松岡徹の「一生懸命」

日本共産党・熊本県議「松岡徹」の日々の体験・活動、「県政だより」などを発信します。

午前零時ー午前5時の走行試験(フリーゲージトレイン)は中止を

2014-06-05 16:05:43 | 日記

 2022年開業目指して進められている九州新幹線長崎ルートに導入予定の「フリーゲージトレイン(車軸の幅を変えることで新幹線と在来線両方を走る)の走行試験を新幹線熊本ー鹿児島中央間で、午前零時から午前5時までの間に、,しかも260㎞のスピードでも、9地点で環境基準を上回り、騒音・振動被害が出ているのに270㎞で走らせるーというとんでもない計画の中止を、鉄道運輸機構、JR九州、九州運輸局に申し入れました。
 運輸機構とのやり取りで明らかになったのは、安全が検証されていないので、営業時間にはできない。深夜におやるということでした。「とんでもない。住家のあるところでは、断じてやってはならない」と抗議しました。申し入れへの回答を6月20日までにするよう求めました。(申し入れ文は、ブログ「松岡徹の一生懸命」に掲載)

 2014年6月4日

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

  鉄道建設本部九州新幹線建設局長 湯山 和利 様

     フリーゲージトレインの走行試験に関する申し入れ

        

日本共産党熊本県委員会 委員長  日高伸哉

                 県議    松岡徹

   南部地区委員会 委員長 橋田芳昭

   八代委員会委員長 市議 笹本さえ子     

                             

1、レールの幅にあわせて左右の車輪の幅が変えられるフリーゲージトレイン

(軌間可変列車・FGT)の走行試験が、今年の4月20日から九州新幹線熊本・新八代間で始まりました。九州新幹線長崎ルートへの導入めざして、走行試験だけを鹿児島と熊本間で行うことになっています。

 日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員を通じて、明らかになった「フリーゲージトレイン走行試験計画概要」では、「性能確認試験」と「耐久走行試験」を行うことになっています。

その試験期間は、「性能確認試験」が、①平成26年4月20日から5月上旬、②5月中旬から7月下旬および9月上旬、③7月下旬から9月下旬まで、④10月上旬から中旬までの4期間にわたって行われることになっています。とくに、この計画については、4つの期間とも、午前0時から午前5時ごろまでの深夜早朝に走行試験が行われることになっています。しかも、走行試験列車の速度は、7月下旬から9月下旬までは、現在のJR九州新幹線の最高速度260キロをうわまわる270キロとなっており、JRの在来線を走る走行試験列車の速度も現在の最高速度100キロをうわまわる120キロから130キロとなっています。

「耐久走行試験」は、今年10月下旬から平成29年3月ごろまでの3年間、行われることになっています。新幹線区間は午前6時から午前0時までの深夜早朝に、在来線および接続区間は終日となっています。試験列車の速度は、新幹線260キロ以下、新八代付近の接続線は50キロ以下、在来線は、130キロ以下。頻度は、新幹線一日3往復程度、在来線は一日最大14往復程度で月20日程度とされています。新聞報道では、「通常ダイヤの合間をぬって、3年間で60万キロを走らせ、営業運転に耐えられる強度があるか、保守点検のコストをどれだけ抑えられるかを調べる」とされています。今年で走行試験が終わるのではなく、3年間も深夜早朝に「耐久走行試験」が続くことになります。

2、もともと、走行試験を実施する地域は、「夜も十分眠れない」「壁にヒビがはいった」「地盤沈下が起きた」など九州新幹線による騒音、振動被害が広範に発生している地域であり、沿線住民からは、新幹線のスピード減速をもとめる要望が強くだされています。しかも、昨年5月から6月にかけて自治体が独自におこなった騒音振動測定によって、国の環境基準すら達成していない地域が7カ所9地点もあることが明らかになっています。そもそも、こうした九州新幹線の騒音振動被害が発生している地域をフリーゲージトレインの走行試験の対象にして、深夜早朝に260キロないし270キロの試験列車を走らせることは騒音振動被害をさらに深刻化することにつながるものです。

  この計画を聞いた住民、町内会関係者からは、「夜間の走行試験はやめるべきだ」「全線開通の時の説明会で260キロ以上では走らせないとの説明があった。270キロで走らせることは、約束違反だ」「真夏の深夜に270キロも走らせれば、暑いのに窓も締め切って眠ることになる」など疑問の声が寄せられています。

  日本共産党は、九州新幹線の騒音振動被害が発生している地域を走行試験の対象地域にしたこと自体が大きな問題であり、これらの被害発生地域を走行試験の対象地域からはずすべきと考えます。

3、このフリーゲージトレインが走行することになる佐賀県の沿線9自治体の議会からは、フル規格化をもとめる意見書が相次いで可決されています。特に、「在来線を使う新鳥栖―武雄温泉間に踏み切りが93カ所あるが安全対策の予算はついてないこと、フリーゲージが走れば、今より運行本数が増え、町内の踏み切りは小中学生も通学に使うので危険」などが指摘されています(「朝日」4月20日) 導入が予定されている九州新幹線長崎ルートでは、フリーゲージトレインの走行について、様々な意見が出されている中で、今回の走行試験がおこなわれることになります。 

4、フリーゲージトレインの走行試験に関して以下の点を申し入れます

 (1)この「走行試験計画概要」については、自治体関係者、町内会長に説明があっただけで、関係住民には直接説明がされていません。走行試験計画概要について沿線住民に直接説明するための説明会を開催すること

 (2)深夜早朝(0時から午前6時)の走行試験、260キロをこえる走行試験をしないこと

(3)走行試験列車による騒音、振動の測定を行うこと

(4)九州新幹線の騒音振動被害が発生している地域を走行試験の対象地域からはずすようにすること


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