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No.195 五千人を満足させた奇跡

2009-05-01 22:50:17 | マタイ
聖書の中に福音書が四つ収録されている。
今日は、四つの福音書に共通して登場する奇跡の話である。

このとき、イエスは行く先々で群衆に取り囲まれていた。
人々を教え、癒し、多忙な毎日を送るイエス。
そんな中、ある知らせが彼のもとに届く。

「それから、ヨハネの弟子たちが来て、遺体を引き取って葬り、
 イエスのところに行って報告した。」
                  (マタイによる福音書14:12)

イエスに洗礼を授けた洗礼者ヨハネが、
領主ヘロデの手により無残な死を遂げたのだ。      
それを聞いたイエスは・・・

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
イエスはこれを聞くと、舟に乗ってそこを去り、ひとり人里離れた所に退かれた。

しかし、群衆はそのことを聞き、方々の町から歩いて後を追った。
イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て深く憐れみ、
その中の病人をいやされた。

夕暮れになったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。
「ここは人里離れた所で、もう時間もたちました。群衆を解散させてください。
そうすれば、自分で村へ食べ物を買いに行くでしょう。」

イエスは言われた。
「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」

弟子たちは言った。
「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」
イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、
群衆には草の上に座るようにお命じになった。

そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、
パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。
弟子たちはそのパンを群衆に与えた。

すべての人が食べて満腹した。
そして、残ったパンの屑を集めると、十二の籠いっぱいになった。
食べた人は、女と子供を別にして、男が五千人ほどであった。

  マタイによる福音書14:13-21
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

イエスは、洗礼者ヨハネの死を知ると、
舟に乗ってそこを去り、ひとり人里離れた所に退かれた。

洗礼者ヨハネは、イエスの理解者であり協力者だった。
このときのイエスの胸中はいかばかりであっただろう。

ところが、群衆に容赦はなかった。
彼らはイエスの後を追い、「人里離れた所」に押し寄せた。

いわば休暇中に急に仕事が舞い込むようなものである。

イエスはどうしただろう?

彼は大勢の群衆を見て深く憐れんだ。
そして、その中にいた病人をいやし始めた。

夕暮れが訪れた。
イエスの弟子たちが、群衆を解散するようイエスに進言した。
人々の夕食を心配したらしい。
(自分たちが早く休みたかったのが本音かもしれない。)

イエスの答えはこうだった。
「あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい」

たまらず弟子たちは言った。
「ここにはパン五つと魚二匹しかありません」

群衆は大人の男だけで五千人もいたのだ。

「それをここに持って来なさい」

イエスがパンを裂くと、弟子たちに次々とパンが手渡されていく。
弟子たちはパンを群衆に分配していった。
この日、草の上で大晩餐会が催された。

すべての人が食べて満腹した。

弟子たちが残ったパン屑を集めると、十二の籠がいっぱいになった。

五つのパンから始まり、五千人以上の人々を
満腹させて余りあるパンが供給されたのだ。

人生は理屈通りに運ばない。
だからこそエキサイティングでもある。

「『彼は惜しみなく分け与え、貧しい人に施した。彼の慈しみは永遠に続く』
 と書いてあるとおりです。
 種を蒔く人に種を与え、パンを糧としてお与えになる方は、
 あなたがたに種を与えて、それを増やし、
 あなたがたの慈しみが結ぶ実を成長させてくださいます。」
                   (コリントの信徒への手紙二9:9-10)


惜しみない、憐れみ、慈しみが、理屈をこえた結果をもたらすことがある。