
調整用半固定抵抗を調整してセンター位置に合わせました。
【修理】
● フロントパネル縁の錆び
錆び取りを使って一生懸命磨きました。
● メインダイヤルに傷
マスキングして塗装しました。だいぶ目立たなくなりました。
削れているのは修復のしようがありません。当初ジャンクのTS-700GⅡから拝借しようと思っていたのですが、大きさが違いました。TS-700Sの方が一回り大きいです。知りませんでした。
その後、別のTS-700Sを入手したのでそちらから拝借して傷なしに出来ました。